トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第3節

text by Kenji Demura

昨季1、2位が直接対決=サントリー-ヤマハ発動機は土曜日
因縁の東芝-パナソニックは金曜日。いずれも東京・秩父宮で

8月18日に開幕したジャパンラグビー トップリーグ2017-2018。
第3節となる今節、最も注目される対戦は昨季の1位と2位が対戦するサントリーサンゴリアス-ヤマハ発動機ジュビロの一戦だろう(9月2日16:00 東京・秩父宮ラグビー場)。

サントリーとの決戦を迎えるヤマハ発動機。僅差となればやはりこの人の右足も勝敗を左右する photo by Kenji Demura

サントリーとの決戦を迎えるヤマハ発動機。僅差となればやはりこの人の右足も勝敗を左右する
photo by Kenji Demura

共に2戦2勝。
ただし、開幕したばかりということもあるだろうが、内容的にはまだまだ“らしさ”が見られない部分も少なくなかったりする。

レッドカンファレンスで唯一勝ち点10を挙げて首位に立つサントリーだが、前節のリコーブラックラムズ戦では前半、新加入のCTBマット・ギタウの2本など計3トライを奪って主導権を握ったものの、後半は10-12とスコア、内容とも劣勢となった。
「(リコー戦の)後半はいいところがなかった。(ヤマハ戦は)真っ向勝負。アグレッシブアタッキングラグビーで勝ちたい」(SH流主将)

一方、ヤマハ発動機も開幕のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦、続く豊田自動織機シャトルズ戦と、看板のスクラムで劣勢になる場面も見られたが、サントリー相手にどう修正してくるのか。
「(サントリー戦では)自分たちの強みを出す。セットプレーの修正」(NO8堀江恭佑主将)

共にBKの決定力も高いが、当然ながらまずはセットプレー、ブレイクダウンなどコンタクトエリアの優劣がポイントになる。

新旧の日本代表が並ぶFW第1列だけではなく、SH流 – 矢富勇毅、CTBギタウ – マレ・サウ、WTB中鶴隆彰 – ゲラード・ファンデンヒーファー、FB松島幸太朗-五郎丸歩など、楽しみな個々のマッチアップばかりの対戦でもある。

トヨタ自動車にとっては数少ない関東での試合となるキヤノン戦。勝って勢いに乗れるか(写真はFL姫野主将)

トヨタ自動車にとっては数少ない関東での試合となるキヤノン戦。勝って勢いに乗れるか(写真はFL姫野主将)

同日の秩父宮の第2試合(18:30)には、キヤノンイーグルスとトヨタ自動車が登場。
前節の近鉄ライナーズ戦でジェイク・ホワイトヘッドコーチ-FL姫野和樹主将体制となって初勝利を挙げたトヨタ自動車が、レギュラーシーズンでは今季唯一の秩父宮の試合で勢いに乗るのか、それとも開幕からサントリー、パナソニック ワイルドナイツという横綱級の相手に連敗スタートとなったキヤノンが踏みとどまるのか。

今季のレギュラーシーズン、関東圏でヴェルブリッツを見られるのは、今節を逃すと第5節の埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場のみとなるだけに、関東のファンとしては新生トヨタ自動車の姿を確認しておきたい。

過去の対戦でキヤノンがトヨタ自動車を破ったのは2015-16シーズンの1度のみ。イーグルスとしてもそろそろ歴史の流れを変える勝ち星がほしいところだろう。

北海道、山口、鹿児島、奈良でも開催
大阪では神戸製鋼がクボタを迎える

今節は土曜日の秩父宮以外は各会場1試合ずつの開催となる。

秩父宮のフライデーナイターとして開催される東芝ブレイブルーパス対パナソニック ワイルドナイツ(19:30)も、今季の優勝争いを占う意味からも当然、見逃せない。

すでに3トライをマークしているパナソニックWTB山田。東芝戦でもチームを勢いづける快走を見せられるか photo by Kenji Demura

すでに3トライをマークしているパナソニックWTB山田。東芝戦でもチームを勢いづける快走を見せられるか
photo by Kenji Demura

「開幕からいい雰囲気で素晴らしいパフォーマンスが出せている」

ロビー・ディーンズ監督も及第点を与える内容で、1節、2節と自分たちのやりたいラグビーが全開といった印象での快勝が続くパナソニックにとって、「ゲインラインにこだわるラグビー」(瀬川智広監督)で復活を目指す東芝戦は、王者復帰へのひとつのバロメーターになる試合と言っていいだろう。

開幕2戦で早くも山田章仁、福岡堅樹の両WTB陣が2人合わせて5トライを挙げていることに象徴されるように、抜群の判断力とスキルを兼ね備えた選手たちが、どこからでも有効にスペースをアタックしていくスタイルは早くも熟達の域に達している感さえある。

もちろん、東芝としてはパナソニックがやりたいようにボールが動き出す前に、コンタクトエリアで優位に立つ事が14-15シーズン以来となるパナソニック戦勝利の条件となる。

前節はハンドリングエラーなど多く出たミスの影響もあって、試合巧者のNTTコミュニケーションズに敗れたが、ミスなく自分たちのスタイルを全うできれば、リーグ戦で引き分け、順位決定トーナメント決勝戦で1点差負けした15-16シーズンのように、互角以上の戦いに持ち込める可能性は十分ある。

東京以外では、北海道(2日13:00 月寒屋外競技場=NECグリーンロケッツ-豊田自動織機)、山口(同15:00 山口維新公園グラウンド=宗像サニックスブルース-リコーブラックラムズ)、鹿児島(同18:00 鹿児島県立鴨池陸上競技場=NTTドコモレッドハリケーンズ-コカ・コーラレッドスパークス)、奈良(3日16:00 奈良県立橿原公苑陸上競技場=近鉄ライナーズ-NTTコム)で今シーズン唯一となるトップリーグの試合が行われる。

また、2日の大阪(万博記念競技場=17:00)では、開幕2連勝の神戸製鋼コベルコスティーラーズがクボタスピアーズを迎える一戦も予定されている。

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