トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント7位決定戦レポート(リコー 26-30 クボタ)

ジャパンラグビー トップリーグ 2018-2019 総合順位決定トーナメント3回戦/7位決定戦
2018年12月15日(土)11:30キックオフ/神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場
リコーブラックラムズ 26-30 クボタスピアーズ

好天だが北風が強く底冷えを感じるニッパツ三ツ沢球技場。今季トップリーグ7位決定トーナメント戦、クボタスピアーズ vs リコーブラックラムズ戦が、風上の陣地を取ったリコーのキックオフで始まった。

前半を有利に進めたいリコーだが、逆に5分頃に反則からチャンスをつかんだクボタがPKからリコーゴール前でマイボールラインアウト、モールから外に展開して最後は11番の合谷がトライ。15番ファンデンヒーファーのゴールが成功してまずは先制0-7とリード。
その直後7分にリコーは12番濱野のキックを11番ロトアヘアが拾ってトライ。15番ヘガティのゴールは決まらなかったが5-7とした。その直後の8分にクボタは15番ファンデンヒーファーがPGを決めて5-10とした。さらにクボタは10分に9番井上のクロスプレーから13番のオーデンダールが抜け出し、15番ファンデンヒーファーがゴールに飛び込み自らゴールも決めて5-17とリードを広げた。

一方リコーは、再三、クボタゴール前まで攻め込むが反則でトライチャンスを逃す。しかし28分に7番松橋をフォローした9番高橋がトライ。15番ヘガティのゴールも成功して12-17と追い上げるが、34分にリコーが自陣でペナルティを犯し、クボタ15番ファンデンヒーファーが確実に決めて12-20と点差を広げ前半終了。
前半、リコーは風上の状況を生かせず逆に7つの反則で流れがつかめない。リコーの攻撃を防ぎきったクボタの組織的ディフェンスをほめるべきかもしれない。

後半開始早々の2分、先にスコアしたのはリコー。13番牧田から8番ボークが縦に突破し、ゴール前ラックから5番ロトアヘアが飛び込み、10番ロビンソンのゴールも決まり19-20と1点差に迫る。
その後、追い上げるリコーは激しいぶつかり合いの攻防を繰り返すが、ハンドリングエラーと反則でスコアにはつながらない。逆にクボタは16分にリコーゴール前でFWがフェイズを重ね最後は7番末永がトライ、ゴールも決まり19-27と引き離し、23分には15番ファンデンヒーファーがPGを決め19-30と11点差とした。

やっと意地を見せたリコー、後半二つ目のトライはノーサイド間際の39分に5番ロトアヘアがトライして10番ロビンソンのゴールも決まり26-30になるがノーサイド。クボタが勝利して7位を決めた。

記者会見で語った試合後のリコー濱野主将、「自分たちのミスでチャンスをつぶした」と悔やんでいた。一方のクボタ、「大事な一戦だったが、キャプテンシーもよくスマートなゲームだった。風下でもしっかり戦った」と語ったフラン監督。点差から見ればクボタの辛勝かもしれないが、最後まで切れなかったのは勝利への執念だった。ミスが多くては勝てないリコーにとって来季へ向けての課題はこの試合の収穫とみるべきか。

リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズの神鳥監督(左)、濱野キャプテン

リコーブラックラムズの神鳥監督(左)、濱野キャプテン

神鳥裕之ゼネラルマネージャー 兼 監督

「勝って終わりたかった試合だったが残念な結果でした。チャンスメイクはできたが、それを得点にできず逆にミスで相手に得点チャンスを与え自滅してしまった試合だった。
まだカップ戦が残っているが、来シーズンに向けてさらに良いチームにするようやっていきたい」

濱野大輔主将

「アクションというスローガンで出し切ろうとのことで試合に臨んだが、結果的に自分たちのミスでスコアできる状況から相手に得点チャンスを与えて自滅した形で勝利を逃してしまった試合でした。トップリーグチャンピオンを掲げてやってきましたが、こういった壁を乗り越えて成長していかなければチームとして成長できない事を実感できた試合でした。まだまだ伸びしろのあるチームなので、今後のカップ戦や練習試合を含めて立て直してやっていきたいと思います」

──キャプテン一年目での印象は?

濱野主将

「リーダーになり得る選手が多い中でスタッフや選手の支えもあり私自身もやってこれました。順位は昨年より一つ下がりましたがチームとしての後退はしていないと思います。来季もトップリーグ優勝を目指して成長したいと思います」

──今日の試合から来季への目標が見えたと思いますが。

神鳥監督

「今季も選手のプレーの原点を強化してミスをしないプレーを最後まで継続することを目標にしてきたがこの結果だった。来季も同じ目標になるが、さらにしっかりと実現できるチームにしたい」

濱野主将

「正直、このチームは波のあるチーム。すべてに勝ちきれるチームになるよう自分自身も含めチームのスキルもマインドも高めたい。そのために今季残りの試合にもしっかりと対応したい」

クボタスピアーズ

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(左)、立川キャプテン

クボタスピアーズのルディケ ヘッドコーチ(左)、立川キャプテン

フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「まず、最終戦でキャプテンの活躍もあり勝てて良い形で終わったと思います。前半はスマートな良い試合運びだったと思います。しかし、今シーズンはトップ6になれませんでした。我々はトップを狙うプロセスができていますので更に良い成績が出ると思っています」

立川理道主将

「前半、風下でゲームコントロールできたことが勝ちきれた原因かなと思います。後半押し込まれて厳しい時間帯があったがシステムよくディフェンスできて、大事な時間に得点できたことが良かった思います。インパクトプレーヤーがしっかりとプレーしてくれたことも大きいと思います。今シーズンは、ゲームメンバー以外もしっかりと練習してチーム力も上がってきたので来季もやっていきたいと思います」

──今日の試合プランは?

立川主将

「リコーはディフェンスが速いので、相手のペースに負けないようパスを少なめにするなど確実なプレーをするようにしたのが良かったと思います」

ルディケ ヘッドコーチ

「主将や選手が試合前のプランをしっかりと実行してくれたことが良かった。クボタは素晴らしいパフォーマンスだったと思います」

(神奈川県協会/長井・勝又)

 

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