3節 マッチサマリー(NTTコム 10-17 サントリー)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 10-17 サントリーサンゴリアス
【week3/2011年11月13日(日) at 宮城・ユアテックスタジアム】

NTTコム 10-17 サントリー   NTTコム 10-17 サントリー
サントリーの攻撃力の前に、NTTコム敗れる
現在開幕から2連勝中で勢いに乗るサントリーサンゴリアスと、前節今季初勝利をあげて勢いをつけたいと考えるNTTコミュニケーションズシャイニングアークス。どちらも勝って勝ち点を得て弾みをつけたいと考える。お互い一歩も譲らない試合が始まった。

サントリーのキックオフで試合がスタート。開始早々、フリーキックを得たサントリーは6番FLトッド・クレバーがすばやく反応するが、味方のノックオンでチャンスを逃す。すかさず、NTTコムは反撃に移る。14番WTB沼尻大輝がドリブルでトライを狙うが、惜しくもボールはサントリー14番WTB成田秀悦が先に押さえトライにはならず。前半7分NTTコムは15番FB栗原徹が敵陣30m右隅からペナルティゴールを狙うが、惜しくもボールは左へ外れる。その後、ボールはNTTコムが所有する時間が長くなるが、サントリーの厚いDFに阻まれゲインをすることができず。9分DFばかりだったサントリーは9番SHフーリー・デュプレアがすばらしいタックルを決め、こぼれたボールにすばやく反応したWTB成田が14→9とつなぎビックゲインするが、DFにはばまれ9→12→10とつないだものの、ゴール前でノックオンし、チャンスを失う。ここまで、サントリーはハンドリングエラーが続いているが、修正できるだろうか。

12分ゴール前でペナルティを得たサントリーは、12番CTBニコラスライアンがしっかりとPKを決め先制点を得る(0-3)。14分NTTコムは再びFB栗原が敵陣25m右中間からPKを狙うが、これも残念ながら外れる。15分サントリー1番PR金井健雄が負傷し、17番PR尾崎と交代。18分サントリーはNTTコムがノックオンしたボールに13番CTB平浩二らがすばやく反応し、13→9→6→10と左に大きく展開し、10番SOトゥシ・ピシがキックしたボールにCTBニコラスライアンが上がり、NTTコムDFにプレッシャーをかける。ミスをしたNTTコムはゴール前5mでマイボールラックを作りなんとかキックでしのぐ。しかし、直後20分サントリーの猛攻がNTTコムを襲う。ラインアウトから地元宮城県出身の5番LO真壁伸弥が起点となり、サントリー得意のすばやい連続攻撃がNTTコムのDFを崩し、ラックから9→10→2→6とつなぎ、FLクレバーが中央にトライ(ゴール成功0-10)。33分サントリーは敵陣10m右中間ラックから9→10→6→10と左に展開し、SOピシがNTTコムのラインを突破したが、11番WTB長友泰憲へのパスが悪くトライチャンスを失う。39分前半終了直前、サントリーはゴール10mでラインアウトを得るが、トライにはつながらず前半終了。

前半攻撃面でミスの目立ったサントリー、ハーフタイムでその修正を図り後半に挑む。追いかけるNTTコム、どのように修正してくるのか。サントリーはワールドカップで活躍した2番HO青木佑輔から16番HO山岡俊にメンバーを入れ替え、後半スタート。スタートからサントリーの猛攻が始まるが、3分自陣ゴール前10m左隅でNTTコム10番SOクレイグ・ウィングがボールを奪い、80m独走。中央にトライ(ゴール成功7-10)、追いかけるNTTコムにとって後半よいスタートを切ることができた。6分NTTコム2番HO濱田宇功から16番HO種本直人に入れ替え、勢いをつける。しかし、9分すぐにサントリーの反撃。ゴール前5m左ラインアウトからラックを連取し、外で人数を余らせ9→10→13と右につなぎ、日本代表CTB平が右中間にトライ(ゴール成功7-17)。10分サントリーの入れ替え、ここまで攻守にわたって活躍したFLクレバーに代わり、19番FLジョージ・スミスが入る。

13分、攻めるサントリーは敵陣22m右ペナルティからすばやい展開で、外にパスをつなぐがやはりハンドリングミスが多く、NTTコム5番LOアイザック・ロスのDFによってトライは阻止された。さらに、サントリーの入れ替え、17分SHデュプレアから日本代表の20番SH日和佐篤、WTB長友から21番ピーター・ヒューワットに替わる。20分NTTコムはゴール前5mでラインアウトを得るが、リフティングが安定せずにボールはサントリーへ、チャンスを失う。流れをつかみたいNTTコムは20分に3番PR斉藤展士から17番PR秋葉俊和へ、6番FLマーフィー・ダレンから18番馬屋原へ入替。NTTコムはこれが見事フィットし、21分自陣22mでサントリーのミスから得たボールを9番SH鶴田諒がキック。サントリーWTB成田がキャッチし自ら突破を狙うが、NTTコムDFに狙われターンオーバー、主将11番WTB友井川拓がキックし敵陣ゴール前5mまでボールを運ぶことに成功。22分13番CTBジェイピー・ネルから22番ソセネ・アネシへ入替を行う。さらに、24分NTTコムがチャンスを作る。サントリーがキックで外に出したボールをWTB沼尻がクイックスローで入れ、NTTコムの攻撃が始まる。WTB友井川のスピードのある突破で22mまでボールを運び連続攻撃を行う。すばやい攻撃でサントリーDFを崩し、22m左中間ラックから9→11と左につなぎ、再びWTB友井川のラインブレイクから、トライと誰もが思った瞬間、ダブルモーションでトライは認められず、サントリーはよくディフェンスに走ったSH日和佐によって救われた。

しかし、NTTコムの攻撃は続く。サントリーはキックで陣地を稼ぐも再びゴール前に戻され、DFの時間が続く。30分ゴール前5mまでボールを運んだNTTコムは高さを生かしLOロスにキックパスを出すも通らず、なかなか得点までつながらない。32分サントリーHO山岡が負傷し、HO青木が再びグラウンドへ。さらに33分サントリーはCTBニコラスに代わり、22番宮本啓希に、NTTコムは1番PR山口泰生が負傷し、PR斉藤が再びグラウンドへ。34分NTTコムはWTB友井川のインターセプトから得たPKをFB栗原がしっかり決め(10-17)、7点差に。35分NTTコムは4番LO石神勝からベテラン19番木曽一に入替。序盤とは打って変わって終盤は、NTTコムの攻撃は続く。終了間際まで幾度となくサントリー陣に攻め入るNTTコム。しかし、決定力に欠け、NTTコムのトライは生まれず無念の終了。

マン・オブ・ザ・マッチは宮城県出身でアタックでのフィジカルの強さが目立ったLO真壁伸弥が受賞した。後半かなり追い込まれるシーンが多かったサントリーだが、内容は点差以上のものであった。特に、ブレイクダウンからのすばやい攻撃、ワールドカップに出場した各国の代表選手たちの力がサントリーの勝利につながったと思われる。実際、終始続いたミスがなければもっと差のついた試合になっていただろう。後半サントリーを苦しめたNTTコムは、高い攻撃力を誇るサントリーを相手に2トライに抑えたディフェンス力は今シーズン他のチームにとっても脅威となる反面、決定力不足が懸念される部分でもある。しかし、上位チームに対して自分たちのラグビーをすることができたことは、自信につながり今シーズン更なる成長につながることだろう。(佐藤 悠)
NTTコム 10-17 サントリー   NTTコム 10-17 サントリー
会見ダイジェスト
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督
「相手はサントリーさんなので、普通に戦ったら勝てない。積極的に攻めること、防御でプレッシャーをかけ続けることなどにフォーカスを絞り戦った。勝てないまでもボーナスポイントを取れた試合内容なので今後につながる収穫はあった」

○友井川 拓キャプテン
「監督のいうとおり、普通にやっても勝てない相手。昨季はエリアコントロールを意識して戦ったが、今回は積極的に仕掛けることやサントリーさんの浅いオフェンスラインに対して早くプレッシャーをかけることなどを意識した。ある程度はできていたと思う。ボーナスポイントを取れたことは大きい。試合内容にはある程度納得のいくものである」

NTTコム 10-17 サントリー   NTTコム 10-17 サントリー
マン・オブ・ザ・マッチ、真壁選手
サントリーサンゴリアス

◎サントリーサンゴリアス
○エディー・ジョーンズGM兼監督
「今日の課題は2つ。1つは震災に見舞われた方々に我々の戦う姿を見せることで、勇気を届けること。もう1つは、試合を見に来てくれた被災地の方々にすばらしいパフォーマンスを見せること。最初の1つは達成できたと思います。あとの1つは全くできませんでした。次のヤマハ戦に向けて修正して臨みたい」

○竹本隼太郎キャプテン
「NTTコムさんのプレッシャーがよかったこと、予想以上に雨や汗の影響があり、ハンドリングエラーがでたことで、なかなか思い通りのプレーができなかった。NTTコムさんは最後までプレッシャーをかけ続けていたと思う」

NTTコム 10-17 サントリー
女子7人制ラグビー 東日本高校選抜エキシビションマッチ

RELATED NEWS