トップリーグ2018-2019 第3節レポート(日野 14-36 トヨタ自動車)

ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 第3節
2018年9月15日(土)16:30キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
日野レッドドルフィンズ 14-36 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズの細谷監督(右)、染山バイスキャプテン

日野レッドドルフィンズの細谷監督(右)、染山バイスキャプテン

細谷直監督

「今日、我々はトップリーグ昇格後、初めての秩父宮での試合で、雨も上がり、グラウンドコンディションも非常に良くて、選手たちが普段の力を思い切り発揮できる環境を作ってくださってありがとうございました。素晴らしい環境、多くの観客の前で試合ができることは、本当にトップリーガーとしての喜びに尽きると思います。試合の方は、前節負けてしまったこともあり、この試合への覚悟、決意を選手一人一人がもって臨んでくれました。立ち上がり20分、ちょっと受けてしまったところもあって、トヨタさんの圧力をそのままスコアにされてしまった場面があったことは悔やんでいる点です。選手たちは、やってて、段々相手を過大評価することはないという気持ちをもてるようになったと思います。ハーフタイムで控室に入って、選手たちは再確認が取れていて、我々スタッフから特に大きくここを変えろとか言うことなく、後半に臨めました。後半にファーストスコアをしっかり取れて、7点差に詰め寄って10数分、トップリーグの洗礼を受けましたが、これは良い経験になったと思います。負けてしまいましたけれど、次節の試合に向けてしっかりと再スタートを切りたいと思います」

──村田キャプテンの怪我は?

「チームドクターから恐らく骨折に近い形に腫れていると報告があり、頭に近いところだったので、眼底骨折の疑いもあったので、交替させました。代わりの藤田を入れたフォーメーションは組めていたので、そこは多分、グラウンドレベルでも混乱はなかったと思います。現に藤田は良いワークをしていました。そういう意味では、特に迷いもなく交替させました。これはトップリーグであり、ラグビーであるので、いかに怪我を想定して、チーム力、勝ち星を上げていかなくてはいけないと思っていますから、そこも含めて受け入れています。控えの選手がしっかりと準備を日々してくれているので、しっかりと心折れることなく、やっていきたいと思います」

──ラスト15分で、ミスもペナルティも出てしまったが?

「流れとしては非常に良かったと思います。メンバー交替も、木津、村田の怪我は痛いところもありましたけど、そこまでの流れとしては悪くはなかったと思いますが、実際にミス、ペナルティがあったことは、トップリーグの洗礼というより、そこからのスコアの取り方、あるいは粘り力について、我々の方が経験不足だったと思います。特に一発で取られたところ、ちょっとペナルティを多く重ねてしまったこと、多分13,4くらいはあったんじゃないかと思いますが、強豪チーム相手にこの数のペナルティをしていると、やはり我々のペースは掴めないということ、これはしっかり修正していきたいと思います。良い反省材料になりました」

──久富選手の150試合出場について?

「彼とは大学時代から仲が良くて、まず彼にメモリアルゲームでメンバー選考させてもらえたこと、記念のトロフィーをああいう形で僕みたいな人間が渡せたこと、これは本当に嬉しく思いました。彼の良さはやはり強靭な身体です。トップリーグで、16年くらいやっていて、大きな怪我をしないんですね。そこが彼の鉄人たる所以です。まだまだ、200を目指してほしいし、おめでとうと伝えたいです」

染山茂範バイスキャプテン

「本日はありがとうございました。入りで受けてしまって、本来ならば接点でどんどん前に行こうと話していたのですけど、ああいう形になってしまいました。後半はしっかり修正することができて、トライも獲ることができたのですが、最後まで、接点、セットプレーで圧力を受けて僕らのプレーができなかったのが敗因だと思います」

──後半20分過ぎのバッキングアップに、気持ちを感じたが?

「あそこで戻ったところは、前節、自分のタックルミスもあって、監督からも、ああいうところはしっかりやってほしいと言われていたのもあり、チームのために、しっかり戻りました。前半のディフェンスでは、自分のところに枚数が来ていなくて、BKが相当厳しいディフェンスをしていたのですけれど、しっかり後半は変えていこうと話していたのですが、接点のところで受けてしまっていたので、ディフェンスのところも全部が受け受けになってしまって、ああいうトライの獲られ方をしてしまったと思います」

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

トヨタ自動車ヴェルブリッツのホワイト監督(右)、姫野キャプテン

トヨタ自動車ヴェルブリッツのホワイト監督(右)、姫野キャプテン

ジェイク・ホワイト監督

「ボーナスポイントを取るのが必須の状況と考えていましたが、それが取れたことは良かったと思います。しかし、せっかく作ったチャンスを取りきれなかった場面がありました。時には、レフリーの解釈が上手くこちらに伝わらず、それによって自分たちがパニックに陥った面もありました。もちろん、姫野は若いキャプテンということもあり、こういったゲームマネジメントの部分を今日のゲームから学んだと思います。前半のラスト3分、後半の始めの6分の間だけで、相手に10個くらいペナルティを与えた場面がありました。そういう時には、自分たちの流れを掴むために落ち着いてプレーすることが必要になって来ます。ただ、後半の最後は落ち着きを取り戻して自分たちのプレーができたかと思います」

──開幕から3試合の選手起用の意図は?

「毎試合、勝てる布陣を敷いています。ということで、入る人、入らない人は、その試合によって違って来ます。ベストなことはバランスを取ることです。部内の健全な競争という点でも良いことだと思います。大切なことは選手たちにとって、心地良い状況に入らないということです」

──レフリングについて、チームとして望むことは?

「レフリングに関しては、今はタフな状況にあると思います。と言うのは、国際経験豊かな選手がトップリーグにも多いです。トップリーグ全体のパフォーマンスも上がっていて、外国人の数も5人に増えたこともあり、タフな中でレフリングをしなければいけなくなっています。決してレフリーに対して攻撃するつもりはありませんが、すべて自分たちがしなければならないことを正したいと思います。うちのチームはご存知のとおり、キャプテンが若いです。彼を良きキャプテンとして、これから育てていきたいと思います。こういったレフリングに対して、チームが何をしなければいけないのかキャプテンが聞いて、それをチームに落とし込むことが必要です。9個から10個のペナルティを相手に連続して与えてしまうのは、レフリングもどんどん厳しくなっていると思うので、それはそれでOKだと思います。質問にお答えするとすれば、レフリーの方には一貫性をもってほしいと思います。姫野キャプテンは今後もトヨタが何をしなければいけないのかをレフリーに聞いて、チームに落とし込んでもらいたいと思います」

──目の前の試合に勝つことが大事とおっしゃっていたが?

「今回の試合に関しては、ビッグチャレンジで自分たちの良いプレーをすることを選手に課して来ました。サントリー戦で残念な負け方をして、そこからチームを立て直すことが課題でした。良かった点としては、2回、5ポイントのボーナスポイントを取れたことです。チームは成長しています」

姫野和樹キャプテン

「お疲れ様です。結果としては、ボーナスポイントを取れて嬉しく思います。ですけど、少しパフォーマンス、レフリーへの対応というところで、自分もストレスを感じてしまって、チームに伝え切れない面がありました。そこに関しては、僕の責任ですし、レフリーにしっかり対応してチームに伝えていきたいと思います。ですが、こういった経験ができたことをプラスに捉えて、良かったとも受け止めて、リーダーシップを発揮していきたいと思います」

──レフリーへの対応を具体的に言うと?

「うちのどこが悪いのかコミュニケーションをとっていたのですが、具体的にどこと、なかなか教えてもらえなかったと言うか、僕自身も分からないままストレスを抱え込んでしまって、どういった対応をすれば良いのか分からなくなったことが20分くらいあったので、そこでハドルをして、今までのことは全部忘れようとチームに言いました。しっかり今のことにフォーカスしていこうと、もうスコアもすべて忘れて、自分たちのラグビーをもう一回やろうと言ったんですけど、そこでチームの皆が対応してくれて、立て直すことができました」

──今日の試合から得た、世界と戦う教訓は?

「そうですね。海外のレフリーとやることもあまりないのですが、どこが悪いのかしっかり聞いて対応するのは、海外のレフリーも日本のレフリーも一緒かなと。しっかり聞いて対応するのが大事だと思います」

──2トライを挙げる活躍だったが?

「いや、もう、まだまだです。全然、自分自身も満足していませんし、もっともっとアタックの面というより、ディフェンスの面でも活躍したいと思っていて、今シーズンは重きを置いて取り組んでいるのですが、サポートもしっかりやって、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍をするのが今の自分の中の目標です」

──ワールドカップまで約1年となったが?

「本当に、今言った部分が必要かなと思っています。僕はアタックプレーが好きなんで、ボールを持ってしまえば、自分の本能の部分でやれると思うのですが、今後はディフェンスの面もやっていかなくてはいけないと」

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