太田治トップリーグ委員長が語る「トップリーグ カップ 2018-2019」

まもなく開幕、トップリーグカップ。その戦いに白熱の予感。

株式会社 ベースボールマガジン社
ラグビーマガジン編集長 田村一博

ジャパンラグビートップリーグ2018-2019のシーズン順位には直接関係ない。
日本代表の選手たちは欧州遠征のため、11月の戦いには参加せず。
そんな『ジャパンラグビートップリーグカップ』がまもなく開幕する。

トッププレーヤーがいないのなら、つまらないのではないか。新設のカップ戦にそんな声も聞こえてきそうだ。
しかし、心配は無用。そこには真剣勝負を挑む選手たちがいるのだから、ピッチは間違いなく白熱する。

太田治トップリーグ委員長が、同カップの価値を話す。
同委員長はかつてNECを率いて日本選手権を制したこともある。シーズン中のチーム事情も、選手たちの気持ちも分かる。

太田治トップリーグ委員長

太田治トップリーグ委員長

「今回のカップ戦は、通常リーグの順位決定戦の前とあとにおこなわれます。チームにとっては、その準備としての位置づけにもなるでしょう。リーグ戦時に出た課題の修正は進んでいるか。順位決定戦を戦うスタイル、新しいユニットを熟成させる機会にもなる。ニューパワーを見つけることができるかもしれません。それは日本人選手だけとは限りません。外国人枠、特別枠等の制限もない中で行われるので、ここまでプレー時間の少なかった選手にとっては貴重なアピールの場になるでしょう」
各チームの総力と出会える。

シーズン途中に追加登録された新しい外国人選手たちもいるから、彼らがトップリーグカップでデビューをすることも考えられる。

「このカップ戦の根本にあるのは、日本のラグビーのレベルアップを図りたいというものです。今季は、通常のシーズンよりもトップリーグの試合数が少ない。でも、各チームは実戦でチームの強化、選手たちの進化を進めたいので、カップ戦を設置したわけです」

将来の日本代表を見据える外国出身選手たち。彼らのプレー機会も増えるだろう。代表強化の目的もあるし、その一助にもなる。

トップリーグ カップ

トップリーグ カップ

優勝チームには立派なカップも用意される。
選手個々の表彰も行う。
それらも名誉だが、カップ戦のパフォーマンスは、サンウルブズ選出の参考にもなる。最終コーナーに差しかかっている日本代表のワールドカップメンバー選出とも無縁ではないだろう。
カップ戦から世界に出る選手が出現すれば、大会の価値は高まる。

選手たちの向上心を刺激する要素はもっとある。
1月のカップ戦後、トップリーグでのパフォーマンスも含めた評価をもとに、トップリーグチャリティーマッチの舞台に立つトップリーグオールスターズの選出も行われ、来年2月に予定されている同試合の対戦相手は、海外の強豪クラブが予定されているのだ。

「そこでプレーする選手に選ばれる。そこで活躍する。その評価が、先につながるケースもあるはずです」(太田委員長)
ブツ切りではなく、世界へと続くストーリーが楽しみだ。

シーズン前は全チームがトップリーグでの優勝を目指していたはずだ。
しかし、同リーグの残り試合が順位決定戦のみとなったいま、頂点への道が閉ざされたチームにとっては、カップ戦の舞台はあらたなモチベーションとなるだろう。
2冠を目指す上位チームのプライドと、せめて1冠でも手にしたい男たちの意地。そのぶつかり合いは戦いを熱くする。

「2019年に行うトップリーグカップ(ワールドカップ前)にはトップチャレンジリーグの8チームも加わり、24チームで争う予定です。その舞台に各チームがさまざまな思いを持って挑む。それが大会の新しい魅力と、日本ラグビーの底上げにつながると思っています」(太田委員長)

それぞれのチームの底力と出会える。
新星が輝く。
理屈をこえて熱くなる。
初めてのトップリーグカップを観たとき、そんな感覚を体感してほしい。

RELATED NEWS