トップリーグ 2016-2017 weekly preview:第7節編

首位ヤマハ発動機は地元にHondaを迎え
サントリーは敵地に乗り込みNECと対戦

text by Kenji Demura

前節では、首位争いを続けるヤマハ発動機ジュビロとサントリーサンゴリアスがそれぞれクボタスピアーズと宗像サニックスブルースに快勝(ヤマハ発動機 53—0 クボタ、サントリー41−8 宗像サニックス)。共に全勝を守った。
今節はヤマハ発動機(勝ち点29)がホームにHonda HEATを迎え(15日13:00、静岡・ヤマハスタジアム=磐田)、サントリー(勝ち点27)はNECグリーンロケッツとのアウェーゲームを戦う(15日13:00、千葉・柏の葉公園総合競技場)。

快進撃を続けるヤマハ発動機でインパクトある走りでBK攻撃にパンチを与えるCTBタヒトゥア photo by Kenji Demura

快進撃を続けるヤマハ発動機でインパクトある走りでBK攻撃にパンチを与えるCTBタヒトゥア
photo by Kenji Demura

クボタ戦で今季最多となる計8トライ、53得点を記録し、失点は0という完璧な試合をしてみせたヤマハ発動機。
序盤戦でFW陣が「まだ伸び代がある」(HO日野剛志)と感じていたスクラムでしっかりトライを取り切る一方、FWが作ったチャンスにSH矢富勇毅を起点にした素早いパス回しからのBKのアタックでもトライを量産。昨季まで最後列を締めていたFB五郎丸歩(現トゥーロン)の存在を完全に過去のものにしてみせたと言ってもいいほどの好調ぶりを続けている。

対するHondaはここまで6戦6敗。
ただし、前節の東芝ブレイブルーパス戦では「ボールを持った時には比較的いいアタックができていた」(藤本知明ヘッドコーチ)と手応えを感じていた部分も少なくなかった。
失うものは何もないチャレンジャーとして、チームスローガンでもある「挑戦」を具現化する一戦となる。

全勝サントリーにとってNO8竹本隼のベテランらしいツボを心得た仕事ぶりも貢献度大 photo by Kenji Demura

全勝サントリーにとってNO8竹本隼のベテランらしいツボを心得た仕事ぶりも貢献度大
photo by Kenji Demura

開幕以来、センセーショナルな戦いぶりを見せてきた宗像サニックスに対して、前節、敵地の九州・長崎で快勝(41—8)したサントリーは、NECの本拠地に乗り込んでの試合となる(15日13:00、千葉・柏の葉公園総合競技場)。

第4節でパナソニック ワイルドナイツから6トライを奪って大勝してからは、「我々がやろうとしているラグビーができ始めてきている」と、沢木敬介監督も手応えを感じる攻撃ラグビーを前面に出して、ここ3試合での1試合平均の奪トライ数は5.3。
しかも、後半40分間でのトライ数が前半40分間の2倍となるなど、立ち上がりから攻め続けた末に、終盤、相手を置き去りにして圧倒する、リーグ2連覇当時(11〜12、12〜13年)を彷彿させる強さを見せ始めたと言っていいだろう。

NECの榎、瀧澤主将の両PRはサントリーの強力スクラムにどう立ち向かうのか photo by Kenji Demura

NECの榎、瀧澤主将の両PRはサントリーの強力スクラムにどう立ち向かうのか
photo by Kenji Demura

対するNECも第4節に豊田自動織機シャトルズ(23—7)、第5節でトヨタ自動車ヴェルブリッツ(22—17)に快勝。前節はパナソニックに敗れた(26—51)ものの、「いいラグビーができた部分もあるし、チャンスは多くつくった
(ピーター・ラッセル ヘッドコーチ)とチーム状態が上向きであることは間違いない。
今季初となる千葉での試合となるだけに、地元でサントリーの全勝を止めて、上位進出を果たしてもおかしくない実力があることを証明したい。

前節に続き熊谷、花園はダブルヘッダー開催
豊田自動織機はホームで初白星ゲットなるか

前節でサントリーに敗れて4勝2敗となった宗像サニックスは大阪・東大阪市花園ラグビー場でクボタと対戦(15日11:45)。
サントリー戦は悪いコンディションが影響して得意のボールを動かすラグビーが不発だった面もあるが、現在のところ15日の天気予報は晴れ。整備された花園ラグビー場の芝の上で宗像サニックスらしいラニンニングラグビーが爆発するのか。
対するクボタは2週連続となる関西圏でのホームゲーム。クボタにとっては年内の関西圏での試合はこれが最後となるだけに、前節でヤマハ発動機に大敗したショックから立ち直った姿を花園で披露したいところだ。

クボタはヤマハ発動機戦の大敗のショックから立ち直ることができるか photo by Kenji Demura

クボタはヤマハ発動機戦の大敗のショックから立ち直ることができるか
photo by Kenji Demura

同日の花園での第2試合は2勝4敗同士で勝ち点(10)でも並ぶ近鉄ライナーズとリコーブラックラムズが対戦(14:00)。
共に前節では、近鉄がトヨタ自動車(19—25)、リコーが神戸製鋼コベルコスティーラーズ(39—45)に惜敗。
悔しさをバネにどちらがライバルを蹴散らして上位への挑戦権を得るのか、一種のサバイバルゲームともなる。

また、近鉄、リコーと並んで勝ち点10(2勝4敗)のキヤノンイーグルスは、過去3シーズンで3戦3勝とゲンのいい大分での神戸製鋼戦(16日13:00、大分銀行ドーム)。
前節の豊田自動織機シャトルズ戦では「FWの頑張りに尽きる」と永友洋司監督が評価したセットプレーの安定ぶりなどが効いて開幕節以来の勝利をものにしたキヤノンにとっては、神戸製鋼の大型FWを相手にどんな戦いを見せるのか真価を問われる一戦となる。

対する神戸製鋼(5勝1敗=勝ち点23)は2試合連続で7トライを奪っているアタック力でキヤノンDFを打ち破り、ヤマハ発動機、サントリーの全勝組への追撃態勢を維持したい。

前節のHonda戦で3試合ぶりに勝ち星を挙げた東芝ブレイブルーパスは豊田自動織機とのアウェー戦に臨む(15日14:00、愛知・ウェーブスタジアム刈谷)。
森田佳寿主将がCTBで今季初先発したHonda戦では「FW、BK一体となったアタックでスコアを重ねていける土台がようやくできてきた」と冨岡鉄平ヘッドコーチも一定の評価を与える内容でボーナスポイントも加えただけに、東芝らしいパフォーマンスを続けて復調をアピールしたい。

対する豊田自動織機は今季初となる地元・刈谷での試合で「チャレンジャーとして泥臭く挑んでいく」(FL高田裕雅主将)スタイルを貫いてアップセットを狙う。

前週に続いての開催となる埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場ではNTTコミュニケーションズシャイニングアークス – トヨタ自動車(16日11:30)、パナソニック – コカ・コーラレッドスパークス(同14:00)の2試合が予定されている。

キヤノンは大分で神戸製鋼、豊田自動織機は刈谷で東芝と対戦する photo by Kenji Demura

キヤノンは大分で神戸製鋼、豊田自動織機は刈谷で東芝と対戦する
photo by Kenji Demura

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