プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015セミファイナル見どころ(3) 1/25

プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015

ジャパンラグビー トップリーグ プレーオフトーナメント
LIXIL CUP 2015
セミファイナルプレビュー【3】

東芝ブレイブルーパス vs パナソニック ワイルドナイツ
1月25日(日)14:00 東京・秩父宮ラグビー場
直前プレビュー

CTB霜村、LOヒーナンも万全パナソニック
東芝はCTBステインが先発。LO大野も復帰

「今季、東芝には2戦して2回負けている。優勝どうのこうの抜きに、東芝に1回くらいは勝っておきたい」
HO堀江翔太主将の言葉どおり、ディフェンディングチャンピオンであるパナソニック ワイルドナイツは、今季ファーストステージ開幕戦(8月22日、東芝 39-26 パナソニック)、そしてセカンドステージ第2節(12月6日、東芝 33-13 パナソニック)の2度の対戦とも、東芝ブレイブルーパスに完敗している。

昨季のセミファイナルのように、SOバーンズは東芝を翻弄するプレーぶりでパナソニックをファイナルに導くことができるか?

今季3度目の対決で3度目の正直を狙う王者にとっては、当然ながら「まずはコンタクトエリアでの攻防がポイントになる」(ロビー・ディーンズ監督)のは間違いないところ。
「東芝の選手たちはビッグゲームの経験が豊富な選手が多い。重要な局面でボールキャリーができて、チーム全体が前に出るために重要な存在」と同監督が警戒するFLスティーブン・ベイツやNO8リーチ マイケルなどのペネトレーターの突破をしっかり抑える一方で、「セカンドステージでの対戦時では影響が大きかった」(同監督)というCTBフランソワ・ステインのロングキックにも当然ながら注意を払っている。

一方の東芝の冨岡鉄平ヘッドコーチは「トランジションの部分は日本でナンバーワン」と、パナソニックの攻守の切り替えを高く評価しているが、それでも敢えてボールキープ能力の高いCTBリチャード・カフイではなくキックを多用するステインを先発起用。
前半はステインのキックで、セカンドステージ終盤戦で「大満足」(同HC)という働きを見せたFW陣を前に出し、王者にプレッシャーをかけていくことになりそうだ。

当然、東芝としては自信を持つスクラムやラインアウトからのモールでも圧力をかけていきたいところ。
「パナソニックのキャプテンの堀江くんに気持ちよくプレーさせているようでは絶対勝てない。プレーのディシジョンメーカーのベリック・バーンズに関しても、彼が気持ちよくラグビーをしているようでは勝てない」(冨岡HC)
強力FWを中心に、試合巧者でもある王者の中枢部分を占めるキープレーヤーに重圧がかかるような展開に持ち込みたいところ。

ただし、セカンドステージでの対戦では敗れたパナソニックもスクラムに関しては「拮抗できていた」(堀江主将)との感触をつかんでいたのに加えて、セミファイナルではLOダニエル・ヒーナンも復帰。
前回は「食い込まれた部分もあった」(同主将)というブレイクダウンも含めて、さらにパワーもスキルも上がった究極のFW戦が繰り広げられる条件は整ったと見ていいだろう。
東芝側もセカンドステージ終盤を欠場したLO大野均が復帰するのはプレー面でも精神面でも大きなプラスであることも確か。

今季は2戦2勝の東芝だが、昨季はプレーオフセミファイナルも含めて3戦3敗。

今季のリベンジを果たしたいパナソニックと昨季の借りを返したい東芝。
精神的には双方ともチャレンジャーとしてモチベーションを維持しやすい状態でのガチンコバトルとなる。

text by Kenji Demura

東芝のCTBはステインが先発。ロングキックで強力FW陣を前に出して王者にプレッシャーをかけたいところ
パナソニックWTB山田が躍動感溢れる走りを秩父宮のファンの前で披露するシーンは見られるのか
リーグ戦最終節で今季初めてプレーしたFB立川もそのまま大一番で先発。ベテランらしい判断力で東芝の最後列を支える