10節 マッチ&会見リポート(ヤマハ発動機 46-10 日本IBM)

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マッチリポート
ヤマハ発動機ジュビロ 46-10 日本IBMビッグブルー
(week10/2008年12月20日 at静岡・ヤマハスタジアム)

強みを取り戻したヤマハ、2連勝で日本選手権出場の6位以内を射程に
ジャパンラグビー トップリーグ2008-2009も残り4試合となり各チームの位置が見え始めた第10節。前節、コカ・コーラをノートライに抑え勝利、日本選手権出場の6位以内を目指し現在8位のヤマハと、前節のクボタ、前々節の三洋に対し、健闘しながらも勝利できず現在12位。下位争いからひとつでも上を目指すIBMとの対戦は、互いに勝利の2文字が何としても欲しい試合。年内最後のヤマハスタジアム開催は、穏やかな冬の陽光、色鮮やかに生える緑の芝と絶好のコンディションであり素晴らしいラグビー日和。サックスブルーのスタンドから両チームの勝利を願う声が響くなか、試合が始まった。

前半。互いにボールを奪いあう手探り状態のなか、前節の勢いを再現するかのよう素早く積極的な攻撃を展開するヤマハが先制。5分、敵陣30m付近左ラインアウトから展開、SO大田尾が折り返したパスを左CTBサウが受け相手をかわし中央へトライ。FB五郎丸がGを決め先制。8分にはゴール正面のIBMハイタックルで得たPGをヤマハFB五郎丸が決め点差を広げる。FWに置いた外国人選手の突破を軸にSOハーカスのパスとFB高(忠)の安定したキックでゲームを組み立てるIBMは14分に、敵陣マイボールスクラムからNo8フィリピーネがサイドアタック。サポートについた左FL高(聡)がゴールポスト中央へトライ。Gも決まり10-7と数少ないチャンスを得点に繋げ3点差に迫る。しかしヤマハは19分にIBMのオフサイドで得たPGをFB五郎丸が決め13-7とし24分、セットプレーから展開、ゴール前で左CTBサウが体ごとゴールラインへ飛び込みトライ。32分、PGでIBMが3点を重ね、前半を20-10で折り返す。

後半開始1分、IBMがラックでヤマハのペナルティを誘いPGを狙うも外れる。幾度となく敵陣ゴール前に攻め入るヤマハがチャンスを掴んだのは11分。巧みなゲームコントロールでラインを動かすSO大田尾からパスを受けた左CTBサウが左中間へ、今日3本目のトライ。途中、負傷選手の交代でスクラム第一列に入れ替わりがあったものの、セットプレーの安定を維持するヤマハの攻撃は止まらず、16分に左WTB冨岡が左隅へトライ。30分に松下、40分にマッコイドがトライし前後半で合計6トライ。IBMは不安定なセットプレーに苦しみながら攻め入るも、あとわずかのところでボールを奪われるなど最後までヤマハディフェンスを打ち破れず後半は無得点。46-10で勝利したヤマハが、年内最後のホームゲームを勝利で飾った。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は、3トライをあげたサウが、第4節の横河戦に続き2度目の受賞。

会見リポート
日本IBMビッグブルー
安藤ヘッドコーチ(右)、高キャプテン
安藤ヘッドコーチ(右)、高キャプテン


◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ
「まず、ヤマハのホームで多くのお客様に来ていただき、いい天候の中でラグビーができたことに感謝したいです。チームは前節までに三洋、クボタと対戦し負けが込んでいたにも関わらず、チーム力は向上していた状態で、今週勝つと試合に臨みました。今日は、キャプテンの言ったことが象徴かもしれませんが、もう少し自分たちのラグビーを出せばという感じでもあり、非常に残念な結果です。残り3試合、年明けすぐに試合がありますので、もう一度しっかり立て直し、見ていただいた方々にトップリーグとして恥じない試合をやっていきたいと思います」

○高忠伸キャプテン
「ヤマハさんのほうがチームとして成熟していた。敗因はそれだけです」

──ハーフタイムの指示は。
○安藤ヘッドコーチ
「前半は、相手のキックに支配されテリトリーを取られていたので、まずはエリアで負けない、しっかりテリトリーを取る。そのためのプレッシャーをチーム全体でかけていこうと話しました。ただ、時間のプレッシャーや1対1のタックル等からキズを広げてしまった結果、自分たちのラグビーができなかったと思います」

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ヤマハ発動機ジュビロ
堀川監督(右)、山村キャプテン(中)、サウ選手
堀川監督(右)、山村キャプテン(中)、サウ選手

◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督
「今年最後のヤマハスタジアムに来ていただいたファン、会社であるヤマハ発動機の皆様に感謝申し上げます。連敗中のホームゲームが今年最後の試合ということで何としても勝って終わりたく、まず勝つことができ嬉しく思います。試合内容は先週に引き続き、フィジカル的なブレイクダウンの部分を支配することにフォーカスをあて準備してきました。1週間の練習結果が、ホームのグラウンドで出せたことは自信となり、次へ向けステップアップできるゲームでした。今、チームは上向きで非常にいい状態なので、残り3戦、まずサニックス戦へ向け、ひとつひとつ準備をしていきたいです」

○山村亮キャプテン
「ホームのヤマハスタジアムはここ数試合、なかなか勝てませんでしたが、今日はたくさん来ていただいたファンの前で、内容もよく非常にいい勝ち方ができ嬉しく思います。1トライ取られましたが、修正してきたディフェンスが機能しました。次のサニックス戦に向け、今日の試合をスタートとし、また練習を積み重ねていきます。ありがとうございました」

○MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)のマレ・サウ選手
「この2試合、ホームで立て続けに負け、どうしても勝たなければいけない。また、外国人選手としてチームの勝利に貢献するため非常に重要な位置づけの試合でした。その中で勝利に貢献でき良かったです。MOMに選ばれとても光栄ですが、チーム全体がゲームプランを遂行した結果、勝つことができこういう形で自分がいただけたもの。ひとりのものではなく、チーム全員がMOMと思っています。ありがとうございました」

──ハーフタイムの指示は。
○堀川監督
「しっかりテリトリーを取って敵陣に入ってからボールを動かす、前半のゲームプランを継続しようと、シンプルなメッセージを伝えました」

──大田尾選手からパスを受けた形で3トライ、今日の試合で心がけたことは。
○マレ・サウ選手
「特に心がけたのは大田尾を助けること。ボールを持つ場面があれば積極的に前へ出ようという意識を持っていたので、それがトライに繋がったと思います」

──前節と比べ、また試合の中でFW選手の入替がありました。そういった状況においても相手を圧倒できた要因は。
○山村キャプテン
「HOが試合途中から変わりましたが、スクラム、ラインアウトと安定していたし、練習からやっていたことなので心配はなく、また今のヤマハは誰が入っても上手く機能しているので大丈夫です」

──後半22分過ぎ、IBMのNo8フィリピーネ選手の突破を許さなかったディフェンスについて。
○山村キャプテン
「ディフェンスが前半戦を終わった時点の課題であり、ウィンドウマンスの1ヶ月の中で修正してきました。今はその積み重ねが試合に出ていると思います」

──今日の試合、取った6トライの攻撃と後半、相手を無得点に押さえたディフェンス、どちらを評価しますか。
○堀川監督
「ヤマハが修正し取り組んできたのは、キャプテンが言ったようにディフェンス。チームが勝つため、ボール獲得率をあげるためにまずは、ディフェンスから。ディフェンスは我々の強みであるとシーズン当初から言ってきました。前半戦は結果が出ませんでしたが、今は安心しながら見ることができ満足しています。トライに関しても、取るべきところで取れていることに関しては満足しています」

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