トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント1回戦レポート(パナソニック 27-31 トヨタ自動車)

ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント1回戦
2018年12月2日(日)14:00キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園(県営ラグビー場)
パナソニック ワイルドナイツ 27-31 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

パナソニックワイルドナイツ

パナソニックワイルドナイツのディーンズ監督(右)、坂手ゲームキャプテン

パナソニックワイルドナイツのディーンズ監督(右)、坂手ゲームキャプテン

ロビー・ディーンズ監督

「まず自分たちが希望していたシーズンの終え方ではありませんでした。ただそれが目の前の現実であります。今週は厳しい1週間になるということは前々からわかっていたことなのですが、日本代表選手たちがイングランド遠征から帰ってきて良くやってくれましたし、チームとしてはよく頑張ったと思います。しかしながら、ソフトな時間帯があって最終的な結果につながったかなと思います。我々はゲームに勝つプレッシャーを生み出せたと思います。それはスコアボードのパナソニック4トライ、トヨタさん3トライという結果にも表れていますが、前後半の入りの所でトヨタさんに付け入るスキを与えてしまいました。と言っても彼らはよくやったと思いますし、彼らを誇りに思います。この試合から若い選手が学び、これからの糧にしてほしいと思います。そして坂手キャプテンの心情に寄り添いたいと思いますし、彼自身よく貢献したと思います。隣で彼も話をしたくないと思いますが、それが彼の仕事なので責任は果たしてもらいます」

──怪我で出られない選手の人数と、けが人が増えた理由は?

「けが人が数名いてキープレイヤーが含まれているのは確かです。そういったことを含めてラグビーですしそれほど問題視していません。我々には23人の元気なプレイヤーがいて、勝つために十分力を持っていました。トヨタさんのプレッシャーを我々が出させてしまったのだと思います。特に前後半最初の所で、自陣で短いアタッキングキックを蹴ってしまい相手にボールを与えてしまいました。プレーオフの試合というのは小さな判断が大きな結果を生み出してしまいます。トヨタさんが本当に素晴らしかったと思いますし、おめでとうございますと言いたいです。優勝まで続ける権利を得ましたので頑張ってほしいです」

──代表メンバーが数日前に合流して、代表の多いパナソニックには難しかったのでは。

「そのことは、数年前から考えることをあきらめています。現実を受け止めて、我々はその中でやらなければなりません」

坂手淳史ゲームキャプテン

「本日はありがとうございました。ロビーさんが言った通りですが、仕事はしっかり果たしたいと思います。この1週間良い準備ができて、日本代表から帰ってきた選手も多くのことをパナソニックにもたらしましたし、周囲とのコミュニケーションもよく取れていました。ゲームに出ていないメンバーも良いプレッシャーでゲームの準備をしてくれました。ゲームの中でもそれがしっかり出て、とても良いゲームになりました。特に前半の入りはコンタクトもボールのつなぎも良かったです。ただ後半の最初の2トライを取られたところと最後の所、点数が6点差の中でのアタックの仕方、時間の使い方は改善が必要だと思います。ただ勝てるチャンスもありましたし、相手にプレッシャーかけることもできましたのでスコアに誇りを持っています。来週も再来週も試合が続くので、パナソニックとしてのモチベーションをもって一人一人がみんなのためにできるよう、次の試合に臨みたいと思います」

──アタックの仕方、時間の使い方についてもう少し詳しくご説明を。

「アタックに関しては前半から幅を使った攻撃ができました。ただ後半の最後6点差、9点差の時に時間を使いすぎたと思います。トライしても7点なのと、ペナルティをもらったのにゆっくり始めてしまったところ、ラインアウトのオプションをミスしたところ、クイックで入れられるのに入れなかったところは、トヨタのプレッシャーもありますが時間の使い方をミスしてしまったと思います」

──トヨタの良かったところは。

「フィジカルが良く、強い選手がまっすぐダイレクトに来て、我々のペナルティを誘いました。そしてペナルティゴールを重ねていったところ、1点でも上回れば勝ち上がれるので、良いキッカーがいる中で遠い所でも確実に狙ってくるというプレッシャーがありました」

──前半終了間際にトライを取ってパナソニックのペースだったのに、後半立て続けにトヨタにトライを取られました。何かが変わったと思いますか。トヨタがよかったのですか。

「前半終わりは良かったですし、ハーフタイムに、後半初めにトヨタはアタックしてくると話していました。しかし自陣から脱出した時にトヨタにアタックを継続されました。そこでペナルティを犯してしまい、相手のペースになりました。気持ちの面では隙はありませんでしたし、しっかり前に出てディフェンスしようという全員の意志はありました」

──5位以下になるのは2006年以来で、ずっと上位にいたわけなのですが今の正直な感想をお願いします。

「入部する前のことなのでよくわかりませんが、パナソニックの強い文化を作ってくださった先輩がいます。僕たちは、今までのパナソニックの文化の一部なのですけれど、こういった結果になってしまったのは認めなければならないです。何かが足りなかったし、何が足りなかったかをもう一度見つけなければならないと思います。この強いDNAは先輩から受け継いだもので、失ってはいないので、もう一度強くなるために全員で考えて、強いパナソニックを作りたいと思います」

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

トヨタ自動車ヴェルブリッツのホワイト監督(右)、姫野キャプテン

トヨタ自動車ヴェルブリッツのホワイト監督(右)、姫野キャプテン

ジェイク・ホワイト監督

「強豪のパナソニックにあれだけのプレーができたことを嬉しく思います。また、こういったプレッシャーのかかった中で6名のルーキーがしっかりプレーできたことを嬉しく思います。トヨタの将来のために重要です」

──今季から外国人枠が拡大して、今日の勝利もそれを最大限利用したものでしたが、評価と手ごたえについて教えてください。

「使える外国人はまだチームにいて、会社が上手くリクルートしてくれていることに感謝しています。日本代表のマレ・サウを使わずに勝てたことは嬉しく思っています。外国人選手に常日頃から伝えていることがあります。やみくもにプレーするのではなく、チームに付加価値を与えてくれる働きを望んでいると。チームの一員として体を張ること、毎週全力を尽くすことも言っています。そうは言ってもまだ1勝したにすぎません。来週負けたらすべては終わってしまいます。今チームは興奮している状態なのですが、来週も勝って前進し続けたいです」

──神戸製鋼に対しては、どのように戦うつもりですか。

「今年の対戦はドローでした。自分の中ではある程度想定はできています。とはいえ、リコーを圧倒したので自信に満ち溢れて次の試合に挑んでくると思います。しかしトーナメントに残っているチームは、どこが優勝してもおかしくないのです。トヨタとしては用意周到で次の試合に向かっていきたいと思います。神戸製鋼は良いチームなので難しい試合になるとは思います。トヨタはラウンド1から好調ですしカップ戦もまだ負けていませんので、ポジティブに次の試合に向かっていきたいです。トヨタはまだトップリーグで優勝したことのないチームです。ですから相手よりもさらにハングリー精神をもって挑み勝ちに行きたいと思います」

姫野和樹キャプテン

「まずは結果として、勝って次のプレーに向けて反省できることを嬉しく思います。試合内容に関しては、ミスもありましたし、修正しなければならないことも多くありますが、ジェイクが言った通りルーキーが6人も出て、若い選手が多い中、これだけのプレッシャーの中、堂々とプレーできたことは、今後のトヨタにとってもプラスですし誇りに思います。今週1週間、パナソニックに対してどれだけ自信と信念をもってプレーできるかをフォーカスしてやってきました。良い準備ができましたし、ポジティブな言葉をみんなにかけました。試合に臨むときにはみんな良い表情とふるまいで来ることができたので、試合前から自信があったので、それが勝因だったと思います」

──前半の終了間際にトライを決められて、追いかける立場になったのですが、後半は立て続けにトライを決めました。ハーフタイムでどんな修正をしようと話したのですか。

「前半のトライに関しては課題が明確だったので、すぐに修正することができました。それは相手がフィジカルでどんどん来ることに対して、自分たちが負けてしまってトライを決められたので、自分たちの強みであるフィジカルを前面に出していこうということです。逆に相手に強みを封じ込められてしまったので、苦しい展開になってしまいました。後半はフィジカルを前面に出し、ロータックルで相手を封じ込めるというプランでした。それでトライをとれたのは良かったと思います」

──前半ペナルティをもらった時に、かなり遠い位置からでもショットの選択をしましたが、姫野キャプテンにゲーム運びの作戦があったのですか。

「キッカーのクリントンは良いロングキッカーです。クリントンとコミュニケーションをとり、狙えると合図をくれたので迷わず狙うことを決めました。前半最初僕らが風下を取って、点数でプレッシャーをかけるのが大事だと思っていたのでどんどん狙っていこうと話していました」

──去年はパナソニックに、リーグ戦でもトーナメントでも敗れています。自信をもって入れたということですが、去年と今年の違いは何ですか。

「去年は僕もジェイクもルーキーイヤーでしたし、自信が無かったと思います。パナソニックに数年勝っていなかったです。しかしプレーオフに入って自信をもって戦ったため、良い試合はできました。2年目に入って、今年はサントリーにしか負けていません。毎試合自信を深めていっていると思います」

──日本一になるにはあと2つ勝たなければなりませんが、自分たちの強みはどこですか。また、今日の試合の反省は?

「強みは良いキッカーがいることと、フィジカルが強い所です。前半は相手にフィジカルで負けてしまったのが今日の反省点です。それは気持ちの問題ではなく、ポジショニングなどの細かい所です。ビデオを見て反省点を出して神戸製鋼に向かって行けたらと思います。パナソニックには勝ちましたが、まだ2試合あるのでメンタル面で気を抜かず、ここで満足せず歩みを止めないことが大事だと思います」

──今シーズンの神戸製鋼をそう見ていて、どのように戦うつもりですか。

「自分たちのラグビーを信じてやれるかです。神戸製鋼のスタイルに対して、今日とは細かなところは変わると思いますが、これまでやってきたラグビーを信じて遂行しきるところにフォーカスして良い準備をして、もう1回自信を持って戦いに臨みたいです」

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