セカンドステージ第5節 マッチサマリー(クボタ 26-28 リコー)

クボタスピアーズ
クボタスピアーズ
26 合計 28
7 前半 15
19 後半 13
2 勝点 4
20 総勝点 23
リコーブラックラムズ
リコーブラックラムズ

クボタスピアーズ 26-28 リコーブラックラムズ

セカンドステージ・第5節 グループB
2014年12月28日(日)14:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場

2014年、トップリーグでは年内最後の日程となったセカンドステージ グループB第5節リコーブラックラムズとクボタスピアーズの試合は、晴天の秩父宮ラグビー場で行われた。両者ともこれまで、3勝1敗の戦績。勝点では、リコーが19ポイントで1位、クボタが18ポイントで2位。共に負けられない1戦である。

クボタのキックオフで試合開始。最初に先制したのはリコーだった。前半7分、クボタのスローフォワードで得た自陣10m付近でのスクラムからボールを積極的に展開、フェイズを重ね攻撃を継続し、最後はWTB高平拓弥がゴールライン手前までキャリーし、ブレイクダウンから出たボールにLOロトアヘアポヒヴァ大和が走りこんでトライとなった(ゴール成功7-0)。その後、19分にクボタの反則で得たペナルティーキックをFBピータース・ダニエルがPGを決め10-0となる。

クボタの反撃は、前半25分。マイボールラインアウトから出たボールを展開、攻撃を継続し最後は、CTB立川理道からのロングパスを受けたWTB宮田拓哉がゴールライン手前までキャリーし、サポートに入ったFB森功至に手渡しそのままトライ10-7(ゴール成功)となった。

その後、一進一退の攻防が続くが両者とも得点には至らない。前半終了間際39分に、リコーが自陣キックチャージから奪い返したボールをSH山本昌太が、WTB高平に繋ぎ、高平がライン際を快走。自身で上げたパントをキャッチしてトライとなり15-7(ゴール失敗)で前半は終了した。

後半先制したのは、クボタだった。後半2分、リコー陣、ゴール前10m付近でのラインアウトからFLアランド・ソアカイが縦を突く。ブレイクダウンから出たボールを展開、CTB立川から飛ばしパスを受けたFB森にWTB宮田がアングルチェンジで走り込みボールを受けてトライとなり15-14(ゴール成功)と追い上げる。リコーは、後半9分にPGを決め18-14とするが、勝負は最後までもつれる展開となる。

後半21分、リコーがWTB長谷川元氣のトライで25-14と突き放すが、クボタも26分にCTB立川のトライで25-21と追い上げる。そして、後半31分には、ラインアウトから出たボールをハイパントでリコー陣ゴール前まで運ぶ。フェイズを重ね、攻撃を継続し、CTB立川が相手ディフェンスラインのギャップをつき、ボールは途中出場のNO8キーガン・ダニエル、FL田村玲一とつながりトライとなり25-26(ゴール失敗)でクボタが逆転した。

残り時間もわずかとなったが、リコーも慌てなかった。キックで再開されたボールがモールパイルアップ。リコーボールでのスクラムをキープして押し込む。1度崩れたスクラムを組み直し、再スクラムをリコーが押し込む。クボタが堪らずに、コラプシングの反則を犯し、得たPGをFBピータースが決め28-26と再逆転となった。
試合はそのまま終了し、リコーが28-26でトライ数で上回るクボタに勝利し、グループBの首位をキープした。クボタは、前節のNEC戦に引き続きトライ数で上回るものの勝ち星に恵まれず、痛い2敗目を喫した。マン・オブ・ザ・マッチは、リコーWTB高平拓弥が獲得した。
(副島英雄)


● 記者会見ダイジェスト ●

クボタスピアーズ

クボタスピアーズ
石倉監督(右)、今野ゲームキャプテン

石倉俊二監督

「ありがとうございました。年末にも関わらず、多数のファンの皆様、会社関係者に来場いただき、感謝申し上げます。ゲームの方は、残念の一言に尽きます。逆転したところまでは良かったのですが、勝ちきれなかったことは反省点です。今野ゲームキャプテンが言っていたとおり、顔を上げて、残りの2試合を勝って、ワイルドカードに向けて頑張っていきたいと思います」

──苦戦の原因は?

「試合の中でいくつかターンオーバーされました。もうちょっと人数を掛けて、きれいな球出しをしたかったと反省しています。いくつか、相手の大きな選手にかぶられて、その部分は苦しかったと思います。最後もブレイクダウンでプレッシャーを掛けられて、ノックオンでした。うちも悪くはないが、若干プレッシャーを掛けられているのかと思います」

──残りの2試合も強敵だが?

「相手を分析しますが、ボールを思い切り動かしてグラウンド一杯を使う、キックも使う、うちのラグビーをしていくことです。相手ではなく、我々の形をやり切ることが大事だと考えています。先週も、NECさんにうちが3トライ、相手は1トライで負けていて、トライを獲っているのは評価できますが勝ち切って終わりたいと思います」

──今日の負けは、ペナルティが原因か?

「ペナルティに関しては、ファーストステージで平均14本くらいだったものがセカンドでは一桁と、減ってきてはいますが、時間帯もエリアも宜しくないところで起こっています。ノーペナルティで行ければ良いのですが、選手もフィフティ・フィフティのところで行ってくれていますし、難しいところです」

今野達朗ゲームキャプテン

「本日はありがとうございます。本当に残念ということくらいしか言うことがないです(苦笑)。最後、逆転して、そのまま行けるかと思ったのですが。先週もペナルティから負けていますので、修正してやっていきたいと思います」


リコーブラックラムズ

リコーブラックラムズ
神鳥監督(右)、山本ゲームキャプテン

神鳥裕之監督

「今日はまず、リコーファンの皆様がたくさん足を運んでいただいたことに感謝申しあげます。先週、本当に悔しい思いをしてあと一歩だったのですが、何としても悔しさを忘れずに、どうしても勝ちたい試合とやってきました。結果、接戦をモノにして、チームの成長を感じます。残り15分の戦い方は、NEC戦に向けて大きな修正点です。来週までに立て直したいと思います」

──ブレイクダウンは?

「ブレイクダウンのところは苦しかったです。今週はアライビングプレーヤーの立ち位置など、基本的なことをやってきました。そこは来週もしていかなくてはいけません」

──ラインブレイクされる場面があったが?

「クボタさんのアタックは素晴らしいです。ワイドワイドで来ると分かってはいたが、対峙できませんでした。残り15分のエリアの使い方も雑で、ディフェンスが機能しなかった場面がありました。寒いし、プレッシャーもありましたが、自分たちのやりたいことができなかったのは大きな反省点です」

──最後のペナルティキックの場面では?

「結果は結果です。ダン(ダニエル選手)自体は、日ごろからしっかり準備してくれる選手なので、入ると確信していました」

──NEC戦に向けて?

「キーポイントはブレイクダウンです。我々のスタンダードを確認して、二人目の速さと正確性を上げたいです。ディフェンスもワイドを突かれるので、しっかりコミュニケーションをとって、ブレイクダウンに入る人間の判断を上げていきたい」

山本昌太ゲームキャプテン

「多くの観客の前でプレーできて、嬉しく思います。リコーとして、何が何でも勝ち点を取ると臨んだ試合でしたが、結果的に勝利することができ、良かったです。リードしてからの時間の使い方、敵陣での戦い方については反省点が出ました。次週、NEC戦に向けて、しっかりやっていきたいと思います」

──再逆転する自信は?

「まずは敵陣に入ることを考えました。ラインアウトに関してはなかなかうまくいかなかったのですが、スクラムに関してはFWがすごく頑張ってくれて、セットピースでペナルティを狙いに行けました。敵陣に入るところもチーム全体で行けました」







マン・オブ・ザ・マッチはリコーブラックラムズ11番、高平拓弥選手

RELATED NEWS