どうなる?「ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント」山崎&安村アンバサダーと太田部長の特別座談会①

トップリーグ総合順位決定トーナメント開催!特別座談会
山崎&安村アンバサダーと太田部長が語り合う
<トップリーグの現在。そして、その未来形>①
「1〜8位決定トーナメントの行方を大胆予想」

12月1日から始まる「リーグ総合順位決定トーナメント」を前に、トップリーグ アンバサダーである山崎紘菜さんと安村直樹さん、そして太田治トップリーグ部 部長が集結。

短期決戦となったリーグ(カンファレンス)戦の総括や総合順位決定トーナメントの見どころを紹介、さらに、超私的ベストフィフティーンも含めた注目選手やラグビーを盛り上げるための私案など、実に幅広い内容に関してざっくばらんに語り合ってもらった。
ラグビー通にも、そして、ラグビーを知らない層にも是非とも聞いてもらいたい内容で盛り上がった座談会の模様を、連載コラムとして「総合順位決定トーナメント」開催に合わせて集中掲載。
第1回はリーグ戦を総括しながら、トップリーグ覇者を争う「1〜8位決定トーナメント」の見どころを中心に紹介する(以下、一部敬称略)。

出席者

  • 山崎 紘菜(東宝芸能所属 女優=ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019アンバサダー)
  • 安村 直樹(日本テレビアナウンサー=ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019アンバサダー)
  • 太田 治(日本ラグビーフットボール協会トップリーグ部 部長)

取材・構成/出村 謙知

山崎、安村両アンバサダーと太田部長 photo by Kenji Demura

山崎、安村両アンバサダーと太田部長
photo by Kenji Demura

安村「いよいよ今週末の12月1日、2日からリーグ総合順位決定トーナメントが始まります。1〜8位決定トーナメントと9〜16位決定トーナメント。どちらも、熱い試合ばかりになる予感がしますが、まずは1〜8位の方の組み合わせから見ていきましょうか。
1日は秩父宮でサントリー対クボタ、ヤマハはホームにNTTコムを迎えます。翌2日には熊谷でパナソニック対トヨタ自動車、神戸のノエスタでは地元の神戸製鋼がリコーと対戦します。
もちろん、どの試合も好ゲームが期待できる対戦カードであるのは確かですが、あえて、どうしても見たいカードを選んでもらうとすると、山崎さんはどの試合になりますか?」

山崎「どれも見たいです。熱い試合になるだろうなあ。本当に選ぶのが難しくて4日間に分けて1試合ずつやってほしいくらいですけど、あえて選ぶなら、パナソニック対トヨタ自動車ですかね。
わたしは初戦でトヨタ自動車が見せてくれた爆発力が忘れられない。またあの熱いラグビーを見せてくれそうなので、それを期待して」

太田「確かに、開幕戦のトヨタ自動車−サントリー(9月1日 豊田スタジアム =25−27でサントリーが勝利)は今シーズンのリーグ戦で一番の試合だったと言っていいでしょう」

山崎「最後は勝ち負けではなく、ラグビーを純粋に楽しんでいるところが伝わってきて、震えました。あれを見たら、みんなラグビーが好きになる。そういう試合でした」

安村「オープニングゲームで『今シーズンのトップリーグが盛り上がるぞ』というのを示してくれた。(観客の中に)子どもたちも多くて、それもよかった」

太田「いきなり総合順位決定トーナメント1回戦で対戦することになったパナソニック−トヨタ自動車戦のポイントとしては、パナソニックには日本代表選手が多いので、彼らが戻ってきてどうアジャストするのかという点が大きく影響してくる」

山崎「トヨタ自動車も日本代表だけではなく、クロニエ(ライオネル=SO)は世界選抜、アプロン(ジオ=FB)は南アフリカ代表に呼ばれましたよね。怪我から復帰して日本代表の秋のテスストマッチでは大車輪の活躍ぶりを見せた姫野選手の調子次第かなという気もします」

太田「その一方で、この秋、日本代表に呼ばれなかったパナソニックの山沢(拓也=SO)がシーズン終盤のキーマンになる可能性もある。日本代表で活躍した松田力也とかぶる部分がありますが、遠征に行かずにいいコンディションでトーナメントを迎えられるだけに、ポテンシャルとしてはピカ一の山沢のプレーに期待したい」

山崎「素晴らしいですよね。キックも素晴らしいですし、スピードがあるので、自分でもいける」

安村「山沢選手がボールを持つと、次に何をするのだろうというワクワク感があって、ゾクッとする。どこを見ているのだろう、どのスペースが見えているんだろうという。こうするんじゃないかなという予想を裏切るプレーを見せてくれる。そういう楽しみがありますね。
あくまでも仮定の話ですけど、山沢選手が活躍してパナソニックがトヨタ自動車に勝つと、ダン・カーター選手の神戸製鋼と対戦する可能性がある。さらに、その後、小野晃征選手のいるサントリーと対戦するかもしれない。あるいは、クボタの立川(理道)選手がトイ面にいるかもしれない。
もしかしたら、そういうふうに世界レベルの相手との対戦の中で『やっぱり勝負強いな』とか、『勝負どころでタックルいけるな』という評価が出てきて、日本代表にもう一度呼ばれることになるかもしれない」

3人が注目選手に挙げるパナソニックSO山沢。トヨタ自動車との大一番の鍵を握る? photo by Kenji Demura

3人が注目選手に挙げるパナソニックSO山沢。トヨタ自動車との大一番の鍵を握る?
photo by Kenji Demura

山崎「わたしは松橋周平(リコーNO8)選手が好きなんです。だから、本当は神戸製鋼対リコーも見たいんです。3人からタックルを受けても倒れないし、日本代表にも復帰してほしいです」

太田「代表には怪我で呼ばれなくなったわけですけど、今シーズンは完全復活している。代表に選ばれてもおかしくない選手ですよ」

山崎「リコーはリーグ戦でパナソニックに勝っていますから(10月13日=26—17)、実力的には神戸製鋼を破っても不思議じゃない」

太田「パナソニックが不敗記録を続けていた太田で勝った試合での松橋の活躍はすごかった」

安村「神戸製鋼ファンの方は、12月2日はノエビアスタジアムに駆けつけて、ホームの雰囲気を作らないと。リコーは相当いいので、このカードも大注目ですね」

太田「でも、今シーズンの神戸製鋼はしぶといですよ。追い詰められたトヨタ自動車戦も引き分けで負けなかったし(9月22日=26—26)、勝負強くなった」

安村「ダン・カーター選手とアンドリュー・エリス選手のハーフ団ももちろんすごいのですが、僕自身が思うのは、日和佐(篤=SH)選手がダン・カーター選手のさらなる可能性を引き出しているんじゃないかと。そういう気がするんです。
『カーター、もっとテンポ上げろよ、もっとできるよ』って。だから、カーターも自分がさらに成長する可能性を感じて、いますごく充実しているのではないかと」

太田「山中(亮平=FB)も代表に行って自信をつけた。アシュリークーパー(アダム=CTB)はワラビーズに復帰していますからね」

「日本代表選手同士が敵味方に分かれて
対戦するのを見るとグッとくる」(山崎)

山崎「サントリーはどうでしょう。日本代表選手も多いんですが、リーグ戦では少し元気がない感じでしたよね」

太田「でも、トーナメントにはしっかり合わせてくるでしょう」

山崎「開幕戦も最後に勝ったのはサントリーだったし、勝ち切る力みたいなものは感じますよね」

太田「沢木監督は、外国人に頼らないチームづくりをしている。カップ戦でもほぼ日本人だけのチームで戦って結果を出している。そうやって経験を積ませて、チーム全体の力を底上げしたところに代表組も戻ってくる。照準は合わされているでしょう。
ただ、クボタも勢いに乗っていて、長年、下位に低迷していたのが、今シーズンは上位進出のチャンス。外国人の主力が多いので、彼らのパフォーマンスを立川がどう引き出すか。カップ戦で神戸製鋼とヤマハ発動機に勝った勢いを生かしたい」

山崎「ヤマハ発動機対NTTコムはどうですかね」

太田「ヤマハ発動機優位は動かない。ただ、NTTコムはマフィ(アマナキ・レレィ=N08)が復帰したので、彼の存在が大きなプラスファクターになることは間違いない」

安村「アナウンサーという仕事柄、数字に注目する傾向があるのですが、リーグ戦でクボタが負けた試合は2点差と4点差。NTTコムも2点差、2点差、7点差。全部僅差で落としている。ということは、トップレベルに食らいついていく実力はすでに兼ね備えているということ。
普通に考えると、サントリーとヤマハ発動機が勝ち上がるだろうと思われがちですが、僕はカップ戦期間中にどうチーム力が上がったか次第では、クボタとNTTコムがベスト4になったとしても何ら不思議ではないと思っています」

太田「クボタもNTTコムも、日本代表に選手が選出されていないため、しっかりチームづくりができているというアドバンテージはある」

安村「カップ戦でチームにとって本当に戦力になる選手をひとり、ふたり上積みできたチームが上に行きそうですね」

山崎「普段、試合にあまり出られていなかった選手が試合に出て大きく成長したというケースはきっとあると思う」

太田「今シーズンはカップ戦を導入したこともあり、外国人選手の追加登録をOKにしたんですが、カップ戦の期間中にも続々と新戦力の加入が相次いだ。カップ戦を経て、チームがどう進化したのか。急成長するチームが出てくるかもしれないですよ」

山崎「リーグ戦の時とは全く違うチームになっているかもしれない」

太田「そういうことです。すごいですね。山崎さんのラグビーの見方はすでに玄人のものですね」

山崎「とんでもないです。本当に全然そんなことはないんです。ただ、ずっとラグビーを見させていただけている中で、好きな選手、注目していた選手が日本代表に選ばれたりしたら、自分のことのように嬉しいですし、その日本代表選手同士がトップリーグでは敵味方に分かれて対戦するのを見るとグッとくる。
今シーズンのトップリーグ開幕前から注目していた選手として、梶村(祐介=サントリーCTB)選手と茂野(海人=トヨタ自動車SH)選手がいるのですが、ふたりともこの秋は日本代表として活躍してくれて、そういう意味ではふたりがそれぞれサントリーとトヨタ自動車の一員として、どんなふうに成長した姿を見せてくれるのかも楽しみにしています」

(連載第2回に続く)

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