トップリーグ2018-2019 第2節レポート(クボタ 18-20 ヤマハ発動機)

ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 第2節
2018年9月8日(土)16:30キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
クボタスピアーズ 18-20 ヤマハ発動機ジュビロ

クボタスピアーズ

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(右)、立川キャプテン

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(右)、立川キャプテン

フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「コンバンハ。非常に残念な結果でした。良く準備をしてハードワークしてきたことは、前半に出せたのですけれども、80分100パーセントでゲームに臨むということが必要だということです。後半は、残念ながらペナルティが多く、一つのチャンスも生かすことができず、向こうのディフェンスが上回ったということです。ヤマハ発動機の皆さんはここぞという時に、忍耐強くプレーをしていました。ただ、私たちのシステムもプロセスも機能していましたので、これを続けて行くことで結果を出したいと思います」

──交代の意図は?

「まず、交代ということは勢いを変えるということです。フェルミューレン選手は一生懸命やってくれたのですが、残念ながら肉離れを起こしてしまいました。ファンデンヒーファー選手はフルバックで入れたのですが、アタックするマインドセットでカウンターアタックをするのが目的でした。リードされてから勢いがなくなってしまったので、そこを盛り返すということも目的でした」

──今日のモールは威力があったが、満足しているか?

「ソアカイFWコーチが努力し続けてくれた成果が出たかと思っています」

立川理道キャプテン

「お疲れ様です。前半は自分たちのリズムでゲームを組み立てて、風上ということもあり、しっかりエリアを取って自分たちのプランを遂行することができました。後半は風下になり、風下のプランもあったのですが、ペナルティでなかなか自分たちのリズムに乗れず、エリアを取られたりして、ああいう結果になってしまいました。しっかり現実として受け止めて、また、来週勝てるように準備してキヤノン戦に備えたいと思います」

──後半のペナルティの理由は?

「最初にトライを獲られて、勝っている状況なのに少しプレッシャーを感じる選手もいましたし、そのため、慌ててペナルティになってしまったのも多かったし、相手の強みのところのスクラム・モールでは、すごく対処できたのですが、ラインオフサイドのところとか、ラックの中での無用なプレーだったり、少し個人のディシプリンのところで弱さが出てしまったと思います。原因としてはじわじわ追い詰められているプレッシャーがそうさせたのだと思います。キャプテンとして、そうならないようにしっかりリードしなければいけなかったと反省しています」

──多かったオフサイドについては?

「オフサイドのところは、まあ、オフサイドしてるって、それだけですね(笑)。ゴール前を背負った時とか、ほんのちょっとつま先が出ているだけでも厳しく取られるようになりました。そういうところは、チームとしてしっかりと対処して行かなければいけないと思います」

──後半の用意していたプランは?

「簡単にキックを蹴ると風下なので返されてしまうという恐れがあったので、しっかりボールをキープしながら相手のBKが動いた時に、コンテストボールを蹴って行こうとしていました。しかし、ボールキープがなかなかできなかったですし、相手もFWがエッジのプレーに対してしっかりプレッシャーを掛けて来たので、対処しきれなかったところがありました。もう少し早い段階で、キックなりでエリアを取りに行っても良かったと思います。後半の最後はほとんど敵陣へ行けずに、なかなかコントロールできずに終わってしまいました。ヤマハさんはブレイクダウンのところもそうですし、一人一人のタックルもすごく強くなって来ていますので、そこは自分たちもアタッキングマインドセットをしっかりして行かなくてはいけなかったと思います」

──最後、逆転されたあと、攻め込んだペナルティキックを立川キャプテンが蹴る選択もあったのでは?

「もちろん、僕も蹴る練習もしていますが、風下でしたし、キック力が絶対に必要だと思いましたので、ファンデンヒーファー選手もしっかり練習していましたし。まあ、そこで外れてしまった結果については、責任を感じる必要はないですし、もちろん、彼もしっかり次の試合に向けて努力してくれると思います。僕というオプションもありましたが、どちらも(キックが)上手いので(笑)。僕が蹴っても外していたかもしれませんし」

ヤマハ発動機ジュビロ

ヤマハ発動機ジュビロの清宮監督(右)、山本ゲームキャプテン

ヤマハ発動機ジュビロの清宮監督(右)、山本ゲームキャプテン

清宮克幸監督

「クボタさんとの試合って、毎年競っているんですね。最後の20分でヤマハが毎年突き放して、最終スコアは離れるのですが、実は後半の15分過ぎくらいまではイーブンスコアで来るという。今日も、イーブンスコアでなく、先制されて折り返したのですが、まあまあ、想定内の点差でした。ただ、想定外だったのは、自分たちとして強みと思っていた部分が全く機能しなかったので、この試合は負け試合になるのかなという不安もよぎりました。後半は上手く方向転換ができ、それ以降は安心して見ていられました。最後、向こうが正面のゴールキックを外してくれて勝ったゲームですけれど、あれは蹴ったのは誰ですかね(笑)。知ってる?(と、山本選手にとぼけて聞く)」

──ハーフタイムの指示は?

「まあ、良くないことばかりだったので、あまり良くなかったプレーに関しては指示しなかったです。これだけはやってくれという指示だけはしました。例えば、ラインアウトではジャンプしろと(笑)」

──ラインアウトのモールディフェンスは?

「スクラムに関しては、ヤマハがやりたいことができていないところがありました。相手は押さないけど押されないようなスクラムを組んで来ました。特にクボタボールの時に。将棋で言うと、穴熊で守っている王将に一生懸命攻めていっても弾き返されるみたいな。いろんなところから崩しに行ったけど、それは全部反則に取られたというイメージですかね。クボタさんは上手く押さないけど押されないスクラムを組んで、ヤマハは何とかこじ開けようとしてペナルティを取られた感じでした。モールに関しては、過去のヤマハのモールディフェンスでは、4シーズンくらい遡っても、獲られたのは2本か3本くらいで、それくらいヤマハは強かったのですが、今日は2本献上してしまい、自分たちの強みが無くなっているなと。なぜ無くなったかと言うと、やはり新しい選手が入ったからです。全く機能していないけれど、機能させるのは僕たちコーチの仕事なので、あとの試合で機能できるようにもって行けるかなあと」

──清原選手起用と外国人選手とのバランスは?

「マット・マッガーン選手といつ交代させようかと、最初から考えていたのですが、悪い状態で替えるのは良くないので、もうちょっと良いプレーが出てから替えようと我慢していて、なかなか出ず終わってしまったというところです。あとは、特別枠の関係で、前半はクワッガとゲリーが出ていて、後半はモセが入ると確実にFWは良くなると分かっていたのですが、なかなか特別枠で悩ましいところです。モセは長く日本にいるので、もう特別枠を外して良いのではないですか(笑)。もう10年ヤマハにいる選手なので。今年、37歳になりますけれど、すごく良い選手ですね。日本に来ている外国人トップリーガーの鑑です。使いたいのだけど、使えないというジレンマがありました」

──連勝したが?

「まあ、メンバーに入っていない選手たちが、ギラギラしているんです。俺を使えっていう感じで。ずっと試合に出ているメンバーを使い続けていると、チャンスはないのですが、今日ぐらいの試合ですと、俺を使えっていうエネルギー、そういう声を押さえ込めないんじゃないかと。来週、良い練習が大久保で行われると思います。僕はそれをさじ加減することが仕事だと思っています」

山本幸輝ゲームキャプテン

「お疲れ様です。まずは今日は勝つことができて良かったと思います。最初はあれだけセットプレーが崩れてしまって、僕たちのやりたいヤマハスタイルができないと、点も取れないし、ああいう試合展開になってしまうということが印象に残っています。次節に向けて、セットプレーを一週間でどれだけ改善できるかというところが大事になって来ると思うので、良い準備をして行きたいと思います」

──連勝したが?

「まあ、今日みたいにセットプレーが最初から良くない試合はしたくないんで、セットプレーのところを全員に声掛けして、意識的にガラッと変わったと思ってもらえるようなセットプレーができるようにチーム全員でしっかり準備したいと思います」

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