トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第5節

text by Kenji Demura

熊谷では全勝パナソニックにトヨタ自動車が挑戦
東京・秩父宮の金曜ナイターは東芝 – 神戸製鋼戦

今季のレギュラーシーズンは計13節。
今週末は、1週間の中断期間を経て第5節が行われるが、序盤戦が終わり、中盤戦への再スタート期と捉えてもいいだろう。

土曜日の熊谷でトヨタ自動車を迎え撃つパナソニック。東芝は秩父宮の金曜ナイターで神戸製鋼戦 photo by Kenji Demura

土曜日の熊谷でトヨタ自動車を迎え撃つパナソニック。東芝は秩父宮の金曜ナイターで神戸製鋼戦
photo by Kenji Demura

ここまでの成績を振り返ってみると、順調に好スタートを切ったチームと、躓いたチームの明暗がはっきり分かれていることがわかる。
16チームを4節終了時点での成績で「勝ち越し」、「勝率5割」、「負け越し」の3グループに分けてみると、以下のようになる。

<勝ち越し=4勝、3勝1敗グループ>
パナソニック ワイルドナイツ(20=W)、サントリーサンゴリアス(19=R)、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(18=R)、ヤマハ発動機ジュビロ(15=W)、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(15=R)

<勝率5割=2勝2敗グループ>
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(10=R)、クボタスピアーズ(9=R)、NECグリーンロケッツ(9=W)、リコーブラックラムズ(9=W)、NTTドコモレッドハリケーンズ(8=R)、近鉄ライナーズ(8=R)

<負け越し=1勝3敗、4敗グループ>
東芝ブレイブルーパス(5=R)、宗像サニックスブルース(4=W)、豊田自動織機シャトルズ(1=W)、キヤノンイーグルス(1=W)、コカ・コーラレッドスパークス(1=W)

※( )内の数字は総勝ち点、Rはレッドカンファレンス、Wはホワイトカンファレンス所属。

今節、組まれている上位(=勝ち越し)グループ同士の対戦は23日土曜日の埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場第2試合(19:00)に予定されているパナソニック対トヨタ自動車の一戦。

ここまでの4試合で唯一、勝ち点5ずつを取り続けているパナソニックだが、前節のコカ・コーラ戦では、メンバーを変えたことなども影響したのか、前半終了間際までリードを許すなど苦戦。
それでも、前半39分にWTB福岡堅樹のトライで同点に追いつくと、後半は一方的に7トライを重ね、結局は64−17で大勝。
「リザーブの選手たちのインパクトは良かった」と、ロビー・ディーンズ監督が語ったとおり、先発、リザーブ問わず、若い選手たちが持ち味を発揮するプレーぶりを見せて、層の厚さを見せつけた。

BK陣だけみても、現在トライ王のWTB福岡、コカ・コーラ戦は休んだものの、5トライの福岡を1トライ差で追うWTB山田章仁、同3トライのFB/CTB森谷圭介、コカ・コーラ戦で今季初先発していきなりトライを奪ったWTB藤田慶和、ここまで全試合出場を果たしているCTB松田力也、コカ・コーラ戦はフル出場のSO山沢拓也の若手など、日本人スター選手が目白押し。

もちろん、SOべリック・バーンズの判断力とプレースキルは相変わらずな上に、今季から加わったCTB/WTBディグビ・イオアネも衰えを知らないシャープな走りでチームに大きなインパクトを与えるなど、穴を見つけるのが難しい充実ぶり。

そのパナソニックにチャレンジするトヨタ自動車も初戦のヤマハ発動機戦こそ、豪雨という難しい条件もあって落としたものの、その後は、近鉄、キヤノン、東芝と、しっかり勝ち切って3連勝。
「毎週、前の試合からの改善をして、トヨタウェイを求める」というジェイク・ホワイト新監督がリクエストするハードワークぶりがチームに浸透してきているだけに、楽しみな一戦となりそうだ。

王者サントリーは土曜日の熊谷での第1試合でクボタと対戦。全勝を守れるか photo by Kenji Demura

王者サントリーは土曜日の熊谷での第1試合でクボタと対戦。全勝を守れるか
photo by Kenji Demura

また、同日の熊谷陸の第1試合(16:30)にはやはりここまで全勝の王者サントリーも登場(対クボタ戦)。
第4節のNTTコム戦をしっかり勝ち切ったが、「毎週勝っているが、もっといい判断をしないといけない。誰も満足していない」(SH流大主将)という王者の進化ぶりをパナソニック – トヨタ自動車というハイクォリティな試合の前に確認できるなんて、ラグビーファンとしてはとても贅沢な夕べとなりそうだ。

クボタも前節の豊田自動織機戦では「前後半通じて自分たちの形ができていた」(CTB立川理道主将)と、調子を上げているのは明らかなだけに、「セットピースでプレッシャーをかけ、相手陣内でプレーする」(同主将)ことで金星を狙いたい。

ヤマハ発動機は今季唯一の九州での試合? 対キヤノン戦
NTTドコモ – 近鉄の“大阪ダービー”は24日に万博で

パナソニック、サントリーと並んで全勝をキープする神戸製鋼は前節に続いて東京・秩父宮ラグビー場での金曜ナイターに登場。東芝と対戦する(22日19:30)

2週間前のNEC戦では、開始15分までに3トライを挙げて最終的には29—12で勝ち点4を挙げたものの、後半NECに2トライを許してボーナスポイントの獲得に失敗するなど、尻すぼみな内容となった。

「ラインアウトのミスが多かった」(NO8前川鐘平主将)点など、修正してフィジカルな東芝との戦いに臨む。

ここまでミスやディシプリンの部分で試合の流れをつかめずに3連敗している印象の東芝だが、前に出るディフェンスや個々のアタックでは進歩が見られているのも確か。
大型FW同士のフィジカルバトルを制して、神戸製鋼の全勝を止め、上昇気流に乗りたいところだ。

今季、九州でヤマハ発動機FB五郎丸を見られるのは今節の大分でのキヤノン戦だけ? photo by Kenji Demura

今季、九州でヤマハ発動機FB五郎丸を見られるのは今節の大分でのキヤノン戦だけ?
photo by Kenji Demura

また、トヨタ自動車と並んで1敗をキープするヤマハ発動機は24日に大分銀行ドームでキヤノンと対戦(14:00)
九州出身のヤマハ発動機FB五郎丸歩が九州でプレーする可能性があるレギュラーシーズンの試合はこのキヤノン戦のみ。地元ファンとしてはスーパースターの勇姿を見られる貴重なチャンスとなる。

同じく九州の福岡・レベルファイブスタジアムでは23日に地元チームが揃い踏み。コカ・コーラ – リコー(16:30)、宗像サニックス – NEC(19:00)の2試合が予定されている。

ここまで、調子が上がらない宗像サニックス、コカ・コーラ、キヤノンだが、いずれも同じホワイトカンファレンスに属していることもあり、まだまだ上位進出のチャンスは残されている。このあたりで、ライバルに一歩先んずるかたちでの勝利がほしいところだ。

同じくホワイトカンファレンスでまだ勝ち星のない豊田自動織機は地元愛知・ウェーブスタジアム刈谷にNTTコムを迎える(23日17:00)。

また、24日には大阪・万博記念競技場でNTTドコモ – 近鉄の“大阪ダービー”も予定されている(17:00)。

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