トップリーグ 2016-2017 weekly preview:第10節編

日本代表にFW6人! ヤマハ発動機はエコパで豊田自動織機戦
何かが起こる? サントリー – NTTコム、宗像サニックス – 神戸製鋼

text by Kenji Demura

10月最終週の第9節を最後に中断していたトップリーグが12月3、4日、再開される。今シーズンは計15節にわたって総当り戦が行われ、プレーオフなしで最終順位が決まるため、残り6節、どのチームも持てる力を全て出し切りながら目標達成に近づく努力が続けられることになる。

9節を終わっての各チームの順位と勝ち点を整理すると、以下のようになる。

1. ヤマハ発動機ジュビロ(43)
2. サントリーサンゴリアス(42)
3. パナソニック ワイルドナイツ(34)
4. 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(33)
5. トヨタ自動車ヴェルブリッツ(29)
6. NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(26)
7. 宗像サニックスブルース(21)
8. 東芝ブレイブルーパス(21)
9. リコーブラックラムズ(19)
10. キヤノンイーグルス(15)
11. NECグリーンロケッツ(15)
12. クボタスピアーズ(15)
13. 近鉄ライナーズ(12)
14. コカ・コーラレッドスパークス(8)
15. Honda HEAT(6)
16. 豊田自動織機シャトルズ(6)

開幕から全勝を続けるヤマハ発動機とサントリー。ウィンドウマンス明けの第10節では、ヤマハ発動機が豊田自動織機(3日14:00=静岡・エコパスタジアム)、サントリーはNTTコム(3日14:00=大阪・東大阪市花園ラグビー場)とそれぞれ対戦する。

日本代表にFW6人を送り込んだヤマハ発動機(ボールを持つのはLO/FLヘル)。国内残留組との融合具合は? photo by Kenji Demura

日本代表にFW6人を送り込んだヤマハ発動機(ボールを持つのはLO/FLヘル)。国内残留組との融合具合は?
photo by Kenji Demura

11月5日のアルゼンチン戦を皮切りに、ジョージア、ウェールズ、フランス(フィジーと対戦)と転戦した11月の日本代表。
首位のヤマハ発動機からは、FL三村勇飛丸主将をはじめ、実に6人の選手が参加。スクラムコーチとして帯同した長谷川慎FWコーチも含めると7人が約1ヶ月間チームから離れるかたちとなった。

6人はいずれもこの秋に初キャップを獲得した選手ばかり。しかも全員がFW。そのうち、三村主将、LOヘル ウヴェを除く4人がフロントロー(仲谷聖史、伊藤平一郎、山本幸輝=以上PR、日野剛志副将=HO)。
これだけ、同じポジションの選手が揃って1ヶ月チームを不在した影響はあるかもしれない。
もっとも、当人たちは「僕たちが1ヶ月離れたくらいではあまり変わらない。(ヤマハ発動機には)それくらいのベースはある」(HO日野)と、悪影響はないと断言。
前述とおり長谷川コーチもジャパンに帯同し、現在のスクラムの組み方も基本的にはヤマハ発動機スタイル。
いずれもスクラムの強固な対戦相手ばかりだった秋のテストマッチを経験したことで、国内では無敵な感じさえあったヤマハ発動機のスクラムがさらに進化しているのか。あるいは移動も含めてタフな遠征だったことは間違いなく、コンディション的に問題はないのか。
首位を行くチームであり、当然であるとはいえ、リーグ再開後しばらくはヤマハ発動機から目を離せない。

パナソニックWTB北川の100トライは?
実現なるか? 堀江対立川理の共同主将対決

一方、サントリーから日本代表に加わっていたのは、PR畠山健介とFB松島幸太朗の2人だけ。
こちらは、この2人は日本代表だけではなく、海外のチームでプレーしていた経験もあり、厳しいスケジュールでもコンディションを整えるのには慣れているはず。
ウィンドウマンス期間に不在だった人数も少なく、チームコンディションという意味では恵まれている。

日本代表の15番を完全に自分のものにしているFB松島。NTTコム戦でのいきなりの先発は? photo by Kenji Demura

日本代表の15番を完全に自分のものにしているFB松島。NTTコム戦でのいきなりの先発は?
photo by Kenji Demura

サントリーと対戦するNTTコムは今季SOに定着していた小倉順平が日本代表に選ばれチームを離れていたが、ジャパンの4試合では出番なし。このあたりがどう影響するのか。
今季、開幕から不在だったFL金正奎主将が復帰できそうなのは大きなプラスだろう。

同日、花園での第1試合は近鉄対NEC(11:45)。NECも司令塔のSO田村優がいなかった影響がどう出るのか。第9節で神戸製鋼を破るなど、ウィンドウマンス突入前はチーム状態が良くなっていただけに、そのままの勢いでリスタートしたいところだろう。
外国人などケガ人が多かった近鉄もそろそろ戦力が揃ってきてもおかしくないだけに、地元でのリーグ再開戦に勝って、勢いに乗りたい。

また、現在3位で、ヤマハ発動機同様、多くの日本代表を輩出するパナソニックは地元・太田にクボタを迎える(4日13:00=群馬・太田市運動公園陸上競技場)。
共に、チームの主将でもある堀江翔太(パナソニックHO)と立川理道(クボタCTB)日本代表共同主将同士の直接対決は実現するのか。
2人は共に11月の日本代表4試合すべてに出場。当然、コンディションは万全ではないだろうが、ファンとしては日本代表の共同主将が両チームの主将として並んでスタジアムに入ってくるのを見てみたいのは確かだ。
尚、パナソニックWTB北川智規はトップリーグ通算トライ数が99。
記念すべき通算100トライにリーチをかけてからすでに2試合が過ぎたが、そろそろ地元で大記録達成といきたいところだろう。

日本代表の4試合全てで先発したパナソニックHO堀江主将。クボタ戦で立川理主将との揃い踏みが見たいところだが photo by Kenji Demura

日本代表の4試合全てで先発したパナソニックHO堀江主将。クボタ戦で立川理主将との揃い踏みが見たいところだが
photo by Kenji Demura

日本代表では3戦までフル出場もフィジー戦では途中交代したCTB立川理主将。クボタ大黒柱のコンディションは? photo by Kenji Demura

日本代表では3戦までフル出場もフィジー戦では途中交代したCTB立川理主将。クボタ大黒柱のコンディションは?
photo by Kenji Demura

愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で行われるトヨタ自動車 – キヤノン戦は、ウィンドウマンス入り前の第9節でいい勝ち方をしたチーム同士の対戦。好ゲームが期待できそうだ。

FL/NO8松橋周平、ユーティリティBKアマナキ・ロトアヘアというイキのいい若手を日本代表に送り込んだリコーは静岡・エコパスタジアムでHondaと激突(3日11:30)。

前半戦、昇格チームながらトップリーグを盛り上げた宗像サニックスは地元の福岡・グローバルアリーナに神戸製鋼を迎える(4日14:00)。
宗像サニックスとしては持ち前のランニングラグビーを生かすためにも、強力FWの神戸製鋼に対してセットプレーでどれだけ戦えるかがポイント。
ウィンドウマンス前の第9節でNECに敗れた神戸製鋼が1ヶ月間でどう立て直しているのかも注目だろう。

1ヶ月でどう立て直しているかという意味では、9節を終わってまさかの5敗を喫し、8位に沈んでいる東芝が鹿児島でコカ・コーラと戦う一戦も見逃せない(4日14:00=鹿児島県立鴨池陸上競技場)。

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