プレーオフ セミファイナル マッチ&会見リポート(東芝 35-24 サントリー)

プレーオフトーナメント
東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー
マッチリポート
東芝ブレイブルーパス 35-24 サントリーサンゴリアス
【プレーオフトーナメント セミファイナル/2010年1月24日(日) at 東京・秩父宮ラグビー場】

東芝 サントリーに雪辱

プレーオフトーナメントセミファイナル 東芝ブレイブルーパス vs サントリーサンゴリアス戦は、9,700人を超える観客を迎え、快晴の秩父宮ラグビー場で行われた。今シーズン好調のサントリーは、リーグ戦2位(11勝2分け・負けなし)でのプレーオフ出場、このまま東芝を一蹴しファイナルへと駒を進めたいところ。一方、3位(10勝3敗)に甘んじた東芝にとっては、リーグ戦でサントリーに思わぬ大敗を喫しているため、是が非でもリベンジを果たしTL連覇へ繋げたい大事な一戦となった。

サントリーのキックオフで試合開始、両チームともFW・BK入り乱れて接点での激しいボールの奪い合いから攻防を繰り広げるが、互いに細かなミスを繰り返し、ゲームは一進一退が続いた。
前半19分、最初にチャンスをつかんだのは東芝だった。サントリーはラインアウトからモールで東芝陣深く押し込み、左へ展開するもCTBニコラスがノックオン。こぼれ球を東芝CTBブリューが拾い、ベイツ-仙波-ヒル-吉田と縦横無尽につなぎ最後はFB立川がトライ(ゴール成功 7-0)。

東芝が流れを掴んだとも思われかけたが、27分 サントリーは東芝ゴール前のスクラムから右サイドへ展開、ラックを連取し左へまわしCTBニコラスが内側へ鋭く切れ込み相手ラインを突破し大きくゲイン、ラックから出たボールをSOピシが中央に持ち込んでトライ(ゴール成功 7-7)。

続いて30分には、サントリーが東芝のレイトチャージで得たPKからラインアウトモールを押し込み、HO山岡がトライ(ゴール成功 7-14)。
35分にもサントリーCTBニコラスの突進から東芝陣内へ攻め込み、スクラムから左オープンへ展開しWTB長友が東芝のタックルを受けるがパックがはずれると、そのまま一気にゴールまで走り込みトライ(ゴール成功 7-21)。

前半終了直前、東芝ゴール前20mでオブストラクション、サントリーがPKを得てSOピシがPGを狙うが失敗し、前半終了となった。サントリーは、先制トライは東芝に許したものの、セットプレーからの確実な球出しからボールをキープし3トライを重ね、サントリー優勢で前半を折り返した。

後半立ち上がりからペースをつかんだのは東芝だった。2分、東芝のドロップアウトのボールをサントリーSOピシがハイパントで攻撃するも、東芝陣内でのボールへの競り合いからのこぼれ球を東芝WTB宇薄が拾い、左へ廻って抜け出し、LO望月へパスしそのまま望月が60m独走しトライ(ゴール成功 14-21)。

10分、勢いのついた東芝はサントリーのゴール前で得たPKでゴールを狙わずFW勝負に出た。FWパスからモールで押し込もうとしたがサントリーのディフェンスも硬く、押し返されサントリーボールのスクラム。サントリーは手堅くタッチキックでゲームを切りたかったが、SHグレーガンからのパスをSOピシがインゴールでノックオンしキャリーバック。再度チャンスを得た東芝はスクラムから素早くボールを出し、NO8豊田-WTB仙波-と繋ぎSOヒルが縦に切れ込んでトライ(ゴール成功 21-21)と、アッという間に同点に追いついた。

同点に追いついて勢いに乗る東芝は、ディフェンスの出足の鋭さが目立つようになってきた。17分、サントリーがノックオンしたボールを東芝が拾いカウンターアタックを仕掛け、FB立川がショートパントで相手の裏へ出てボールを足に引っ掛けサントリーゴール前まで持ち込み、自ら再度ボールをキャッチしインゴールへ飛び込み逆転トライ(ゴール成功 28-21)。
ゲームの流れが次第に東芝に傾きはじめてきたが、23分、サントリーも東芝のオブストラクションで得たPKをSOピシが確実に決める(28-24)。PKで点差をつめて必死にくいさがるサントリー。ブレークダウンではボールをキープするが東芝のプレッシャーに押され、なかなか前に出られない状況が続く。
サントリーは何とかビックゲインをし、一気にゲームの流れを変えていきたいところだったが、逆に29分東芝にPKから一気に自陣まで攻め込まれ、モールで押し込まれると再度コラプシングでPK。執拗に攻撃を仕掛けてくる東芝は、サントリーのゴール前ラインアウトで右FL中居がキャッチしたボールをモールで押し込み、左FLベイツのダメ押しトライ(ゴール成功 35-24)。

残り時間10分で11点差。劣勢だったサントリーは猛然と反撃してきたが、焦りからか攻撃がやや単調で雑になりトライに結びつかない。東芝は、繰り返しの反則でのイエローカードで冨岡が退場になったが、最後まで気迫のこもった前に出るディフェンスの集中力は切れることなく14人で守りきり、試合終了。

プレーオフ出場の他3チームに敗戦を喫した東芝であったが、しっかりとチームを建て直しサントリーにリベンジを果たしての堂々のファイナル進出。ファイナルは、昨季と同カードの三洋との激突となり、今季開幕戦で接戦を演じている両チームの好ゲームを期待したい。(堀口 孝)


会見リポート

サントリーサンゴリアス
清宮監督(右)、佐々木キャプテン
清宮監督(右)、佐々木キャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「こういう結果になって非常に残念です。もちろん、トップリーグチャンピオンが目標でした。今日はサントリーがきれいにやりすぎて、形を意識しすぎたと思います。東芝さんの気迫が上回って、形の良いラグビーをさせてもらえなかったということです。後半、立ち上がり、リードをマネージメントできなかったのも良くなかった点です」

──ハーフタイムの指示は? また、佐々木キャプテンの交代は?
「前半はすごく流れが良かったので、指示は出していません。隆道(佐々木選手)の交代は、ちょっと倒れていたこともあり、オプションも用意されていたので」

──キャプテンの交代が流れを変えた?
「それもあったかもしれないですね」

──ブレイクダウンの激しさは予想以上?
「もちろん、相手は激しく、最大限の力を注いでくることは分かっていながら、こういうパフォーマンスになったのは準備が足りなかったと思います」

──単なる個人的なミスなのか?
「チャンスを逃したという印象はないが、作れなかったということです。前半のトライも会心のトライではない、ストラクチャーでもないトライでしたし。逆に東芝さんのスコアした場面はサントリーのタックルミスが連続したところでした。まあ、敗因に近いものではないかと思います。状況に応じた選択肢を的確に使っていくのができませんでした。例えば、5,6,7,8次の連続フェイズでチャンスを作り出す動きがなく、ひたすら目の前の仕事に徹している、創造性のないラグビーになってしまっていました」

○佐々木隆道キャプテン
「まず、しっかり戦った仲間たち、そして、出られなかった選手に申し訳ない気持ちでいっぱいです。スタジアムに来てくださったファンの皆様にも申し訳なく思います。本当に、応援、ありがとうございました。敗因はブレイクダウンで、東芝さんが激しく、自分たちのテンポのラグビーができなかったことです。ハーフタイムには、『後半40分、出し切ろう』と言って出たのですが、それができませんでした。まだ終わりではないので、この結果をしっかり受け止めて、日本選手権に向けて、一つ一つチームとして準備します。最後は笑って終わりたいと思いますので、自分たちは頑張っていきます」

──ブレイクダウンの激しさは予想以上?
「激しかったんですけど、いつものプレーをしていれば、ぜんぜん問題じゃないレベルでした。しかし、負けたのですから、自分たちが悪かったと思います」

──リードしたことで力が抜けたのか?
「それはなかったと思います。自分たちとしては最高の立ち上がりで、すれ違いのプレーで、一発で取られたのが勝負の世界です」

東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー   東芝 35-24 サントリー
東芝ブレイブルーパス
瀬川監督(右)、中居ゲームキャプテン
瀬川監督(右)、中居ゲームキャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督
「まず、はじめにたくさんのファンの皆様の前で、府中のライバルであるサントリーさんとこうした試合ができたことに感謝します。点を取って取られて、最後に自分たちが勝つことができたのは嬉しく思います」

──ブレイクダウンが激しく、ヒル選手とブリュー選手が活躍したが?
「どのチームもキックを使おうという中で、自分たちはボールをつないで、ブレイクダウンにこだわってきました。前回はブレイクダウンでターンオーバーされてトライされましたので、今回は、ブレイクダウンからスコアするまで練習してきました。相手の陣地を意識してプレーしたのは良かったと思います。ヒルとニールでラインブレイクすることができて、前へ行くというテーマどおり、ウイングやフルバックを機能させることができました」

──廣瀬キャプテンをキーパーソンに挙げていたが?
「試合に出られませんでしたが、中居選手と一緒に、今週も選手を引っ張ってくれました。今週も、彼の思いがグラウンドに出ていましたし、今日のロッカーは今シーズンで一番良い雰囲気でした。今日もキーパーソンだったと思います」

──三洋電機との決勝は?
「三洋電機さんとは、去年、非常に素晴らしい試合ができました。しかし、開幕戦で負けて、こちらは調子に乗れませんでしたので、1位通過のチームと戦える、プレーオフ決勝に出られるという重みを感じながら、この一週間、今日よりレベルアップしていきます」

○中居智昭ゲームキャプテン
「サントリーさんのアタックは素晴らしいので、守るのでなく、80分攻め続けるという意識で臨んだのがこの結果になったと思います。前半は負けて折り返しましたが、あきらめず、エリアを意識して前へ出て攻め続けたのが、この結果だと思います」

──戦術は?
「大きく変えていません。前回、味の素スタジアム(リーグ戦)で負けたゲームでは、ちょっと点差がついて、無理して自陣から攻めてターンオーバーされ得点を重ねられたので、エリアを取りながら我慢して、チャンスは必ず来るから、そこで獲り切ろうとしました」

──だが、後半最初は自陣から回したが?
「結果としてはそうなりましたが、まず、一人の判断を尊重して、チームの動きが始まって行けると感じたとき、皆が付いて行くことができました」

──ハーフタイムに廣瀬キャプテンは?
「行けると。ぜんぜん負けていないと」

──ペナルティを狙わなかったが?
「スコアも大事ですが、ずっとアタック、アタックし続けていくほうがプレッシャーを掛けられると思いました。うちは守りのチームではないので、攻めました。相手陣、深いところでターンオーバーされてもそこでプレッシャーを掛け続けてマイボールにしていくことを意識していました。リードしたところでは、守りきって勝つのでなく、受身に回らずに攻めて、攻めていこうと言いました。ずっと自陣でしたが、そのために結果として守りきれたと感じています」

──三洋電機との決勝は?
「リーグ戦で三洋電機さんに負けていますので、チャレンジャーとして向かっていくだけです」

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