ジャパンラグビー トップリーグ 2017-2018「年間表彰式」レポート

MVPの松島、新人賞の姫野をはじめベスト15のうち8人が表彰式に出席 photo by Kenji Demura

MVPの松島、新人賞の姫野をはじめベスト15のうち8人が表彰式に出席
photo by Kenji Demura

サントリーFB松島がMVP、新人賞はトヨタ自動車FL姫野が獲得
ベストホイッスルは麻生レフリー、フェアプレーはパナソニック

text by Kenji Demura

1月21日、東京都内でジャパンラグビー トップリーグ2017−2018 年間表彰式が行われた。

表彰式は岡村正・日本ラグビーフットボール協会会長のあいさつで幕を開け、続いて2017−2018シーズンの『TRY for Green』プロジェクトによる1,592,000円の寄付金の目録がトップリーグ リーダー会議代表の稲橋良太選手(クボタスピアーズ)から水谷洋一網走市長に手渡された。
このTRY for Greenプロジェクトは、そのシーズンにトップリーグで記録された全トライに関して、1本ごとにトライ獲得チームとジャパンラグビー トップリーグ双方が1,000円ずつの寄付を行い、北海道網走市の植林活動/森林保全活動に役立ててもらっているプロジェクト。2017-2018シーズンは計796トライが記録された。

ベストホイッスルは5季連続で麻生レフリーが受賞 photo by Kenji Demura

ベストホイッスルは5季連続で麻生レフリーが受賞
photo by Kenji Demura

その後はレフリー表彰へ。
投票によって選ばれた今季のベストレフリーである『ベストホイッスル賞』が5季連続5回目の受賞となる麻生彰久レフリーに、レフリーとアシスタントレフリー合わせて今季最も長い時間レフリングを担当した『AIG賞』が大槻卓レフリーにそれぞれ贈られた。

「シーズン第1節からファイナルまで同じ準備をして、選手が試合に集中できるように努めてきた。(モットーは)レフリーが目立たないこと」と語る麻生レフリーは、今季レフリーとしてトップリーグ通算100試合も達成し功労賞も同時に受賞した。

その麻生レフリーがプレゼンテーターを務めた『フェアプレーチーム賞』を皮切りにチーム表彰に移行。各賞は以下のとおりだった。

<優勝=サントリーサンゴリアス>
<準優勝=パナソニック ワイルドナイツ>
<第3位=ヤマハ発動機ジュビロ>
<フェアプレーチーム賞=パナソニック ワイルドナイツ>

優勝したサントリーの沢木敬介監督、流大主将、松島幸太朗選手の口からは2連覇に関する下記のコメントが語られた。

「シーズンを通して難しかったが、最後は流(主将)を中心に成長できた」(沢木敬介監督)
「苦しいシーズンで接戦も多い中、1試合、1試合、成長しながら、最後に優勝できて、本当に良かった」(流大主将)
「(チームの中での個人的なMVPを挙げるなら)村田太志選手。アタックでもディフェンスでも頑張ってくれて、後ろから見ていても安心できる存在だった」(松島幸太朗選手)

サントリーからは沢木監督、流主将、松島が出席。2連覇は「難しかった」との発言が相次いだ photo by Kenji Demura

サントリーからは沢木監督、流主将、松島が出席。2連覇は「難しかった」との発言が相次いだ
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キヤノン菊谷、トヨタ自動車の北川に150試合出場「特別賞」
ベスト15にはトライ王の山田などパナソニックから9人選出

そして、最後に個人賞(選手)の発表へ。

まずは、今季トップリーグ通算100試合出場を達成した7人の選手と同じく150試合を達成した2人の選手への『特別賞』が授与された。

150試合出場および100試合出場を達成したのは以下の選手たち。

<150試合出場>
菊谷崇(キヤノンイーグルス)
北川俊澄(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

<100試合出場>
上野隆太(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
臼井陽亮(NECグリーンロケッツ)
川俣直樹(豊田自動織機シャトルズ)
五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ)
真壁伸弥(サントリーサンゴリアス)
堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ)
谷口到(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)

そして、今シーズンのベストモーメント『J SPORTS賞』(=第7節、天理親里ラグビー場での近鉄ライナーズ−クボタスピアーズ戦において、天理高校、天理大学の同級生である立川理道選手、井上大介選手、田村玲一選手がパスをつないで奪ったクボタのトライシーン)、最もゲインメーターを稼いだ選手に与えられる『Opta賞』(=セミシ・マシレワ選手=近鉄)などの表彰を挟みながら、『新人賞』、『ベストキッカー』、『得点王』、『最多トライゲッター』、『ベストフィフティーン』という今季最も輝いた男たちを祝う舞台へとなだれ込み、最後に『トップリーグMVP』が発表された。

2季ぶりにトップリーグでプレーしたヤマハ発動機の五郎丸はベストキッカーに輝いた photo by Kenji Demura

2季ぶりにトップリーグでプレーしたヤマハ発動機の五郎丸はベストキッカーに輝いた
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各賞およびベストフィフティーンの顔触れは以下のとおり。

<トップリーグMVP=松島幸太朗(サントリーサンゴリアス=初受賞)>
「たくさんの素晴らしい選手がいる中で、とても光栄なこと。個人としてすごく成長できたシーズン。サントリーのチームメイト、スタッフのおかげ」

<新人賞=姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)>
「苦しいこともあったが、新人賞という結果につながったのは、素直に嬉しいし、光栄なこと」

<ベストキッカー=五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ=5季ぶり3回目/G・PG成功率83.02%)>
「(トップリーグは)可能性があるリーグ。多くの若手が成長を見せている」

<得点王=ライオネル・クロニエ(トヨタ自動車ヴェルブリッツ=初受賞/132得点)>
「日本での初のシーズン。日本でプレーできたことを光栄に思う」

<最多トライゲッター=山田章仁(パナソニック ワイルドナイツ=5季ぶり2回目/12トライ)>
「毎試合、トライを取るという仕事に集中させてくれたチームメイト、スタッフ、コーチ陣に感謝したい」

<ベストフィフティーン>
PR1=稲垣啓太(パナソニック ワイルドナイツ)
HO =堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ)
PR3=ヴァル アサエリ愛(パナソニック ワイルドナイツ)
LO =サム・ワイクス(パナソニック ワイルドナイツ)
LO =ジョー・ウィーラー(サントリーサンゴリアス)
FL =デービッド・ポーコック(パナソニック ワイルドナイツ)
FL =姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
NO8=リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス)
SH =流大(サントリーサンゴリアス)
SO =べリック・バーンズ(パナソニック ワイルドナイツ)
WTB=福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ)
WTB=山田章仁(パナソニック ワイルドナイツ)
CTB =マット・ギタウ(サントリーサンゴリアス)
CTB =松田力也(パナソニック ワイルドナイツ)
FB =松島幸太朗(サントリーサンゴリアス)

MVPの発表で最高潮を迎えた式を締めくくるかたちで、最後に髙島正之ジャパンラグビー トップリーグチェアマンの挨拶でイベントは終幕。
表彰式終了後は、選手、チーム関係者とファンが触れ合う時間も持たれ、それぞれの立場で終了したばかりのラグビーシーズンの余韻に浸っていた。

終了後はファンとの交流も。同時に150試合出場を達成した菊谷(キヤノン)の引退セレモニーも行われた photo by Kenji Demura

終了後はファンとの交流も。同時に150試合出場を達成した菊谷(キヤノン)の引退セレモニーも行われた
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