セカンドステージ第3節 マッチサマリー(サントリー 32-16 東芝)

サントリーサンゴリアス
サントリーサンゴリアス
32 合計 16
12 前半 9
20 後半 7
5 勝点 0
12 総勝点 11
東芝ブレイブルーパス
東芝ブレイブルーパス
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サントリーサンゴリアス 32-16 東芝ブレイブルーパス

セカンドステージ・第3節 グループA
2014年12月13日(土)11:40キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

セカンドステージ開幕と同時に上位同士の戦いが繰り広げられているが、この日も秩父宮ラグビー場は上位陣がそろう豪華2本立て。快晴のもと好ゲームを期待する観客の皆さんがたくさん詰めかけた。第一試合は府中ダービー、府中市長、ミス府中も来場され試合を盛り上げる。神戸製鋼コベルコスティーラーズ、パナソニック ワイルドナイツに2連勝の東芝ブレイブルーパスはこのまま一気に突っ走るかのような勢い。一方、前節神戸製鋼にいいところなく敗れたサントリーは今ひとつ波に乗り切れない。

キックオフ直後から、サントリーが定石通り自陣からボールキープを続け東芝陣に攻め入り、SOトゥシ・ピシがラインブレイクかと思われたがこれはオブストラクションの反則があった。自陣10mライン付近でペナルティーをもらった東芝はタッチに蹴り出すかと思いきや、CTBフランソワ・ステインがPGを狙う。これを見事に決めて開始3分で3点を先制。

その後もサントリーのボールキープが続き、東芝陣内に攻め込むも肝心なところでミスが出て、ステインのキックで大きく陣地を挽回されてしまうことが繰り返される。そんな中、ステインが8分に中央30mのPG成功。サントリーSOピシのイージーなPG失敗をはさんで、31分サントリー陣にわずかに入ったところから東芝のステインが超ロングドロップゴールを決め、観客をどよめかせる。東芝9点をリード。

しかし、その後サントリーのボールを保持し続ける攻撃に東芝がブレイクダウンで反則を積み重ねてしまう。26分6番 望月雄太がチームの反則の繰り返しによりイエローカード、10分間の一時的退出となっている。ここが勝負の分かれ目になったか、32分サントリーのこの日初めてのトライが生まれる。サントリーCTB松島幸太朗が東芝の選手からもぎり取ったボールを約50mつなぎ続け、最後はWTBに入っている村田大志がポスト下にトライ。SOピシからのラストパスをめぐり、TMO判定となる微妙なプレーであったが、トライの判定。CTBニコラス ライアンのゴールも決まり7-9。

直後のキックオフ。サントリーは自陣22m付近からやはりボールをつなぎ続ける。7フェーズ重ねた末、最後はWTB中づる(雨冠に隹・鳥の順)隆彰がノーホイッスルトライにつなげた。ゴールは決まらなかったが12-9と逆転し、このまま前半終了。前半は得点に結びつけるまでに時間を要したものの、サントリーがほとんどの時間ボールを保持し続ける展開であった。

後半開始直後から、今度は東芝がボールを保持し、サントリーゴール前に迫るもののミスでチャンスをつぶし、波に乗ることができないまま、サントリーCTBニコラスのPGを許してしまい、12分15-9と差が広がる。

結局東芝は自チームのペースに引き込むことができず、終始サントリーペースでゲームが進み、19分CTB松島がラインブレイクした後、ボールを受けたWTB中づるが22m走り切りトライ。ゴール失敗20-9。25分にはSOピシのタッチライン際へのゴロパントを受けたWTB中づるが連続トライ、25-9とさらに差を広げる。

直後のキックオフで途中から替って入ったサントリーSO小野晃征が大きくゲイン、やはり替って入ったPR畠山健介がパスを受けて27分ゴール中央にダメ押しのトライ、ゴールも決まって32-9とする。東芝は33分この日初めてのトライを返すが時すでに遅く、東芝ステインの度肝を抜くPGで始まったゲームも、終わってみれば32-16と意外な大差でサントリーがボーナスポイントも含む勝点5を得た。東芝は勝点を加えることができなかった。

試合後のサントリー大久保監督のコメントにある通り、サントリーは前節からの反省点を修正し、チャレンジする意識で試合に臨み、東芝の生命線であるブレイクダウンで勝負、それによってSOピシを生かし、外側にスペースを作ってトライを決めた。残りの試合に向けて大きく前進できた。

東芝はもう一度自らの生命線であるコンタクトプレーの部分を見つめなおして、次節以降にのぞみたい。

マン・オブ・ザ・マッチは3トライ、ハットトリックのサントリーWTB中づる隆彰選手。
(澤村 豊)



● 記者会見ダイジェスト ●

東芝ブレイブルーパス

東芝ブレイブルーパス
冨岡ヘッドコーチ(右)、大島ゲームキャプテン

冨岡鉄平ヘッドコーチ

「今日の試合は、初めて府中市長杯の試合として、また、ウルトラファミリーデーなどのイベントも多く開催していただき、いい天気のもとトップ4が集まる試合日程にしていただいたのに負けてしまい、残念です。前節まで連勝し、今日の試合にもゲームプランや試合の準備はいい状態で迎えられたのですが、危機感はサントリーのほうが上回っていたということです。今日はサントリーのほうが出来が良かったと思います。サントリーは素晴らしいチームだと思います。これを見習って、次節以降、しっかり、準備をして試合に臨みたいと思います」

──今日いいプレーをしていたサントリーSOトゥシ・ピシ選手についてどう思いますか?

「ピシ選手はインターナショナルレベルのいい選手で、サントリーのキープレーヤーの一人だと考えています。速いテンポでブレイクダウン周りで出てくるのは分かってはいましたが、今日はそれを止められませんでした」

──今日、サントリーに5トライもとられての敗戦となりましたが?

「とられた5トライのうち、3トライは気持ちでやられています。試合中にはプレーの波がありますが、これを80分間、マネージできなかったと思います。流れをつかめるまで我慢ができなかったと思います」

──前半は9-0とリードして、試合の『入り』は良かったのが、東芝らしく体を当てるプレーが多くなかったため、サントリーの選手が疲れなかったと感じましたが?

「今日はサントリーのアタックで、ボールキャリアーに差し込まれてしまいました。東芝のアタックはサントリーに止められていました。負けてはいけない局面で負けてしまっていました。この点は修正してきたいと思います。また、今日はエリアマネジメントが下手でした」

大島修平ゲームキャプテン

「今日はテンポの速いラグビーにしっかり準備して臨みましたが、まだ、甘かったのだと思います。前々節、前節と、いい試合ができていたのですが、3節目で負けてしまいました。ファーストステージでも同じように3節目で負けています。チームとしてまだ、何かが足らないのだと思います。次の1週間、更にしっかり準備して、次の試合に臨みたいと思います」

──今日いいプレーをしていたサントリーSOトゥシ・ピシ選手についてどう思いますか?

「ピシ選手にボールが渡るところへのタックルが良くありませんでした。サントリーのFWが良く動いていました。東芝のディフェンスが悪く、ピシ選手にスペースを与えてしまったと思います」

──今日、サントリーに5トライもとられての敗戦となりましたが?

「ブレイクダウンでの反則が多かったと思います。ディフェンスの時間が長かったため、サントリーのペースになってしまったと思います」


サントリーサンゴリアス

サントリーサンゴリアス
大久保監督(右)、真壁キャプテン

大久保直弥監督

「今日は、寒い中、たくさんの観客の方々に来場していただき、感謝します。前節、近鉄花園での対神戸製鋼戦でふがいない試合をしてしまい、今日の試合がもう1回のチャレンジだと思い、この1週間準備してきました。勝利という結果につながり、チームとして前進することができてうれしいです。ベテランと若手とをうまく組み合わせて使ってきたことがいい結果につながり、良かったと思います」

──この1週間、いい準備ができたと言いましたが、その内容は?

「前節の試合ではボール・イン・プレーの時間が24分しかありませんでした。いいプレーを長くして、ボールをいかに動かすかだと思います。セットプレーとブレイクダウンは永遠のテーマです。特に大きく変えてはいません」

──今日、特にいいプレーの多かったピシ選手については?

「ピシ選手の持ち味はランプレーです。今日はピシの両サイドに3-4人がリンクすることができたと思います。FWが良く走り込んでいました」

──3番に畠山選手でなく垣永選手を先発させましたが?

「畠山選手はサントリーに欠かせない選手です。しかし、欧州遠征での連戦、また、セカンドステージの7連戦も勘案し、若い力のエネルギーにも期待します。垣永選手は今日も試合中、叫んでいると思うほど大きな声を出していたのは、チームへのポジティブないい面と思っています」

──今日は5トライ獲得し、そのうち、4トライはバックスによるものでしたが?

「FWがとてもいい仕事をしていたから、バックスのトライにつながったのだと思います。FWがいい流れを作ってくれました」

真壁伸弥キャプテン

「前節の対神戸製鋼戦ではサントリーのラグビーができませんでしたが、今日の試合では、セットプレーなどでしっかりサントリーらしいプレーができました」

──対神戸製鋼戦とは違う覚悟で臨んだと言いましたが?

「対神戸製鋼戦では相手の得意な部分で勝負してしまいました。今日はしっかり、サントリーのプレーができたと思います」

──最初の東芝の得点はステインの60mPG、そして前半は0-9と、東芝に先行されましたが、焦りはなかったですか?

「前半、反則が多くPGを3本とられたことは、課題として修正していきたいと思います。最初のステインのPGについては、あの距離から決められたのは、正直、ちょっと、いやでした」









マン・オブ・ザ・マッチはサントリーサンゴリアス14番、中づる隆彰選手

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