トップリーグ 2016-2017 weekly preview:第3節編

text by Kenji Demura

秩父宮の金曜ナイターはNTTコム – NEC
日産スタジアムでは東芝とキヤノンが対戦

9月4日までに第2節が終了したジャパンラグビー トップリーグ 2016-2017。

開幕2連勝の好スタートを切ったのはトヨタ自動車ヴェルブリッツ(10)、サントリーサンゴリアス、ヤマハ発動機ジュビロ、東芝ブレイブルーパス(以上、9)、宗像サニックスブルース(8)の5チーム。

パナソニック ワイルドナイツ(6)、近鉄ライナーズ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(以上、5)、キヤノンイーグルス、リコーブラックラムズ、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(以上、4)の6チームが1勝1敗。

NECグリーンロケッツ、クボタスピアーズ、豊田自動織機シャトルズ、コカ・コーラレッドスパークス(以上、1)、Honda HEAT(0)の5チームはまだ白星を挙げられていない、という状況になっている。
※( )内は勝ち点。

若手の活躍も目覚ましい東芝(写真はNO8徳永)は日産スタジアムで初のラグビー試合となるキヤノンとの一戦 photo by Yuka Shiga

若手の活躍も目覚ましい東芝(写真はNO8徳永)は日産スタジアムで初のラグビー試合となるキヤノンとの一戦
photo by Yuka Shiga

前節は3試合あった金曜ナイターだが、今節は東京・秩父宮ラグビー場のNTTコム – NEC戦のみとなる(9日19:30)。

前節のリコー戦の後半、アイディア溢れるアタッキングラグビーで3トライを重ねてシーズン初白星を挙げたNTTコム。調子は上向きと見ていいだろう。
再びアタッキングラグビーを炸裂させるためにもセットの安定、そしてディシプリンを保つ戦いができるかがポイントになりそうだ。
エルトン・ヤンチース不在の間に、すっかり司令塔の座を自分のものにした感のあるSO小倉順平のひらめきあるプレーぶりも注目される。

リコー、東芝相手に連敗スタートとなったNECは3週連続で秩父宮での試合。DFで粘れる時間帯はあるだけに、ややミスの目立つセットプレーを安定させて、SH茂野海人—SO田村優のハーフ団に余裕を持ったゲームメイクをさせたいところだ。

開幕2連敗のクボタはやはり2敗の豊田自動織機と秩父宮で対戦。初白星を挙げるのはどちらか photo by Kenji Demura

開幕2連敗のクボタはやはり2敗の豊田自動織機と秩父宮で対戦。初白星を挙げるのはどちらか
photo by Kenji Demura

NTTコム – NEC戦以外の7試合は10日(土曜日)の開催となる。

2019年のラグビーワールドカップで決勝の舞台となる神奈川・日産スタジアムでは、初のラグビーの試合となる東芝 – キヤノン戦が行われる(18:00)。

開幕2連勝の東芝は初戦のクボタ戦で安定しなかったスクラムに関して、前節のNEC戦でしっかり修正していた印象。NEC戦では失トライ1に抑えるなどDFも安定。NO8徳永祥尭、SO田村熙、WTB松岡久善など、若手の活躍も楽しみだ。

対するキヤノンは前節でヤマハ発動機にスクラムではプレッシャーをかけたものの、ブレイクダウンの攻防で後手に回ったことが響いて16—35で敗れた。
開幕戦でパナソニックを圧倒したヤマハ発動機に対してスクラムで優位に戦えたことはFW陣には大きな自信となったはず。
セットプレーとブレイクダウンの攻防が勝敗を左右することは間違いないだろう。

地元にトヨタ自動車を迎えるHonda。そろそろWTBイオアネのトライも期待される photo by Kenji Demura

地元にトヨタ自動車を迎えるHonda。そろそろWTBイオアネのトライも期待される
photo by Kenji Demura

サントリーに対するリコー、トヨタ自動車に対するHonda、全勝チームを止めるのは?

同日の秩父宮では、クボタ – 豊田自動織機(16:30)、サントリー – リコー(19:00)の2試合が予定されている。

第1試合はシーズン初勝利を狙う同士の対戦となるが、「セットピースの精度を向上」(クボタCTB立川理道主将)、「ブレイクダウン」(豊田自動織機・丹生雅也監督)という課題をどちらが修正して主導権を握れるのか。

一方、第2試合では前節、Honda相手に完璧な試合を見せた(50—0)サントリーがリコーに対しても相手を辟易させるような怒涛のアタッキングラグビーを続けられるのか。
前節、NTTコムのアタックを止め切れなかったリコーとしては、まず粘り強くDFをして、何とかサントリーの連続攻撃を分断したいところ。
「例年よりも練習に時間を割いてきた」(LO馬渕武史主将)というコンタクトエリアで強さを見せてサントリーを慌てさせるような展開に持ち込みたい。

単独首位のトヨタ自動車はHonda相手に連勝を伸ばすことができるか photo by Kenji Demura

単独首位のトヨタ自動車はHonda相手に連勝を伸ばすことができるか
photo by Kenji Demura

三重交通G スポーツの杜 鈴鹿サッカー・ラグビー場では、開幕2連敗のHondaが首位・トヨタ自動車を迎える(19:00)。

地元のHondaとしては、まずは自信を持つ「フィジカルの強さ」(小西大輔主将)でしっかり対抗したいところ。まだノートライの2枚看板WTBディグビー・イオアネ、レメキ ロマノ ラヴァにもそろそろ爆発的な走りを披露してもらいたいところだ。

開幕節の豊田自動織機戦に続き、クボタ戦でも「ウチらしいラグビーができた。ゴール前のDFやスクラムで一歩一歩前進できている」と菅原大志監督も合格点を与える内容で快勝(27 – 10)のトヨタ自動車。
FL安藤泰洋主将が「タッチキックのミスやノックオンがあったので、ミスをなくして、チャンスをものにしていく」と言うように、より精度を高めたラグビーで3たび勝ち点5を狙う。

開幕戦でヤマハ発動機に力負けしたものの前節では神戸製鋼に完勝(30—6)して、「王者強し」を印象付けたパナソニックは再び関西で近鉄と対戦(大阪・万博記念競技場=19:00)。

昇格組ながら開幕2連勝で波に乗る宗像サニックスは佐賀でヤマハ発動機との全勝対決 photo by Kenji Demura

昇格組ながら開幕2連勝で波に乗る宗像サニックスは佐賀でヤマハ発動機との全勝対決
photo by Kenji Demura

佐賀県総合運動場陸上競技場では共に開幕2連勝と波に乗る宗像サニックスとヤマハ発動機があいまみえる(18:00)。
強力FWと固いDFを誇るヤマハ発動機に対して、宗像サニックスのランニングラグビーがどこまで通用するのか。九州のファンには見逃せない一戦だろう。

石川県西部緑地公園陸上競技場では、開幕2連敗のコカ・コーラと前節でパナソニックに完敗した神戸製鋼戦が対戦 (18:00)。どちらが立ち直りを見せるのか、共に序盤戦の中で重要な意味を持つ一戦となる。

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