セカンドステージ第1節 マッチサマリー(神戸製鋼 20-30 東芝)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ 20-30 東芝ブレイブルーパス セカンドステージ・第1節 グループA 1ヶ月間のウインドウマンスを終えてトップリーグ2014-2015のセカンドステージが開幕。強固なディフェンスを武器にファーストステージ唯一の負けなしでプールBを制した神戸製鋼コベルコスティーラーズと、プールAで強豪パナソニック ワイルドナイツに土をつけたものの2位に甘んじた東芝ブレイブルーパスとの上位同士の対決は、直前の荒天から一転した晩秋の日差しの下、近鉄花園ラグビー場に5,000人を超す観衆を迎えて東芝のキックオフで開始された。 先制したのは東芝。前半7分、この日優位に立ったスクラムを武器に神戸製鋼のコラプシングを誘い、SH9番小川高廣がゴール前20mポスト右のPGを確実に決めた(0-3)。さらに14分にもゴール正面10mライン付近のPGも小川が決めて0-6とリードを拡げた。 しかし、東芝もスクラム、モールで執拗に神戸製鋼FWにプレッシャーをかける。神戸製鋼にチーム・コーションが告げられた直後の24分、連続して神戸製鋼が犯したコラプシングの結果、東芝にペナルティトライが与えられた(5-13)。神戸製鋼は、31分にも反則の繰り返しでLO5番アンドリース・ベッカーがシンビンを告げられるなど、前半だけで12個のペナルティを犯し、自滅した形となった。 後半も先制したのは東芝。2分に小川がPGを決めて5-16とリードを拡げた。これに対し、前半31分にHO16番木津武士とPR18番山下裕史の日本代表フロントローを投入してスクラムを安定させた神戸製鋼は、8分にCTB12番田邊秀樹がPGを返し(8-16)、さらに14分、25分にはゴール前のラインアウトモールを押し込むファーストステージで見せた得意の形で20-16と一旦は逆転に成功した。 東芝はゲーム序盤スクラムで神戸製鋼を圧倒し、中盤から終盤にかけてはお家芸の連続攻撃で神戸製鋼に今シーズン初の土をつけた。一方の神戸製鋼は自陣での反則で自滅し、後半は接点で競り負けるなど最後まで自らのペースをつかむことができなかった。 ● 記者会見ダイジェスト ●
神戸製鋼コベルコスティーラーズ ゴールド ヘッドコーチ(左)、橋本キャプテン ギャリー・ゴールド ヘッドコーチ 「東芝はフィジカル面で強いチーム。前半は強い向かい風、後半はまったく風がない状況と、今日はうちにとってすべてアゲインストな展開になってしまいました。こちらとしてもミスをしてはいけないところでミスをしてしまいました。また前半はペナルティーの数が12個に対し相手は2個という状況でよく5-13としのいだと思います。そこから後半はリードするところまで立ち直ってチームがリセットできたことはよかったですが、そこで維持できなかったことは残念です」 橋本大輝キャプテン 「前半は『あの風の中でよくあのスコアで折り返せたな』と思っています。後半は一時リードするところまでいきましたが、ミスが多く、規律を守れずにテリトリーを奪われた事で神戸製鋼のラグビーが継続できませんでした」 ──ジャパンの選手の投入時間は予定通りだったのか? ゴールド ヘッドコーチ 「(前半24分に)に認定トライを取られて、あれ以上傷口を広げたくありませんでした。どうしても投入せざるを得ない状況でした。いずれにせよハーフタイムくらいに考えていました」 ──ウインドマンスでどのようなところを意識して調整してきたのか? ゴールド ヘッドコーチ 「アタックのところをフォーカスしましたが、今日の前半はほとんど自陣でのゲームでしたのでそれを出す機会がありませんでした」 ──マパカイトロ・パスカの退団はチームにとってどんな影響を及ぼしたのか? ゴールド ヘッドコーチ 「ラグビーだけ考えればチームにとってはボールキャリアとして有効な選手で大きなロスですが、我々はプロとしてプレーヤーとしてやるべきことをやるだけです」 東芝ブレイブルーパス 冨岡ヘッドコーチ(右)、大島ゲームキャプテン 冨岡鉄平ヘッドコーチ 「後半節が始まって、両チームに言えることですが、ジャパン組がタイトなスケジュールで帰ってきたにもかかわらずパフォーマンスを落とすことなくゲームを盛り上げてくれたことに感謝しています。 大島修平ゲームキャプテン 「いい準備ができたウインドウマンスでした。7試合の中の1試合と考えずに目の前の試合に準備してきたことを出し惜しみなく発揮できました。今日の勝利で波に乗れます。これからも残りの試合を一切考えずにしっかり準備してやっていきます」 ──代表勢を迷わずスタメンに使ったのは? 冨岡ヘッドコーチ 「ジャパンと東芝間でS&Cの部分でいいコミュニケーションを取らせてもらっています。また代表の試合ではずっと出ずっぱりではなかったこともあります。(リーチ)マイケルはちょっと無理かな。 ──フランソワ・ステインを先発に使ったのは? 冨岡ヘッドコーチ 「神戸製鋼はキックの多いチームなので、それに対抗するための長距離砲として起用しましたが、その期待に応えてくれました」 マン・オブ・ザ・マッチは東芝ブレイブルーパス10番、廣瀬俊朗選手
(記事:蜷川善夫、石川悟、北畑幸二 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博) |