トップリーグ 2017-2018 weekly preview:特別編「日本代表組のトップリーグへの復帰現状をチェック」

フランスで逞しさを増した日本代表のプレーを
ヒートアップするトップリーグ終盤戦で再確認だ

text by Kenji Demura

リーチ マイケル日本代表主将はいきなりフル出場した前節に続いて今節も東芝のNO8として先発する photo by Kenji Demura

リーチ マイケル日本代表主将はいきなりフル出場した前節に続いて今節も東芝のNO8として先発する
photo by Kenji Demura

国内での2試合(対世界選抜、対オーストラリア)では勝ち星なしに終わったものの、欧州遠征ではトンガに快勝し、フランスとは歴史的な引き分け。
着実に成長している姿を世界に向けて発信して帰国した日本代表。

敵地で世界ランキング8位(現在は9位)のフランスと対等以上に戦える実力を示し、2年を切った自国開催ラグビーワールドカップ2019へ向けて、明るいパフォーマンスを見せてくれたサクラ戦士たちの多くは、すでに戦いの場を日本最高峰のトップリーグに戻している。

厳しい欧州でのテストマッチでの戦いを終えたばかりなのに、帰国後5、6日だった前節、早くもトップリーグのピッチで勇姿を見せ、中にはフル出場するツワモノたちもいたが、今週末はさらに多くの日本代表選手たちが所属チームのために体を張ったプレーを見せてくれることになりそうだ。

今節はどこでフランスを追い詰めた日本代表選手たちのプレーが見られるのか、ざっとピックアップしておこう。

<9日 東京・秩父宮ラグビー場>
NECグリーンロケッツ – サントリーサンゴリアス
NTTコミュニケーショズシャイニングアークス – キヤノンイーグルス

サントリーではSH流大主将が前節の近鉄ライナーズ戦で後半40分間プレー。今節もリザーブからの出場となるが、試合展開によっては前節同様、早めに投入されることにもなりそうだ。
本人は「(近鉄戦での)自分のプレーは良くなかったが、コンディションはいい状態」と、前節では不満が残った自身のパフォーマンをNEC戦では高めるつもりでいる。
BK陣では、FB松島幸太朗も前節の完全休養を経て、先発復帰。フランスBKを手玉に取った鋭い走りを改めて確認するチャンスだ。
サントリーFW陣では前節、後半21分から途中出場したPR石原慎太郎が今節では先発へ。LO真壁伸弥もリザーブ入りしている。
一方、欧州で日本代表の10番を守り続けたキヤノンSO田村優も今節はリザーブ入り。後半の勝負どころに出てきてチームを勝利に導けるか。冷静にビッグプレーを生み出す司令塔ぶりに注目だ。

フランスBK陣をキリキリ舞させたFB松島もサントリーで先発復帰。クボタSO立川主将はいきなり2試合連続フル出場? photo by Kenji Demura

フランスBK陣をキリキリ舞させたFB松島もサントリーで先発復帰。クボタSO立川主将はいきなり2試合連続フル出場?
photo by Kenji Demura

<9日 静岡・ヤマハスタジアム=磐田>
ヤマハ発動機ジュビロ – コカ・コーラレッドスパークス

前節、いきなりフル出場してタフガイぶりを披露したコカ・コーラCTBラファエレ ティモシーは今節も先発メンバーに名を連ねた。自らもトライを決めたフランス戦の後、「遠征を通じて成長した。2019年に向けて正しい道を進んでいる」と実感を語ったラファエレは、今度はコカ・コーラの今季初白星に向けて全力プレーを続けてくれるだろう。

迎え撃つヤマハ発動機は東芝ブレイブルーパスに敗れ、カンファレス2位の座が脅かされるかっこうとなっているが、コカ・コーラ戦ではHO日野剛志が先発復帰。欧州遠征ではプレーチャンスがなかったが、気持ちを切り替え、チームの2位死守のため、セットプレーでもフィールドプレーでも”らしさ”を見せてくれるはずだ。

<9日 愛知・豊田スタジアム>
トヨタ自動車ヴェルブリッツ – NTTドコモレッドハリケーンズ

トヨタ自動車のLO姫野和樹主将は2戦連続の先発出場。
前節のコカ・コーラ戦では自身のコンディションに関して「いい状態とは言えない」と語り、前半のみの出場となったが、ジェイク・ホワイト監督が「チームにエネルギーを与えてくれる必要不可欠な存在」と評価する新人スキッパーは、今節ではしっかり状態を上げて、世界トップチームに対しても十分通用したボールキャリー能力を前面に出してチームを鼓舞する姿を長い時間披露してくれるはずだ。
すっかり日本代表に欠かせない存在となったLOヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ)もこの一戦から先発復帰する。

トヨタFL姫野主将は2試合連続で先発。サントリー流主将、キヤノン田村のジャパンHB団はリザーブスタート photo by Kenji Demura

トヨタFL姫野主将は2試合連続で先発。サントリー流主将、キヤノン田村のジャパンHB団はリザーブスタート
photo by Kenji Demura

<10日 埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場>
パナソニック ワイルドナイツ – 宗像サニックスブルース

パナソニックでは、フランス戦で前半18分から途中出場し、歴史的ドローに貢献した藤田慶和が前節のFBからWTBにポジションを移して2試合連続での先発出場。フランス戦では出番がなかったHO坂手淳史も2試合連続で先発。前節ではリザーブだったSH内田啓介、SO山沢拓也のハーフ団も先発する他、1週間前はメンバー外だった松田力也も12番でスターティングに名を連ねている。
また、世界選抜戦で負傷し、欧州遠征には参加しなかったWTB山田章仁が先発復帰する一方、FW勢では欧州遠征で大活躍だったHO堀江翔太、PR稲垣啓太、同・ヴァルアサエリ愛の第1列の3人がリザーブ入りしている。

<10日 大阪・キンチョウスタジアム>
クボタスピアーズ – 東芝ブレイブルーパス

クボタSO/CTB立川理道主将、東芝NO8リーチ マイケルという大黒柱が、共にいきなりフル出場を果たした前節に続いて先発入り。
日本代表でも大車輪の活躍を見せた2人の凄みさえ感じるプレーをトップリーグでも堪能できるのはラグビーファンとしては幸せなこと。
東芝では三上正貴、浅原拓真の両PRも前節に続いてスターティングメンバーに名を連ねる一方、徳永祥尭もリザーブ入りしている。

フランスで逞しさを増した日本代表メンバーの旬なプレーぶりを堪能するのは、今がチャンスであることは間違いない。

2019RWCでの8強入りへ確かな手応えをつかんだ日本代表の逞しいプレーぶりをトップリーグでも堪能を photo by Kenji Demura

2019RWCでの8強入りへ確かな手応えをつかんだ日本代表の逞しいプレーぶりをトップリーグでも堪能を
photo by Kenji Demura

RELATED NEWS