トップリーグ 2018-2019 weekly preview:総合順位決定トーナメント3回戦

9月のリーグ戦では神戸製鋼がサントリーを圧倒。3ヶ月後の再戦で頂点を極めるのはどちらか photo by Kenji Demura

9月のリーグ戦では神戸製鋼がサントリーを圧倒。3ヶ月後の再戦で頂点を極めるのはどちらか
photo by Kenji Demura

トップリーグ 2018-2019 weekly preview:総合順位決定トーナメント3回戦
サントリーの3連覇か、神戸製鋼が15季ぶり王座返り咲きか、
“ファイナル”は15日14時、東京・秩父宮ラグビー場で

text by Kenji Demura

8月31日にリーグ戦が開幕したジャパンラグビー トップリーグ2018-2019は、12月15日総合順位決定トーナメント3回戦=最終節を迎える。
計7節に渡ったリーグ戦を経て、12月に入ってからの総合順位決定トーナメント1回戦(準々決勝)、2回戦(準決勝)を勝ち上がって“ファイナル”に駒を進めたのは3年連続6回目の優勝を狙うサントリーサンゴリアスと、実に15シーズンぶりのトップリーグタイトル奪還を目指す神戸製鋼コベルコスティーラーズ。
15日、東京・秩父宮ラグビー場で14時から決戦の火ぶたが切って落とされることになる。

最終スコアは36—20。後半10分過ぎまで30—8だったこともあり、勝者が圧倒したと言っていい試合だった。
9月14日、場所は今回と同じ秩父宮ラグビー場。リーグ戦第3節での直接対決では、この日がトップリーグデビューだったSOダン・カーターを司令塔に据えた神戸製鋼が王者サントリーを圧倒した。

ちょうど3ヶ月を経ての“ファイナル”での再戦。
なんと、神戸製鋼は、まだまだ蒸し暑かったナイトゲームで王者をねじ伏せた時と全く同じ先発メンバーで、15年ぶりの頂点獲りに臨む。
「自分たちのやってきたことを信じて、緊張せずにしっかり準備する。相手がどこであろうと、ハイテンポでプレーするのが自分たちのスタイル。自分たちのゲームスタイルを貫くこと」
いきなり、加入1年目でチームをファイナルに導くことになったカーターがサントリーとの再戦でのポイントに関してそう語るとおり、神戸製鋼としては3ヶ月前同様、立ち上がりからサントリーのお株を奪うような攻撃ラグビーを貫いて、試合の主導権を握りたいところだ。

TLデビューとなったリーグ戦で王者討ちの主役となったSOカーター。神戸製鋼を頂点に導けるか photo by Kenji Demura

TLデビューとなったリーグ戦で王者討ちの主役となったSOカーター。神戸製鋼を頂点に導けるか
photo by Kenji Demura

“セミファイナル”のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦でも安定したセットプレーから速いテンポでどんどんアタックを仕掛けて前半から試合を支配して勝利を収めているだけに、チーム状態も当然良好だと考えていいだろう。

最後列からの迫力のある走りでアタックにメリハリをつけるFB山中亮平も復帰して、3ヶ月前に王者を圧倒したベストメンバーで再び王者を圧倒して頂点に立つことを狙う。

対するサントリーは“セミファイナル”でヤマハ発動機ジュビロとの激闘を制した23人から、負傷退場したWTB中靏隆彰が塚本健太に入れ替わるだけ(塚本はリザーブで14番には成田秀平が入る)という、若手中心ながら勝ち切る力をつけてきたメンバーで3連覇を目指す。

「リザーブも含めて全員が役割を遂行してくれた」
レギュラーシーズン中はほとんど選手を褒めることがなかった沢木敬介監督も、厳しい試合を続けながらも3連覇にリーチをかけるところまでたどり着いた若いチームの成長ぶりには手応えを感じている様子。
“セミファイナル”の後半のように、組織DFで神戸製鋼のアタックを封じながら、チャンスにはサントリーらしい小気味のいい攻撃でトライを取り切るような試合巧者ぶりも見せて、神戸製鋼を慌てさせるような展開に持ち込みたい。

”セミファイナル”で3トライを奪ったWTB尾崎など成長著しい若手の活躍がサントリーV3の鍵になる? photo by Kenji Demura

”セミファイナル”で3トライを奪ったWTB尾崎など成長著しい若手の活躍がサントリーV3の鍵になる?
photo by Kenji Demura

ヤマハ発動機の強力FWに対してプレッシャーを受ける場面が多かったようにも見えたが、決定的な破綻とはならなかったスクラムをはじめとするセットプレーが神戸製鋼に対してどんな力関係になるのか。

神戸製鋼SOカーターばかりに注目が集まるが、“セミファイナル”でも存在感抜群だった豪州代表103キャップのSOマット・ギタウが、神戸製鋼とは対照的に本人以外は漢字名が並ぶ和製BK陣をどうリードするのか。

ラグビーワールドカップ(RWC)2019前、最後のトップリーグ“ファイナル”に相応しい内容の熱戦となることは間違いないだろう。

尚、15日には“ファイナル”および3位決定戦の行われる東京・秩父宮以外にも、横浜、名古屋、大阪で、それぞれ2試合ずつ総合順位決定トーナメント3回戦が予定されている。

今年の締めくくりに、来年のRWC2019開催国として世界から注目を集める日本最高峰のラグビーを堪能して、特別な年である2019年を迎えて欲しい。

横浜、名古屋、大阪でも
総合順位決定トーナメント3回戦が2試合ずつ

<総合順位決定トーナメント3回戦予定>
(東京・秩父宮)
トヨタ自動車 – ヤマハ発動機(11:30=3、4位決定戦)
神戸製鋼 – サントリー(14:00=1、2位決定戦)

(神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)
リコー – クボタ(11:30=7、8位決定戦)
パナソニック – NTTコム(14:00 5、6位決定戦)

(愛知・パロマ瑞穂ラグビー場)
東芝 – キヤノン(11:30=11、12位決定戦)
NEC – Honda(14:00=9、10位決定戦)

(大阪・キンチョウスタジアム)
コカ・コーラ – 豊田自動織機(11:30=15、16位決定戦)
日野 – 宗像サニックス(14:00=13、14位決定戦)

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