プレシーズンリーグ 2015「見どころ情報」:NTTダービー

プレシーズンリーグ 2015 / トップリーグ 2015-2016「見どころ情報」

text by Kenji Demura

熱きNTTダービーで15-16シーズンがスタート
9月4日、TLプレシーズンリーグ2015開幕

9月4日、ジャパンラグビー トップリーグ プレシーズンリーグ2015が開幕する。
東京・秩父宮ラグビー場での金曜ナイターとなる開幕戦カードはライバル意識の高いチーム同士の対戦である“NTTダービー”。
今季こそは上位進出を狙う両チームにとって、幸先いいシーズンのスタートダッシュをものにするためにも、まずは絶対に負けられないライバルとの開幕戦を制して勢いに乗りたいところだ。

NTTコムCTB溝口主将(左)とNTTドコモFL佐藤主将(右)。熱いダービー戦で開幕する
photo by Kenji Demura

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 対 NTTドコモレッドハリケーンズ。
この“NTTダービー”は過去3回、トップリーグで実現してきた。

記念すべきトップリーグにおける最初の“NTTダービー”が行われたのは12~13年シーズン。
11~12年シーズンに昇格を果たしたNTTコムに続いて、12~13年シーズンにNTTドコモがトップリーグに上がり、日本ラグビー最高峰でのNTT対決が実現する運びとなった。

12年10月6日、東京・秩父宮ラグビー場(リーグ戦第5節)。
すでに同シーズンの第2節でパナソニック ワイルドナイツを破っていたNTTコムがトップリーグでの先輩である貫禄を示すかたちで23-15で勝利。
ただし、トップリーグ初参戦だったNTTドコモも、先制トライを含めて3個のトライを奪うなど、その先トップリーグで戦っていくための自信をつかむ試合となった。

尚、このトップリーグ史上初の“NTTダービー”の観客数は7,043人で同節の最多入場者数を記録。上位チーム同士の対戦もある中で、同ダービーへの関心の高さをうかがわせた。

この12~13年シーズンの最終成績はNTTコムが9位、NTTドコモは13位(当時は14チームがトップリーグに参加)。
NTTドコモは入替戦で三菱重工相模原ダイナボアーズを際どく退けて(24-21)、トップリーグ残留を決めている。

続く13~14年シーズンには、2度の“NTTダービー”が行われた。
まずは、初ダービーからちょうど1年後の10月5日、“西の聖地”大阪・近鉄花園ラグビー場(今年度から東大阪市花園ラグビー場)に舞台を移して両チームが対戦(ファーストステージ第5節)。
大阪を本拠地とするNTTドコモにとっては、負けられない一戦だったが、逆にNTTコムが前半33分までに3トライを決めて大きくリード。終盤NTTドコモも追い上げたが、28-17でNTTコムが同ダービー2連勝を飾った。

また、セカンドステージ第4節の対戦(12月21日、東京・秩父宮)でも、前半のリードを守り切ったNTTコムが24-14で勝利を収めている。

尚、この13~14シーズンは、両チームともに仲良く(?)入替戦を経てのトップリーグ残留を決めている。

昨シーズンはファーストステージ、セカンドステージともに両チームは別グループ(プール)の所属となり、直接対決は実現しなかった。
ファーストステージを4勝3敗で乗り切り、セカンドステージを上位グループ(グループA)で戦ったNTTコムだが、セカンドステージではまさかの全敗。
逆に、ファーストステージ全敗に終わったNTTドコモはセカンドステージでは5勝2敗という好成績を収めた。
両チーム共にワイルドカードトーナメントに進んだが、1回戦で敗れたNTTコムに対して、NTTドコモは1回戦でトヨタ自動車ヴェルブリッツを破り、2回戦に進出。
終盤はむしろNTTドコモの方がいいチーム状態でシーズンを終えるかたちとなった。

上位チームに対しても安定した戦いぶりを目指す今季のNTTコム
photo by Kenji Demura

昨季はワイルドカード2回戦進出のNTTドコモ。最低でも8強が今季の目標
photo by Kenji Demura

夏シーズンは共に好調をキープ
新戦力のプレーぶりにも注目を

2シーズンぶりのトップリーグでのダービー戦で開幕を迎える両チームだが、夏の練習試合では、共にチーム力が上がっていることを証明する好成績が続いた。

両チームともに7月下旬~8月上旬に恒例となっている北海道東部での夏合宿を行い、NTTコムは豊田自動織機シャトルズ、近鉄ライナーズ、コカ・コーラレッドスパークスに3連勝。
一方のNTTドコモもリコー・ブラックラムズに敗れた以外は、クボタスピアーズ、NECグリーンロケッツ、サントリーサンゴリアス相手に3勝を挙げた。

「計画どおりにきている」

NTTコムのロブ・ペニーヘッドコーチ、NTTドコモの下沖正博監督ともに、今季ここまでのチーム強化に関して、そう声を揃える。

前述のとおり、昨季ファーストステージで4勝3敗と勝ち越し、セカンドステージを上位グループで戦ったNTTコムとしては、今季さらに上を目指すためには「上位陣と対戦した時にも自分たちのラグビーをやり切るだけの安定した力」(ペニーHC)が試されるシーズンとなる。
それだけに、「プレシーズンでは、とにかく1試合、1試合成長していく」(同HC)ことを目標に戦っていく。

夏の北海道でもプレーした、PR佐藤勇人(早稲田大)、NO8ヴィリー・ブリッツ(SRチーターズ)、SH光井勇人(近畿大)、CTB石橋拓也(慶應義塾大)、LO中島進護(福岡工業大学)といった新戦力の活躍も当然、鍵を握ることになる。

プレシーズンリーグの開幕戦となるNTTドコモ戦に関しては「ライバル企業として、相手をリスペクトした、しっかりした試合をしていきたい」と、ペニーHCは抱負を語る。

一方、絶対にプレシーズンリーグ2015での勝利がほしいのはここまでトップリーグでのダービー戦未勝利のNTTドコモの方だろう。
「会社関係者の多くが意識している一戦なので、やはり負ければいい気持ちはしない」(下沖監督)
もちろん、「以前、『叩きのめす』と言って負けたので、相手を意識するというよりは、自分たちが計画していることができているか」を冷静に見極めることが、いい結果につながることも強調する。

パナソニックから移籍したPR河野悠輝、立命大出身のLO杉下暢、BK陣ではCTB金勇輝(法政大)、WTBジョセファ・リリダム(流通経済大)といった新戦力も注目される。

昨季のトップリーグでは対戦のなかった両チームだが、今年の6月27日にはNTTコムのホームグラウンドであるNTT千葉総合運動場グランドでオープン戦を行っている。この直接対決でも31-14でNTTコムが勝利を収めた。
この一戦では早稲田大出身のSO小倉順平(NTTコム)もプレー。
「ブレイクダウンまわりで向こうが一枚上手だった」(NTTドコモ下沖監督)という点も含めて、夏の北海道で好調だった両チームの力関係がどう変化しているのか。

ダービーという観点を除いても、今季のトップリーグで旋風を起こす可能性が十分ある両チームの対戦だけに、今シーズンの行く末を占う上でも注目だ。

チケット情報

「プレシーズンリーグ2015」及び「トップリーグ 2015-2016」の試合スケジュールについては、こちらのページをご覧ください。

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