トップリーグ カップ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦レポート(豊田自動織機 31-35 ヤマハ発動機)

トップリーグ カップ 2018-2019 総合順位決定トーナメント2回戦
2019年1月19日(土)11:30キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)
豊田自動織機シャトルズ 31-35 ヤマハ発動機ジュビロ

豊田自動織機シャトルズ

豊田自動織機シャトルズのダグラス ヘッドコーチ代行(左)、河合ゲームキャプテン

豊田自動織機シャトルズのダグラス ヘッドコーチ代行(左)、河合ゲームキャプテン

アンドリュー・ダグラス ヘッドコーチ代行

「今日の試合は勇気と熱意を持って戦えたと思います。特に前半はボールを持ってコントロールできたと思います。ハーフタイムでは同じようにプレイをしようと言いましたが、後半は風が強く長い時間ボールをキープできなかった。
いくつか大事な時間帯にミスをしてしまったが、レフリーのジャッジも要因だったと思います。後半だけでも11個のペナルティーがありました。やっていることは何も変わらなかったが、そういう結果になった。いくつかスクラムの部分はアンフェアな行為だったと思います。トップリーグの進歩のためにもこう言うことは無くなる必要があると思います。今日は選手たちを誇りに思います。そんな中でも80分間諦めることなく戦い続けました。ただ後半は厳しく、ポジションが保てなかったです」

──元々どのようなシーズンを送ろうと思ってどのようなことに注力したか? 上手くいかなかった点があればどのようなことが一番悔やまれる?

「シーズンは良い形でスタートできたと思います。4試合中3試合勝てた時期もあった。ただ休み(ウィンドウズマンス)を挟んでから勢いを失ってしまった。キヤノンみたいな強いチームとあたって、そこで勝てなくて入替戦に入ってしまった。結果として三菱重工さんが良いプレーをしてきたこと、怪我人が多く人数が少ない中でキープレイヤーが何人も怪我をしてしまった。でも選手たちはその中でもシーズンを通して頑張ってくれて、そこで一緒に働けたのは良い思い出です。もちろん降格するのは良い気持ちではないですがチームを誇りに思っています。立ち上がらなくてはいけない時期が来るのでそれは直ぐ来年に起こることを信じています。今日の戦いぶりを見ていたらその辺ができると確信していますし、来年はポジティブなシーズンになってもらいたいです。

河合航ゲームキャプテン

「後半が上手くいかなかったが、80分通して皆が闘志を持って楽しんでやっていたので80分が充実した試合だった。12月末にトップリーグの入れ替え戦で落ちてしまったという所から、皆モチベーションを上げて前を向いてまたトップリーグに帰って来るという気持ちを出してくれたので選手の皆には感謝したいです」

──降格になってしまった中でモチベーションを保つのに、どのような話をしたか。

「降格が決まってからの残り2試合を必ず来季につながる試合にしていきたいことと、応援に来てくれるファンもたくさんいるので、ファンの皆さんに感謝することと必ず戻って来る姿を自分たちの為にもファンの為にも見せたいという気持ちがチームとして一つになってやれたと感じています」

──元々どのようなシーズンを送ろうと思ってどのようなことに注力したか? 上手くいかなかった点があればどのようなことが一番悔やまれる?

「私としてはまず8シーズンこのチームにいるのですが、今まででこのシーズンのチームが一番強いと感じました。上手くいかなかった要因としては波があった。どこのチームでも波があると思いますが、この波をいかに小さくしていくかが今後求められるかと思います。しかし今年やれると自分達も自信が付いたのでこの自信をもっと持って、いかにこの波を減らしていくかを来季から頑張って目指していきたいと思います。

ヤマハ発動機ジュビロ

ヤマハ発動機ジュビロの清宮監督(左)、仲谷選手

ヤマハ発動機ジュビロの清宮監督(左)、仲谷選手

清宮克幸監督

「今日のゲームは引退者の為のシーズンラストゲームと言うことで、チームが一つになって準備をして戦いました。これは忘れないだろうというプレイが沢山あって、記憶に残るシーズンラストゲームになりました。それからヤマハでの私のシーズン最後の試合になりました。選手達も今日はしっかり楽しんでやってくれたと思います。隣に座っている仲谷選手は僕にとっても思い出がある選手の一人です。私がヤマハに来た時は怪我をしており、29才でプレイをしていない時が、私と仲谷選手の最初の出会いです。そのような選手が日本代表のCAPを頂いてミレニアムスタジアムで1番を付けてプレイするまでになった。仲谷選手のストーリーを語ると20分も語れる。今日はたくさん引退者が出たので、それぞれの選手のストーリー&ヒストリーを語りたいけど、ここは仲谷選手に短くヤマハラグビー・ヤマハスタイルを語ってもらいます」

──8シーズンで清宮監督が感じる達成感と、逆にまだやり足りないと思うものは?

「タイトルを取っていないので、タイトルもありますし、もっとできることがありました。ヤマハの8年はとても充実をしていたし毎年毎年ストーリーがあった。ヤマハでしかできない経験をさせてもらった」

──試合を終えてグランドに降りた時、選手達と出会った時にどんな感情が胸にあった?

「私自身は今日で引退する選手達のための試合と位置付けていました。私にとってのラストゲームは12/8のプレイオフ準決勝でしたので今日の主役は引退する選手へのリスペクトということを頭に思って挑みましたので、それにふさわしい対応をしたと私は思っています」

──今日引退する選手で宮澤選手がいますが宮澤選手のどのような所に信頼をもって試合に出し続けてきたか?

「サイズが足りない・スキルが足りない・スピードが足りない選手で、多くの悩みを抱える日本人選手にとって鏡のような存在で、何が足りなくても読みと勇気があればプレイができると証明した数少ない選手の一人ですね。そういう選手だからこそセレクションに迷ったら私は宮澤選手を起用してきましたし、それに答える選手だったと思います。そのうち宮澤選手の存在自体がヤマハらしいという表現に変わってきたと思います。宮澤選手の様に少し身体的に小柄な選手でも他の選手と比べて劣った点を違う形でカバーできることがヤマハらしいと言う言葉になって来たのだと思います。例えば殆どラグビー素人で入ってきたDINESVARAN KRISHNANが1年半でレギュラーになる。他のチームでは無いがヤマハではそれがある。それがヤマハらしい。170cm無いHOが試合に出る。来年も一人同志社大学から1人取りましたがその選手は160cm位だと思うが、恐らく160cmというだけで書類選考は他のチームではNGが出るかも知れませんが、その様な選手を試合で使うのがヤマハらしいと言う私たちやファンの方が言うきっかけとなった選手が宮澤選手や仲谷選手ではないかと思います」

──仲谷選手が引退を決意した経緯や思いを聞かせてください。

「1年1年勝負をして来たベテラン達にとって、今シーズンの公式戦が1試合も無いという所が物凄く大きかったですね。目の前の1年をギリギリ頑張ると言う選手は凄くいる、でも1年準備だけのシーズンはキリが良い所で辞めようかと考える選手は多いです。例えば宮澤選手もその一人ですね。私自身もその一人かも知れません。それほどこの1年間のラグビー界は、色々とあり、ラグビーワールドカップで良いことがあると言うこととスケジュールが色々変って来ている。トップリーグもそうだが大学リーグもそう。色んな影響を与える1年なんですけど総力をあげて大成功をさせないといけないと思います」

──仲谷選手が8年間清宮監督に教わってきた中で軸になって来たことは?

「プロップにとっては天国のようなチームだと僕は思うのですが何故か(ヤマハに)来ないんですよね。スクラムに拘りのない他のチームにどんどん行ってしまう。日本一のプロップになりたいのならヤマハに来いって。仲谷選手は日本で一番美しいスクラムを組む。表現をすると相手を苦しませずに絞めることができる。本当に仲谷選手は一番のスクラム選手ですよ。匠の技を継承しないで引退をしてしまうので残念」

──ゲームの最後がスクラムでしたがどういう思いでご覧になっていましたか。

「良いシナリオライターがいるなと思いました。最後ペナルティーをとって吠えて終わると思っていたがラスト1分あたりからそのようになりました。私はイヤホンをしているが、現場の声が聞こえてくるんですね。途中でスクラムを組む度に仲谷選手と山村選手が吠えているのがわかり、うるさくてイヤホンを外していたりしていた。そのくらい彼らはスクラムが盛り上がっていました」

──今の日本ラグビーについて思っていることやどのようにラグビーに関わって行きたいか?

「私はヤマハが好きということだけです。いい仲間と出会えて素敵な8年間でした」

仲谷聖史選手

「最後勝って試合を終われてこんな幸せなラグビー人生はないかと思います。グランドで全て出し切ったので悔いはありません。これはヤマハスタイルと言うことで、清宮監督と出会ってからやってきたスタイルをしっかり最後は出し切れたかと思っています。色んな思いを持って引退する選手達も悔い無く自分を出し切ったかと思います。また、これから次のヤマハを背負っていく若い選手達も自分達のやるべきことを全て出した試合だったと思います」

──仲谷選手が8年間清宮監督に教わってきた中で軸になって来たことは?

「清宮監督も言っていましたが一般的に見ても小さい体ですが、僕はスクラムとタックルが自分の持ち味なんですけど、自分の役割をしっかり出せれば試合に出してもらえる部分と、清宮監督のミーティングとかもそうですが、次何を話すかワクワクするんです。やっていても楽しいですし、また出会ってからラグビーが更に好きになりましたし、こんな面白いラグビーがあるなんてと思いながらずっとやってきました。ヤマハスタイルという部分もありますし、セットプレイに芯がある、しっかりしたラグビーというのは自分にとって良い出会いだったと思います」

──ゲームの最後がスクラムでしたがどういう思いで組んでいましたか。

「前半から相手との兼ね合いとレフリーとの兼ね合いで、しょぼいスクラムをずっと組んでいて上手くいかないなと修正をしながら組んでいた中で、これが世の中あまり上手くいかない良い教訓を受けたスクラムでした。最後はしっかり自分たちの強みを出してペナルティーを取っていけたという流れでした。終わり良ければすべて良しということで男のスクラムを組むことができました」

RELATED NEWS