トップリーグ2015-2016【順位決定トーナメント】15位決定戦 マッチサマリー(NTTドコモ 22-32 NEC)

NTTドコモ
レッドハリケーンズ
NTTドコモレッドハリケーンズ
22 合計 32
8 前半 15
14 後半 17
NEC
グリーンロケッツ
NECグリーンロケッツ

NTTドコモレッドハリケーンズ 22-32 NECグリーンロケッツ

トップリーグ2015-2016【順位決定トーナメント】15位決定戦
2016年1月23日(土)11:40キックオフ/東京・駒沢陸上競技場

NECが最下位を免れる

トップリーグの15位‐16位決定戦、すなわち最下位決定戦となるNTTドコモレッドハリケーンズとNECグリーンロケッツの試合が、曇天の駒沢陸上競技場で行われた。両チームは12月26日のリーグ戦で引き分けており、このような形で再び相まみえるのは不本意かと思われるが、いずれにとっても入替戦相手がどこになるかを左右する大事な試合である。

試合はNTTドコモのキックオフで開始。最初は互いに相手の出方を窺うかのようなハーフウェイラインを挟んでの攻防が続く。5分、NECは相手ゴール前のラインアウトから攻め、インゴールでボールを押さえて先制トライか?と思われたが、ダブルモーションと判定され惜しいチャンスを逸する。その後、両チームとも要所でのミスにより攻撃が途切れ、結果に繋がらない。14分、NECはいったんターンオーバーされるも相手の不十分なキックから絶好のカウンター攻撃のチャンスを得、SO田村優のオフロードパスで前進し、WTB首藤甲子郎が左ライン際を抜けてトライ(ゴール成功0-7)。
続く19分、NECはワイドな展開と細かいパスを交えたカウンター攻撃を仕掛け、最後はFB窪田幸一郎が左隅にトライ(0-12)。

NTTドコモは、点差を広げられまいと反撃に転じる。27分、TMO判定で惜しくもトライは認められなかったものの、その直後の30分、相手ゴール前で味方スクラムから連続攻撃を展開。相手の粘り強いディフェンスに対し多くのフェーズを重ね、LO朴淳彩が渾身のトライ(5-12)。37分には、約35mのPGをNECのSO田村が、41分には約20mのPGをNTTドコモのFB才口將太がそれぞれ着実に決め、NECの7点リード(8-15)で前半を折り返す。

後半9分、NECはPGを外すが、11分、相手陣内に攻め入り、CTBニール・ブリューからパスを受けたWTB首藤が相手タックルを外して左ライン際を快走、トライを決め試合の主導権を握る(8-22)。
この直後、NTTドコモは選手3名を入替え、試合の流れを変えようとする。しかし、相手に攻撃パターンを研究され、LOエベン・エツベス、CTBパエア ミフィポセチを中心に突破を試みるが、ゲインラインをなかなか越えることができない。

20分、NECは味方スクラムのブラインドサイドからトップスピードで走り込んできたWTB後藤輝也が30mを激走しトライ、点差を広げる(ゴール成功8-29)。一方のNTTドコモは、32分、相手ゴール15m前での味方ラインアウトからCTBジェシー・クリエルがアングルを変えてラインブレークし、トライ(ゴール成功15-29)。しかし、36分、NECは約22mのPGを決め、セーフティリードを維持する(15-32)。

このままで試合は終わるかと思われたが、NTTドコモは、41分、相手ペナルティから全員参加の攻撃を展開し、CTBパエアが意地のトライ(ゴール成功22-32)。両チームともトップリーグ残留の思いは強く、最後まで力の入った緊迫した試合であった。

なお、マン・オブ・ザ・マッチには、2トライの活躍をみせたNECのWTB首藤甲子郎選手が選ばれた。
(小林吉文)


● 記者会見ダイジェスト ●

NTTドコモレッドハリケーンズ

NTTドコモレッドハリケーンズ
下沖監督(左)、渡辺ゲームキャプテン

下沖正博監督

「完敗です。ゲームプラン通りにやろうと考えていましたが、NECのディフェンスに阻まれて思うようにはトライを取れず負けました。今日勝てなかった責任は監督の私にあります。次戦はトップチャレンジの1位チームとの入替戦ですが、まだ相手は決まっていませんが、どのチームが相手になっても、我々がチーム一丸となってチャレンジとして試合に臨み、全てを出し切りたいと思います」

──次の試合はトップチャレンジ1でサニックスが勝ちあがってくる可能性が高いと思いますが、サニックスについての印象は?

「サニックスの今年のゲームはトップチャレンジ1の試合しか見ていませんが、試合によりほとんどメンバーを変えておらず、アタックの精度は高いと思います。ワイドに展開して、かつ、タテに入ってくるので、ディフェンスがしぼりにくいアタックをしてくると思います。また、後半、インパクトプレーヤーを投入して得点につなげてくるので、外へ外への動きに対して、差し込まないディフェンスをしっかりしたいと思います」

──2014-2015シーズン、特にセカンドステージではいい戦いができていましたが、今シーズンはあまりうまくいかなかったのは?

「特にアタックについては、相手に分かりやすい単調なアタックとなってしまったと思います。これがトライを取れなかった原因だと思います。プレッシャーを受ける中でこれを修正しきれていませんでした。ディフェンスでも、守り切れずにトライを取られることが多くなってしまいました。次戦の入替戦では守り切れるようにこれをしっかり修正していきます。アタックでも、昨年ほどトライを取れていませんが、試合を重ねてくるごとにアタックの精度が落ちてきているのではないかと思います」

──ワールドカップで活躍したトップクラスの南アフリカ代表選手をチームに迎えましたが、必ずしもチームの成績にはつながってはいないと思いますが?

「南アフリカの選手からはチームに対して刺激は大いにあったと思います。彼らが入ってチームの土台を造りあげることができ、チームがレベルアップできています。練習時やミーティングでは選手間のコミュニケーションはうまくいっていますが、試合ではある程度コミュニケーションエラーがあったかもしれません」

佐藤大朗キャプテン

「今日は、負けたという結果通りです。1週間、チーム内のコミュニケーションを上げて、修正をしっかりしてきたつもりですが、タックルの精度が悪く、失点につながったと思います。次戦の入替戦にはこの点を修正したいと思います」

──ワールドカップで活躍したトップクラスの南アフリカ代表選手をチームに迎えましたが、他のチームと比べると、チームの成績につながってはいないと思いますが?

「南アフリカの選手からはいい刺激を受けています。コミュニケーションは取れていたと思いますが、試合でのアタックでは日本人選手が外国人選手頼みになっていた部分もあったかもしれません」

──次戦の入替戦へはどういった点を修正して臨みますか?

「対戦相手はサニックスになる可能性が高いと思いますが、サニックスは特にトップチャレンジの試合では勢いがあります。これをディフェンスでどう止めきるかだと思います。一人一人がハードワークしてディフェンスをやりきることだと思います」


NECグリーンロケッツ

NECグリーンロケッツ
相澤総監督(左)、瀧澤キャプテン

相澤輝雄総監督

「今日は勝てて心からうれしいと思います。順位(決定)トーナメントに入ってから、これまで1勝もできずに苦しんだ思いをしました。今日は、開き直って試合に臨み、選手達もよくまとまってプレーできていました。うれしい勝利です。これまで支えていただいた関係者の方々に応えることができてうれしいです。これまで苦戦が続いた原因についてはこれからしっかり検証していきたいですが、今日は全員が一致団結してプレーできました。ミスもありましたが、シンプルな形でプレーできたことがいい結果となったと思います」

──次戦の入替戦の相手チームはまだ決まってはいませんが、どういった点を修正するつもりでしょうか?

「私は入替戦の経験はありませんが、プレッシャーを感じます。どういうラグビーをしたいかを焦点に、これからぶれないようにしたいと思います。相手チームはまだわかりませんが、三菱重工相模原になる可能性は大きいと思います。三菱重工相模原は外国出身者と外国人とで計8名もいる強いチームですが、彼らのパワーに負けないディフェンスをして、点を取られないゲームをしたいと思います」

瀧澤直キャプテン

「今日は勝てたのが全てです。15位16位決定戦に臨むことになったのは不本意なところでしたが、選手一同、気持ちを込めて試合に臨み、また、応援の方々の後押しもいただき勝つことができました。

──次戦の入替戦の相手チームはまだ決まってはいませんが、どういった点を修正するつもりでしょうか?

「相手のチームがどこになろうと関係ありません。入替戦であってもこれまでのトップリーグの試合と同じく、プレーの精度と質を上げたラグビーをしなければいけません。今日以上の準備をしっかりして試合に臨めば、結果はついてくると思います」

──前半、なかなかリードを広げられませんでしたが?

「NTTドコモには強いボールキャリアーも多かったので、前半は、時には後手を踏んでミスを重ねたために自陣で戦わざるを得ない時間が多かったと思います」







マン・オブ・ザ・マッチはNECグリーンロケッツ11番、首藤甲子郎選手

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