トップリーグ カップ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦(決勝戦)レポート(サントリー 34-43 トヨタ自動車)

トップリーグ カップ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦(決勝戦)
2019年1月19日(土)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
サントリーサンゴリアス 34-43 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

サントリーサンゴリアス

サントリーサンゴリアスの沢木監督(右)、垣永ゲームキャプテン

サントリーサンゴリアスの沢木監督(右)、垣永ゲームキャプテン

沢木敬介監督

「皆様、お疲れ様でした。ウチのヒヨッコ軍団がライオンになりかけましたけれど(笑)、な、もうちょっとだったな(と、垣永ゲームキャプテンに同意を求める)。前半の最初の3分、後半の6分で、今日はそこで負けて、勝負に繋がったと思います。ただ、こういうのもすごく良い経験だったし、これをきっかけにもっと成長できる選手もたくさんいると思いますし。ファイトの部分でサントリーのプライドを全員がもって、良いゲームだったと思います。ありがとうございました」

──前後半、最初の入りで受けてしまった訳は?

「まあ、そうでしょう。一番大きいのはメンタルのところで、こういうプレッシャーのあるゲームの中で入りというのは大事な部分だとは思いますが、若い選手がそういうところをしっかり経験できたというところもすごく良いゲームだったと思います」

──ディフェンスの面で大量失点したが?

「それはそうですよ。まあ、一人一人の選手を見たらトヨタさんの方が上だと最初から分かっていたので。ただ、あれをしっかり止めなきゃいけないというのは、一人一人が成長するための課題だと思います。はい」

──前の試合から日本人だけで戦っている狙いは?

「皆に聞かれるのですが(苦笑)、ダイバーシティと言っている世の中で、別に日本人だからといったこだわりは無いです。ただ、僕はチームがしっかり成長するためには、全体が成長しなければならないと思うのです。レギュラー陣だけが成長しても、チームのカルチャーは絶対成長しないですし、今日戦ったメンバーがどんどん上にプッシュしていかないといけないし、そもそも、成長させたいと思うメンバーをチョイスしたら、たまたま全員日本人だったという話です」

──二つのトーナメントがあるメリットとデメリットは?

「カップ戦の位置付けというのは、各チーム、監督、人それぞれの考え方があると思うので。今シーズンみたいなスケジュールでは11月の3試合をどういう風に使おうかと考えなくてはいけないし、サントリーとしては若手をどのように成長させようかと考えていましたし、そこはブレずにやりました。ただ、我々は目の前にあるタイトルにこだわっています。なので、チャンピオンになれなかったのは、非常に残念に思っています」

垣永真之介ゲームキャプテン

「お疲れ様でした。最初の3分、後半最初の3分で落としたゲームだったと思います。そこの自分たちの弱さをしっかり受け止めて、来シーズン入ってくる選手たちでまとまって頑張っていきたいと思います。ありがとうございました」

──前半、相手に取られたところはどこが悪かったのか?

「やはり、強い外国人に対して、ジリジリ前に出られてしまって、トヨタさんのやりたいことをやらせてしまった状況でした。ただ、まだ、アタックに関しては、ボールさえ持てば、自信がもてるくらい通用している部分もあったので、ディフェンスをしっかり止め切ろうと話していました。そのあとはしっかりボールキープできて、入れ替わってそこからちょっと取られてしまってというのはありました」

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

トヨタ自動車ヴェルブリッツのホワイト監督(右)、アプロン ゲームキャプテン

トヨタ自動車ヴェルブリッツのホワイト監督(右)、アプロン ゲームキャプテン

ジェイク・ホワイト監督

「今日の勝利に関してはとても嬉しく思っています。トヨタ自動車にとって、とても素晴らしいことでした。決勝もしくは準決勝でこういうプレーをすれば、勝ち方を理解することができて、これからの勝ちに繋がると思います。こういう決勝のプレッシャーの中でやることによって、勝ち方を理解したことが良かったと思います。

──トヨタにとって久しぶりのタイトルだが?

「このカップ戦のトロフィーはこのチームにとって大きな意味をもっていると思います。私が良く記者会見で言うように、パナソニックやサントリーといったチームには、サンウルブズとか日本代表とか、各国のテストマッチを戦い抜いた経験豊富な選手が揃っていると思います。こういった経験豊富な方々は大試合でプレッシャーの中でプレーする意味を見出していると思います。なかなかトヨタにはそういう選手が多くいません。こういうノックアウト方式の中でトヨタは成長を勝ち取るしかなかったのです。去年のトップリーグの準決勝で負けて、今年の準決勝でも負けました。そういう準決勝とか、決勝の場面でやればやるほど、チームはさらに強くなってくると思います」

──カップ戦にはどのようなプランで臨んだのか?

「非常に興味深い質問です。カップ戦については、若手の選手の向上、普段出ていない人たちに経験を積ませることを目標に始まったと思いますが、私たちもこの舞台を使って色々な選手に経験を積ませようとやって来ました。こういったプレッシャーの中で、戦いをさせて、それに慣れさせる場面ということを考えていました。自分としては、他のチームとトヨタを比較することはあまり好きではありませんが、トヨタはトップリーグの中で非常に運気を掴んだチームだったと思います。トップリーグでは6名のルーキーを使いながらやって来て、特に古川や木津、三浦、岡田のような選手を使いながら経験を積ませることができました。今回、カップ戦での選手起用ですが、本当にこのようなプレッシャーの下で慣れてもらいたいということで、そこを見据えた起用でした。我々もチャンピオンを目指してやっては来ましたが、メンバー選考はこうした考えからでした。先程、ロッカールームで選手たちが歌を歌っていたと思いますが、こういうエンジョイする中で、我々は勝てて良かったと思います」

──就任した時と何が変わったのか、また、来年勝つためには?

「自分が来る前と比べると、良い選手を獲得できるようになったと思います。例えば、古川選手は明治大学のキャプテンとして来てくれたり、今のキャプテンもトヨタに来てくれたり、岡田選手のような人も来てくれたりとか、トヨタに来たいと思ってくれる選手が増えたなと思います。トヨタ自動車という会社も、本気でラグビーを強くしようと思ってくれています。会社の従業員としてリクルートすることは、ビジネスでも、世界的企業としても名が知られた企業ということで簡単ですが、なかなか、ラグビーチームに来るということは、今までは苦戦を強いられました。でも、今のトヨタは、本当に皆が楽しんでやっている雰囲気とか、会社もしっかりと面倒を見てくれるということで、トヨタに来たいと思ってくれるようになったと感じています。来年はやはり、勝ちを重ねて、ビッグゲームでの経験を積んで、勝てるチームを作っていきたいです。来年も優勝を目指したいと思います。今日の試合を振り返っても、一時的に13対12という、一点差の状態があったのですが、今日の試合でもトヨタが簡単に勝ったとは思いません。苦戦を強いられた場面もありました。こういったことで学んだことを来年に繋げていって、優勝に向かっていきたいです」

ジオ・アプロン ゲームキャプテン

「今日の対戦相手のサントリーさんは本当に良いチームでした。やはり、決勝の舞台に相応しいチームであったと思います。本当に今日はタフな試合でした。サントリーさんはやはり、たくさんのトロフィーを獲得したチームであり、素晴らしい戦い方だったと思います。今日勝ったことは、自分としても嬉しいですし、チームとしても会社にとっても非常に嬉しかったです。本当にトロフィーが取れて、良かったと思います。今日に限っては、勝利をエンジョイしたいと思います。チームに関しては、スコッドが成長したと感じています。ということで、来年のトヨタのプレーを楽しみにしています。去年から自分はトヨタ自動車に所属して、ここまで来たのですが、来年に繋がる勝利だったと思います。トヨタの来年も楽しみにしています」

──どういうところに選手の成長を感じたか?

「私がこの試合のキャプテンをさせていただいて、こうやってトヨタが勝ち続けて、勝つ文化というものを構築したいと心から思いました。チームとして向上した点は、前の戦いで学んだことを次の舞台で生かすということです。チーム全体でフォーカスが定まってきたと思います。例えば、3位4位決定戦とか今までやって来ましたけれども、そこで学んだことが、自分たちで次の勝ちに繋げられたと思います。プレッシャーを感じながら得点を入れていくということが重要ですが、自分たちの方向性は間違っていないと思います」

RELATED NEWS