ファーストステージ第4節 マッチサマリー(サントリー 38-26 リコー)

サントリーサンゴリアス
サントリーサンゴリアス
38 合計 26
24 前半 0
14 後半 26
5 勝点 1
17 総勝点 3
リコーブラックラムズ
リコーブラックラムズ

サントリーサンゴリアス 38-26 リコーブラックラムズ

ファーストステージ・第4節 プールB
2014年9月13日(土)18:00キックオフ/神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場

トップリーグも第4節を迎え、プールB勝ち点12で2位のサントリーサンゴリアスと、前節で勝ち点2を得て7位になったリコーブラックラムズの試合がニッパツ三ツ沢球技場で行われた。前節のキヤノン戦含め新戦力のスカルク・バーガーの活躍もあり、僅差ではあるが3連勝のサントリーサンゴリアス。この試合を完勝しプールトップを狙いたい。一方、前節の近鉄戦も僅差で敗れて未だ勝ち星がないリコー。すでにプレーオフ進出に後がない状況で勝利を得られるか? 両チームの熱い戦いが期待される。
試合前に元日本代表ロックの田沼選手を中心に小学生を対象にしたAIGタグラグビー教室や17時から県内各チームによるタグラグビーの前座試合が行われ、チビッコラガーの活躍にスタンドから多くの声援が飛んでいた。

18時に快晴でグラウンドも最高のコンディションのニッパツ三ツ沢球技場で、いよいよリコーのキックオフで熱戦が始まる。両チーム開始直後からしばらく一進一退の攻防。先攻したのはサントリー、17分に14番中づるが、リコー22m中央スクラムから右へ展開し、ラックサイドから切り込んで右中間にトライ。10番ピシのゴールも決まって7-0とサントリーが先制する。
その3分後、リコー陣22mセンターで得たPGをピシが確実に決めて10点差とした。リコーにとってこれ以上の点差は避けたいところであったが、20分にリコー7番ハードタックラーの武者がシンビンを受ける。その後の27分、リコーがサントリー陣に攻め込むがリコーがノックオンしたボールをサントリーが奪い、ハイパントしてキャッチ、そこから素早く繋ぎ、最後は6番西川が左中間にトライ。10番ピシのゴールも決まり17-0と差を広げる。さらに33分にはセンターからのスクラムから右に展開し素早いフェーズを重ね、最後はフォローした13番村田が右隅にトライ。10番ピシのゴールも決まって24-0と前半を終了して、サントリーの一方的な展開になるかと思われた。

しかし、後半開始1分。センター付近のモールからリコー9番中村が抜け出しインゴールにキック、そのボールに向かって猛然と襲いかかった11番小松が一瞬早く押さえ込みトライ(TMO)。15番ダニエルのゴールキックは失敗したが、リコーにとって最初のトライになった。これで追い上げる雰囲気が見られたが、後半6分にはリコーゴール前のスクラムから右に展開し後半から入ったツイが中央にトライ。22番小野のゴールが成功して31-5。さらに21分にはリコーのゴール前スクラムから8番バーガーが中央にトライして小野のゴールも成功し38-5と完全にサントリーのペースと思われた。

しかし、25分の5番真壁のシンビンからリコーの反撃が始まった。27分にはサントリー陣22m中央スクラムから右に展開して繋ぎ、最後は11番小松が今日2本目のトライ。15番ダニエルのゴールも決まり38-12とする。31分にはリコーがサントリーゴール前のモールを押し込み、ボークがトライし15番ダニエルのゴールも決まり38-19と追い上げる。さらに、37分にはリコーがサントリーゴール前モールから左に展開し最後はフォローした21番山本がトライ、38-26と食い下がる。しかし、リコーの追い上げもここまで。サントリーが前半の貯金で逃げ切って4連勝と初めてのボーナス点を上げた。

リコーは、4連敗。この結果、前節と同じくサントリーは、勝点17とプールB2位、リコーも敗戦ながら勝点3で7位となった。好天でグラウンド状況も良い中で両チームの攻防も、お互いにシンビンで人数が少ない時間に点を取り合った紙一重の試合内容であった。マン・オブ・ザ・マッチは、安定したキックなど前半の得点の要となったトゥシ・ピシが受賞した。


● 記者会見ダイジェスト ●

リコーブラックラムズ


神鳥監督(右)、小松キャプテン

神鳥裕之監督

「今日はありがとうございました。本日の試合はチャンスでミスが起きました。しかしながら、一方で手応えも感じることができました。次戦に向けて気持ちを切り替えて頑張りたいです」

小松大祐キャプテン

「リコー側はシンプルなミスが多かったです。アタックに関しては後半に見せたアタックを前半からできるようにしたいと思います」

──出だしではタックルでよくサントリーを止めていたと思う。しかしタックルミスから取られて流れが変わった印象を受けたがどうか。

小松キャプテン

「今日はロータックルにフォーカスしていて前半は良かったですが、ボールを継続され、テンポの速いアタックにディフェンスラインが前に出なくなり、横に流れるようなディフェンスになったところで、ディフェンスのコミュニケーション不足と個々のタックルミスが出てトライを許してしまいました。もう少しディフェンスラインに人数を立てるようにしたいです」

── 一人少ない選手で戦った時の状況は?

小松キャプテン

「あそこはキックをタッチに出して試合を切りながら進めるべきところをキックが出せなかったのと、人数が少ないので後ろに何人残すのか、ディフェンスに何人立てるのかを迷ってしまいました。後ろに人数を多く残して、前に上がれる人数が少なかった印象がありました。あの時点で後ろに誰が残り、前に誰が出るかを早めに決めるべきでした」

──今日、徳永選手を使った意図は?

神鳥監督

「端的にいうとコンディションの問題です。コリンが先週の試合で足を傷めました。後半コリンを入れたのは、徳永選手の出来が悪かったわけではありませんが、前半思った以上に点差をつけられましたので、後半にゲームメイクをできる選手として交代しました」

──(神奈川県協会より)前座試合と応援してくれたタグラグビーチームや子供達へのメッセージを一言。

小松キャプテン

「試合中、名前を出して応援してくれましたが、こういう応援が自分達の力になります。僕達もしっかり子供達にいいパフォーマンスを見せてラグビーが楽しいことを伝えたいと思います。みんなでラグビー界を盛り上げていきましょう」


サントリーサンゴリアス


大久保監督(右)、真壁キャプテン

大久保直弥監督

「本日はありがとうございました。開幕して3試合、自分達としては消化不良の試合をしてきましたが、今日の試合で少し前進したかなと思います。細かいことはありますが、若い選手が多いですし、一戦一戦が彼等にとっていい経験になります。彼らがどう感じるかというところと、サントリーらしさを突き詰めていきたいです」

真壁伸弥キャプテン

「今日の試合では今までの課題ができてきました。入る部分でしっかりできたから、後半パニックになった時も戻ることができました。そういう部分ではチームとして成長した試合でした」

──1週間最もフォーカスしてやってきた点と達成度合は?

大久保監督

「一つはボールキャリアに対するサポートの部分です。このチームは早いボールのリサイクルが勝負の生命線になります。サポートの選手のスピードとアグレッシブを出して、常に相手のボールさえ取ればというところについては、来週の神戸製鋼戦でもしっかりやっていきたいです」

──今までより攻めきれたのはどういうところに理由があるのか。

大久保監督

「トヨタ自動車戦ではラック数が150~160回あってボールをとっていますが、ボールの使い方のところで、スピードのあるBKの選手にいつどこで渡すかについては少し修正をかけた結果、今日は良くなったと思います。そういう点でFWは接点のインサイドで良い仕事をしました」

真壁キャプテン

「自分達のポジションでの仕事意識を強くした結果、BKにも良く回ったと思います」

──後半パニックになったというが、リズムのよくない時間帯が続いた。何が原因か。

真壁キャプテン

「自分でディシプリンが守れなかった点でしょう。チームのリズムを崩してしまいました」

大久保監督

「焦りという意味では、残った14人でブレイクダウンに2~3人をかけてしまう事など、この時期にそこまで徹底していなかったので結果的に相手に隙を与えてしまった。ベンチからの指示とリーダーの指示、それぞれの役割としてどうするという対処については、いいレッスンを与えてくれました。今後はリーダーが中心になって解決できる事と思います」

──西川選手を起用した理由は?

大久保監督

「昨年は怪我で不本意なシーズンを過ごしました。もともと腰の強さ、ブレイクダウンの仕事の点ではチームでも見本となり、身体を張る選手でもあります。(ツイ)ヘンドリックを使ってきましたが、バックローのバランスを模索しているところです。引き続き競争の激しいポジションであり、それぞれに試合の中で持ち味を出してほしいです」

──トゥシ・ピシを起用した理由は?

大久保監督

「ゲインラインを意識しました。彼らは一番近いところにいる選手であり、相手に与えるプレッシャーは大きかったです。彼の持ち味、フットワークが出ました。怪我人が多いので、調子のいい選手を使う事を基本にしています」

──トゥシ・ピシ、バーガーの2人のコンディションは?

大久保監督

「(トゥシ・ピシは)怪我が心配な部分があり早めに交代させました。怪我人が多い今の状況をチーム全員で乗り切りたいです」

──(神奈川県協会より)前座試合と応援してくれたタグラグビーチームや子供達へのメッセージを一言。

真壁キャプテン

「ラグビーを見て楽しいという事を感じてもらえればありがたいです。多くの子供達にトップリーグを目指すようになって欲しいです」








マン・オブ・ザ・マッチはサントリーサンゴリアスSOトゥシ・ピシ選手



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