セカンドステージ第5節 マッチサマリー(ヤマハ発動機 26-10 トヨタ自動車)

ヤマハ発動機
ジュビロ
ヤマハ発動機ジュビロ
26 合計 10
12 前半 0
14 後半 10
5 勝点 0
17 総勝点 11
トヨタ自動車
ヴェルブリッツ
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
前半32分 ヤマハ2番 日野の2本目のトライ

ヤマハ発動機ジュビロ 26-10 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

セカンドステージ・第5節 グループA
2014年12月27日(土)13:00キックオフ/静岡・ヤマハスタジアム(磐田)

4強入りをかけた戦いはヤマハ発動機がプレーオフ進出への望みをつなぐ

ヤマハ発動機ジュビロ(以下ヤマハ)は、前節相性がいいはずの神戸製鋼コベルコスティーラーズに完敗、一方のトヨタ自動車ヴェルブリッツ(以下トヨタ)は東芝ブレイブルーパスに善戦するも最後に突き放され敗戦。残り2試合、自力でプレーオフに進出するためにはお互いに負けることができない重要な一戦となった。
ヤマハのホームゲーム最終戦であり、穏やかな天候の中ヤマハスタジアムには5,064人の観客が集まった。

トヨタのキックオフで試合開始。お互い大事な試合と認識しているためか、激しいぶつかり合い、気迫のある攻防がセンター付近で続く。ヤマハはスクラムでプレッシャーをかけ、トヨタのペナルティーが続いてもPGを狙わずタッチキックを選択するなど、トライが欲しい気持ちがうかがえる序盤。トヨタもトライを許すまいと、ゴール前でのディフェンスに気合を感じる。

前半10分、ここまでいい動きをしていたトヨタ6番FLジャーン・デイセルが反則の繰り返しによるシンビンで一時的退出。数的有利のヤマハは前半13分、ゴール前右中間5mスクラムからサイドを連続して攻撃し、2番HO日野剛志が体をねじ込んでゴール中央にトライ。ゴールキックも15番FB五郎丸歩が決め7-0と先制する。
その後一進一退の攻防が続き、トヨタはモールを押し込みヤマハのコラプシングでゴール10m前まで攻めるも得点を奪えない。両チームともターンオーバーを重ねボールの奪い合いが続くが、ディフェンスがよく決定的チャンスまではいかない。

前半32分、ヤマハは7番FL三村勇飛丸のタックルからボールを奪った今季初スタメンの9番SH矢富勇毅がライン際を抜け出しHO日野につないでそのまま右中間にトライ。FB五郎丸がゴールキックを失敗するも12-0とする。
前半はヤマハがゲームを支配し、トヨタはチャンスがないまま終了。

後半に入り最初にチャンスをつかんだのはトヨタ。4分、ヤマハのノットロールアウェイでトヨタ12番CTBキャメロン・マッキンタイアーがセンターのPGを成功させ12-3。後半7分に今度はヤマハ4番LO大戸裕矢が反則の繰り返しによるシンビンで一時的退出。その間に得点を奪おうとトヨタはボールをつなぎヤマハ陣内に攻め入るが、ヤマハの好ディフェンスにより攻めきることができない。両チームとも攻める気迫がターンオーバーを生み、攻守の入れ替わりが激しくなる。しかし、トヨタはヤマハLO大戸のシンビンの間に得点できなかった。

後半20分に入り、LO大戸が戻ったヤマハのプレッシャーがトヨタのオフサイドを誘い、トヨタゴール前での攻防が続く。そして25分、5mライン手前のトヨタのペナルティーによりスクラムを選択したヤマハがゴールラインまで押し込む、トヨタは堪え切れずペナルティーを犯し、ヤマハの認定トライとなる。FB五郎丸がきっちりゴールキックを決め19-3とする。

勢いに乗ったヤマハは後半29分、敵陣でフェーズを重ねSH矢富からパスを得た10番SO大田尾竜彦の頭脳的なショートパントを入替出場したばかりの23番WTBシアレ・ピウタウがキャッチし左中間にトライ。ゴールキックも成功し26-3とボーナスポイントも得たヤマハが試合を決定づけた。

このまま負けられないトヨタは、後半37分からヤマハゴール手前で連続攻撃を仕掛け、ヤマハゴール前22 mライン付近右サイドからセンターにボールを回し、ホーンが鳴り終わった後半40分、途中出場の20番FLファイフィリ・レヴァヴェが意地のトライを決める(ゴールキックも成功)もジ・エンド。ヤマハが26-10で快勝した。

この日のマン・オブ・ザ・マッチは、スタメンで起用され攻守にわたって活躍したSH矢富勇毅と思われたが(清宮監督談)、前半2トライを挙げ勝利に貢献したヤマハHO日野剛志が、ホームゲームで2試合続けての受賞となった。
(静岡県ラグビー協会広報記録委員 小林聖子)

前半3分 BKにボールを出すトヨタ3番 高橋

● 記者会見ダイジェスト ●

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬監督(右)、文字ゲームキャプテン

廣瀬佳司監督

「非常に重要な試合であるので、気合いを入れて臨んだが、終始ヤマハにゲームを支配された。何もできなかった。
後半トライを取れたことはポジティブに考えたい。
(プレーオフトーナメントに進める)トップ4は難しくなったが、残り2試合トヨタらしい試合をするようフォーカスしたい」

文字隆也ゲームキャプテン

「前半は、自分達のミスで支配できなかった。後半の始めは、自分達のプレーができていたが、トライが取りきれなかった。
次の試合は頑張りたい」

──フッカーに上野選手を起用したのは、前節の東芝戦を踏まえてのことか?

廣瀬監督

「そうです」

──ヤマハのシンビン時にトライが取りきれなかった原因はなにか?

文字ゲームキャプテン

「すぐには、答えられない。ビデオを見てしっかり考えたい」

前半24分 ヤマハ8番 堀江の突進

ヤマハ発動機ジュビロ

ヤマハ発動機ジュビロ
清宮監督(右)、三村キャプテン

清宮克幸監督

「目標としていた5ポイントで勝利することができた。
今日のように、シーズンを通じてやりきれた勝利はなかなかない。
前回の神戸戦では自分達の力を出せずに大敗した。ラグビーはメンタルなスポーツだとつくづく感じた。
残り2試合、心も体も今回と同じような試合をすれば、目標としている次のステージに辿り着けると思う。次も今日のような試合ができれば、一皮むけた新しいヤマハになれるのではないか」

三村勇飛丸キャプテン

「前節のふがいない結果を受け止めて、セットプレーなど自分達が何をしたいのかを示す試合であった。
まだまだ直さなければいけない部分もあるが、気持ちを出して勝てた試合だった。自分達の目標に辿り着くには、残り2試合勝たなければいけない。しっかり準備したい。

──矢富選手を先発で起用し、前半から素晴らしいプレーをしていた。評価はどうであったか?

清宮監督

「もともと評価している選手である。今まで先発させる踏ん切りがつかなかった。先発で起用すれば十分結果を出してくれる。次からは先発でいいと思う。
マン・オブ・ザ・マッチは矢富かと思った。日野の2トライ目は最後足がもつれていたから。真ん中まで持っていければ簡単に7点取れた(笑)」

(静岡県ラグビー協会広報記録委員 田代俊彦)

前半35分 トヨタ6番 ジャーン・デイセルの突進

後半12分 トヨタWTB14番 彦坂のラン

後半14分 トヨタ22番 スティーブン・イェーツにタックルするヤマハ13番 宮澤

後半15分 今季初スタメンで活躍したヤマハ9番 矢富

後半29分 ヤマハ23番 シアレ・ピウタウの突進

マン・オブ・ザ・マッチはヤマハ発動機ジュビロ2番、日野剛志選手

(写真:静岡県協会広報委員 谷本結利)

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