トップリーグ 2018-2019 weekly preview:第2節

ちょうど1年前の同じ場所の対戦では36-11でサントリーがNTTコムを破っている photo by Kenji Demura

ちょうど1年前の同じ場所の対戦では36-11でサントリーがNTTコムを破っている
photo by Kenji Demura

秩父宮の金曜ナイターはNTTコム対サントリー
昇格初戦勝利の日野は豊田自動織機とアウェー戦

text by Kenji Demura

8月31日に開幕したジャパンラグビー トップリーグ 2018 – 2019。
「短期決戦になるため、各チームが開幕節をターゲットにしてくる」(太田治 日本ラグビーフットボール協会トップリーグ部 部長)

多くのラグビーファンや関係者の期待していたとおり、第1節は熱い試合ばかりとなった。

その熱い流れのまま迎える第2節。
6日未明に北海道で発生した地震の影響で、8日に札幌・月寒屋外競技場(ラグビー場)で予定されていた神戸製鋼コベルコスティーラーズ – 宗像サニックスブルース戦が中止・延期となり(代替日程等は未定)、全7試合での開催となる。

フライデーナイターとして予定されているのは、東京・秩父宮ラグビー場でのNTTコミュニケーションズシャイニングアークス対サントリーサンゴリアス戦(7日19:30)。

開幕節では、トヨタ自動車との死闘をロスタイムのペナルティトライで制したサントリー。
沢木敬介監督は「自分たちのやりたいレベルでできていない」と、内容自体には満足していなかったようだが、それでも敵地で3万人を超える大観衆の中、最後に勝ち切るあたりはウィニングカルチャーを持つチャンピオンチームならでは。

前節でも活躍したPR堀越康介、WTB尾崎晟也、CTB梶村祐介の新人トリオはNTTコム戦でも揃って先発メンバー入り。さらに、トヨタ自動車戦で前半29分から途中出場し、1トライ、1ゴール、1PGを決めるなど新・司令塔としてBKをリードしたSO田村煕、2年目のWTB成田秀平も初めてスターティングに名を連ね、“ニュールック”サンゴリアスを印象づけるメンバーで今季初の東京での試合に臨む。

対するNTTコムは開幕戦で神戸製鋼に惜敗(27-34)。
「チャンスで取りきれていない。決めきれていないことがすべて」
FL金正奎主将の言葉どおり、神戸製鋼戦では内容的には勝っていてもおかしくない試合を落とした印象もあるNTTコムだけに、王者との対戦ではチャンスを確実にものにしていくことが金星の絶対条件となる。
初先発のSOガース・エイプリル、開幕戦でいきなりトライを奪ったWTB石井魁の新顔BK陣が王者を驚かすようなプレーぶりを見せられるか。

最後にトヨタ自動車を押し切ってペナルティトライを奪ったサントリーと、強力FWの神戸製鋼にプレッシャーをかける場面が多かったNTTコム。スクラム対決も見どころだ。

土曜の秩父宮はクボタスピアーズ – ヤマハ発動機ジュビロ、NECグリーンロケッツ – トヨタ自動車ヴェルブリッツ
開幕黒星スタートの東芝ブレイブルーパスは日曜日に駒沢でリコーブラックラムズと対戦

翌8日の土曜日は東京、佐賀、愛知、三重の4会場で計5試合が予定されている。
東京・秩父宮では、クボタ対ヤマハ発動機(16:30)、NEC対トヨタ自動車(19:00)のダブルヘッダーが行われる。

「チャンスが多く勝てた試合。相手にプレッシャーをかけ続けた」(クボタ フラン・ルディケヘッドコーチ)
開幕戦でパナソニックと互角に渡り合った(11-15)クボタとしては、上位陣を破る実力があることをヤマハ発動機相手に証明したい。

いきなりコカ・コーラから計6トライを奪う大勝(43-3)スタートとなったヤマハ発動機にとっても、「FWはスクラムで制圧できた」(PR山本幸輝)という“ヤマハスタイル”がレベルアップしているのを見せつけるかたちでの連勝スタートとしたいところ。

第2試合は、開幕節で試合終了間際にまさかの逆転負けを喫した同士の対戦となる。
トヨタ自動車だけではなく、NECも終了1分前に豊田自動織機シャトルズに逆転DGを決められて1点差で敗れた(8-9)だけに、勝ちにこだわった激しいラグビーが見られそうだ。
豊田自動織機をノートライに抑えるなど、黄金時代を彷彿とさせる強固なDFを見せるNECがトヨタ自動車のアタック力をいかに封じるかがポイントのひとつだろう。

前述のとおり、ヤマハ発動機に大敗スタートとなってしまったコカ・コーラはパナソニックを迎えての今季九州での開幕となる一戦でどう立て直すのか(17:00 佐賀県総合運動場陸上競技場)。

初昇格ながら、いきなり初戦で宗像サニックスを圧倒した(33-3)日野は敵地に乗り込むかたちで豊田自動織機と対戦し(17:00 ウェーブスタジアム刈谷)、開幕連勝を狙う。
迎え撃つ豊田自動織機としても開幕戦で競り勝った勢いも生かし、地元でトップリーガーとしての洗礼を浴びせて、目標である「トップ8入り」へしっかりとした筋道をつけたい。

開幕戦で劇的な勝利を収めたキヤノンはHondaと、黒星スタートの東芝はリコーと対戦 photo by Yuka Shiga

開幕戦で劇的な勝利を収めたキヤノンはHondaと、黒星スタートの東芝はリコーと対戦
photo by Yuka Shiga

日野同様、開幕節で昇格組のレベルの高さをアピールするパフォーマンスを見せたHonda HEATは地元にキヤノンイーグルスを迎える(17:00 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場)。
2年ぶりとなるトップリーグの舞台で、昨季勝ち点差「3」で4強入りを逃したリコーに対して後半20分までリードする健闘ぶりを見せただけに、セットプレーなどの課題を修正して、東芝を破って勢いに乗るキヤノンにチャレンジする。

9日の日曜日には、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場での開幕節でHondaに辛勝(39-34)したリコーと、キヤノンに惜敗(20-26)した東芝の対戦も予定されている(16:00)。

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