トップリーグ 2017-2018 第8節 レポート(NEC 28-27 クボタ)

ジャパンラグビー トップリーグ 2017-2018 第8節
2017年10月15日(日)13:00キックオフ/千葉・柏の葉公園総合競技場
NECグリーンロケッツ 28-27 クボタスピアーズ

肌寒い雨の中、ジャパンラグビー トップリーグ 第8節 NECグリーンロケッツ 対 クボタスピアーズの試合が行われた。
ホームゲームでは、ここ7,8年勝利を収めていないNECとしては、本拠地でもあり、意地を見せたいところだ。対するクボタも、この試合でポイントを挙げ、ここで勝利し、次戦へ臨みたいところである。

試合はキックオフ早々のNECの先制トライで始まった。CTBネマニがトライ、SO森田のゴールも成功し、7-0とリードする。その10分後、クボタのFB合谷がPGを決め4点差に詰め寄った。NECの粘り強いディフェンスに、なかなか攻めきれないクボタに対し、NECは雨天に向け準備した戦術が功を奏し、33分FL大和田がトライ、ゴールも決まり、14-3とクボタを突き放したが、この3分後、ゴール前ラックからクボタSH井上が好判断を見せトライを決めた。ゴールも成功し、14-10で前半を終えた。

後半開始早々1分、クボタはCTBテアウパがトライを奪うと、さらにその2分後、激しくトライを狙い攻め続けるNECバックスのロングパスを、自陣ゴール前でクボタCTBサンダースがインターセプトから独走トライを決めた。5分弱で2トライ2ゴールを決め、14-24と逆転し、一気にリードを広げた。後半は、クボタが先にチャンスをつかみ、そして、NECが追随するというゲーム展開になり、NECは13分、23番釜池がトライを決め、21-24と3点差まで追い上げた。

しかし、その後はクボタの粘り強いディフェンスから一進一退の攻防が続き、クボタは後半からキャプテン立川に代わって入った、22番森脇がPGを決め、6点差に突き放した。しかしながら、チーム一丸となって果敢に攻め続けるNECは、22分に大和田がトライを決め、右サイドラインぎりぎりの難しいゴールを森田が決め、28-27と再び逆転した。この後も一進一退の攻防が続いたが、NECが逃げ切り、ノーサイドを迎えた。

果敢にオープン攻撃と密集サイドを攻め続けた両チーム。本日の試合はお互いの持ち味を発揮した「ラグビー」の面白さが随所に盛り込まれた好ゲームであった。素晴らしい個々のパフォーマンスを見せてくれた両チームのプレイヤーと、ここまでしっかりとした準備をした両チームのスタッフに心から感謝したい。

(千葉県ラグビー協会  塚越 康利)

クボタスピアーズ

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(左)、立川キャプテン

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(左)、立川キャプテン

フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「大変熱い試合(1点差)であった。NECが徹底したプレーを見せ、ラインアウトでプレッシャーをかけることができなかった。後半、すぐにトライをとり、また、立て続けに点を重ねることができたが、結局、NECにトライを取られ、自分達のペースを維持することができなかった。今日のゲームはキックプレーが有効に働かず、チャンスを生むことができなかった。次戦に向け、怪我の回復を含め、リカバリーし、明日から準備したい」

立川理道キャプテン

「チャンスを生むプレーができなかった。また、チャンスになるシーンもあったが、NECの徹底したプレーの前に生かし切れなかった。試合の入りに、すぐにトライを取られてしまったのも大きい。次戦に向け、怪我のリカバリーに努めたい」

NECグリーンロケッツ

NECグリーンロケッツのラッセル ヘッドコーチ(左)、瀧澤キャプテン

NECグリーンロケッツのラッセル ヘッドコーチ(左)、瀧澤キャプテン

ピーター・ラッセル ヘッドコーチ

「雨対策で準備した戦術が生きた。キックプラン等ミーティング通りのプレーができた。瀧澤と森田の働き、ハーフタイムのトークが勝利に結びついた。ただ、プラン通りのキックから、簡単に相手にボールを渡してしまう場面もあり、ミスにつながったので、しっかり修正していきたい」

瀧澤直キャプテン

「ホームゲームなので楽しみにしていた。地元の高校の吹奏楽部の参加もあり、普段経験できない環境で結果として『勝利』に大変満足している。クボタとはいつも接戦であり、後半連続トライされたところでは、非常に苦しい時間を迎えることとなったが、何とか勝ちきることができた」

──後半、敵ゴール前でPGを狙わず、スクラムにこだわったのは何故か?

「1点差リードだったので、自分以外みんなが『PGだ』と判断したが、トライをとれれば6点差、8点差と差を広げることができると自分が判断した。確かに、逆にPGを決められ、負けていたら後悔したと思うが、勝ったので良かった」

──後半数分の間に2トライ取られたが、そのときに焦りはなかったか?

「10点差つけられても、『まだ30分ある』と思い、大きな焦りは無かった。相手のプレーで取られたのなら焦ったかもしれないが、あくまで自分達のミスで取られたものだったので、メンタルを強く持つことができた。ただ、取られたことは反省し、精神面も含め強くしていきたい」

マン・オブ・ザ・マッチはNECグリーンロケッツ、釜池真道選手

マン・オブ・ザ・マッチはNECグリーンロケッツ、釜池真道選手

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