12節 マッチ&会見リポート(NEC 27-24 神戸製鋼)

快晴微風の秩父宮、前々節サントリーに、前節は三洋にいいところなく敗れたNECもFLマーシュが戦列復帰し、壮絶なFW戦が予想されたが、逆転に次ぐ逆転のタフなシーソーゲームを制したのはNECであった。

先制したのは神鋼。開始早々の前半1分、ラックからのボールをCTB大畑が相手ディフェンスのギャップを走り抜けあっさりトライ。仰星優勝おめでとう!
NECは16分にSO松尾がPGを返した後、33分にラインアウトからNo8箕内がビッグゲインしゴール前に迫ったラックから右に展開してFBオースチンがトライ、8-5と逆転する。
すかさず直後の36分、今度はNECゴール前のラックから神鋼No8クリブが突破、内に着いたCTB元木に返してトライ。ゴールも決まって8-12と再逆転!

後半に入り2分、神鋼ゴール前のラインアウトからNECモールを形成し、力比べからLO安田が抜け出してトライ。13-12とまた逆転!
25分には神鋼ボールスクラムからCTB元木が縦にラインブレイク、CTB大畑に繋いで中央にトライ。ゴールも決まり13-19とまたまた逆転!
しかし28分には、神鋼陣ラックからNEC側に出た球が猛スピードで走りこんできたCTB向山に渡りそのままトライ。ゴール成功で20-19とまたしても逆転!
32分にはNECサインプレーでループしたSH辻から球を受けたSO松尾が好走しトライ。ゴールも決まって27-19と突き放しにかかったかに見えた。
ところが39分、背水の神鋼は自陣PKを起点にCTB元木が突進、No8クリブから最後はHO松原に繋いでトライ。これが4トライ目となるとともに点差を27-24と詰め、貴重な勝ち点「2」を確保した。その後3点差を追う神鋼の猛攻をNECがしのぎきり、今シーズン稀に見る死闘も谷口かずひとレフリーのノーサイドの笛を聞いた。

NECがリーグ終盤に来て本領を発揮したエキサイティングなゲームであった。
一方敗れた神鋼は、3位集団の三洋、トヨタ、ヤマハを勝ち点「2」差で追う形となり、プレーオフへの出場権を賭けた最終節の闘いから目が離せなくなった。来週決定乞御期待! である。(陶久昌明)

神戸製鋼コベルコスティーラーズ

増保監督(右)、松原キャプテン
増保監督(右)、松原キャプテン

NECグリーンロケッツ 27-24 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(1月8日)

◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○増保輝則監督

「残念な結果になってしまったんですが、相手次第で、まだ可能性がありますので、頑張っていきたいと思います。NECさんは調子を落としていましたが、見事に立て直して非常に良いラグビーをしたと思います。戦前からタイトなゲームになると予想したとおりでした。うちは得点力が弱いので、NECさんの一つ一つのプレイ、特にブレイクダウンで勝てないと苦しくなります。ジャッカルのスキルの高さにやられました。うちはノットリリースをかなり取られましたが、サポートが遅れるとジャッカルされる、そこのNECさんの強みを消せなかったのが敗因の一つです。NECさんは得点を取った後の試合運びもうまかったと思います。キックで陣取り合戦をするとNECさんのペースになるので、うちは80分攻め続けるプランでしたが、取り切れなかったのは残念です。次の試合では立て直します」

○松原裕司キャプテン
「十分に勝算のあったゲームで、負けたのは非常に悔しいです。後半、2本同じようにトライされましたが、修正できないのが上位に食い込めない理由だと思います。しかし、望みがある限り、しっかり戦っていきたいと思います」


NECグリーンロケッツ
高岩監督(右)、向山バイスキャプテン
高岩監督(右)、向山バイスキャプテン


◎NECグリーンロケッツ
○高岩映善監督

「前回、三洋さんに大敗を喫して、選手とかなり長いミーティングをしました。そして、チームとして何を皆様に見せるのか話し合いました。トップ4云々より、NECのプライド、誇りをかけて、サポーターや関係者への感謝の気持ちを表そうと誓い合って、それを選手が体現してくれました。NECのディフェンスが復活し、シンプルに力を出せて、自分たちの戦い方ができたと思います。最後の試合もプライドをかけて戦いたいと思います」

○向山昌利バイスキャプテン
「ゲーム前はトップ4に残るチャンスがあったので、しっかり5ポイント取ろうとゲームに臨みました。厳しい試合で、5ポイント取れたのですがトップ4に残れず、次節でシーズンが終わってしまうという複雑な心境です。ミーティングでは、ここ数試合、自分たちらしくないゲームが続いていたので、トップ4を全力で取りにいこうと言い合いました。前節までは堅く堅く、ミスの少ない戦い方をしていましたが、僕ららしくミスを恐れず、チャレンジしようという気持ちになれたのがこの結果につながったと思います。神戸さんの最後の追い上げは正直、気が気じゃありませんでした。神戸さんもトップ4に残るため、ものすごい気迫で向かってきました。
(元木選手は)元木さんはいつも激しいのですが、今日は特に激しかったです。でも、元木さんだけでなく、神戸の皆が、ものすごい気迫でした」


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