3節 マッチサマリー(NTTコム 26-14 クボタ)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 26-14 クボタスピアーズ
【week3/2010年9月17日(金) at 東京・秩父宮ラグビー場】

第3節・金曜日のナイト・ゲーム。会社帰りのお客様が開場前の秩父宮ラグビー場正面口に並ばれて早くも雰囲気は盛り上がる。本日のカードは前年6位の「クボタスピアーズ」(以下、クボタ)対トップイーストより昇格の「NTTコミニュケーションズ シャイニングアークス」(以下、NTTコム」との対戦。どちらも初戦から2連敗中、今日の1戦に「白星」を目指す。

19時半に麻生レフリーの笛でキックオフ。立ち上がりから前節の東芝戦で善戦したNTTコムが押し気味にクボタ陣内に攻め込み、4分過ぎにラック&モールを連取し最後にCTB山下が先制トライ。ゴールもSO君島が確実に決めてチームの好調さが伺える。ここから中盤の20分過ぎまで両軍膠着状態、ただし、明らかにキック合戦では差が見受けられるNTTコムの選手は「戦術的」キック、一方のクボタは単発的な攻撃権をみすみす譲渡するようなキックに終始する。又、グランディングした下のボールへの働き掛けも大きな差が出てくる。NTTコムの選手達はFW&BKは差がなく、惜しみなく身を挺してくるが、クボタの選手は、一呼吸も二呼吸も遅れてしまう。やはり春先からの故障者が続出していた後遺症か?
23分過ぎよりクボタ攻勢、NTTコムが反則を犯して25分クボタSOダルーダのPG成功でようやく反撃。前半直前にもPGを追加してNTTコム10-6で前半終了。士気上がるNTTコム、迷いのあるクボタと感じる。

後半も序盤戦からNTTコムの攻勢。3分NTTコムSO君島のPG成功そして6分にはFBマーク・ジェラードのクボタの戦意を挫くような絶妙なDG成功。攻め込んでいるが得点が取れない時間帯でのDG成功は大きな影響力となる。11分にクボタのPGを受けた後の13分にNTTコムFBマーク・ジェラードのビッグプレー、クボタ陣22m付近のラックより展開されたボールを個人技で縦に突きトライ。SO君島も安定したキックでゴール成功。NTTコム23-9クボタ、15分過ぎに「勝負」ついたかと感じる。

この後は膠着状態が続き。その間に両軍とも選手入替。30分過ぎからNTTコムの選手達の走力が落ちはじめ、36分にクボタWTB根岸がトライを奪う。クボタとしては開幕戦からのノートライ時間116分目の今季初トライとなる。NTTコム26-14クボタでノーサイド。マン・オブ・ザ・マッチは、勝負処で活躍したNTTコムFBマーク・ジェラード。歴史的な初勝利となったNTTコムは、バック・スタンドに陣取った大応援団と喜びを分ちあっていたが、今後の展開を考えると昇格チームの一部残留率は低く、今日のように終盤での運動量の急激に落ちる点は改善してほしい。また、クボタはかなり深刻な状態。指導陣のケアを期待したい。(武田守久)

会見ダイジェスト
クボタスピアーズ
佐野順監督
荻原主将
佐野順監督(上)、荻原主将


◎クボタスピアーズ
○佐野順監督
「今日の試合については、NTTコムチームに敬意を表したい。ブレイクダウンで後手後手に回り、ディフェンスもしっかりできず、残念だ。一から立ち返ってプレーの精度を上げることを課題としたい」

──昨年は開幕3連勝したが、今年は開幕3連敗。何が違うのか?
「何名か出たケガ人は戻ってきているが、コンディションが完璧でなく、チーム作りが遅れている。また、指導の責任もあると思う」

──今日は最後に1トライ取れたが、先週までの2試合ではノートライだ。
「『あせり』を感じていると思うが、それを取り除くのがコーチの仕事だ」

○荻原要主将
「NTTコムの勢いのあるラグビーにクボタのペースでラグビーができなかった。次の試合に向け、リフレッシュしてチームを立て直す」

──今日のNTTコムの良かった点は?
「ブレイクダウンで激しくコミットしていた。また、FBジェラードのキックがよかった」


NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
大沼監督
中山主将
大沼監督(上)、中山主将


◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督
「選手全員とスタッフの皆での一体感で勝ち取った勝利だ。ただし、シンビンのプレーなどもあり、相変わらずペナルティが減らず、これを課題として、修正していきたい」

──『一体感』が出ている理由は何だと思うか? 
「今年度は、チームスローガン"ONE FIGHT"のもとで、チームがひとつになって、また、目の前の一つ一つのプレーに集中することを今年の課題としている。初戦の豊田自動織機戦での敗戦の後、チームが一つにまとまってきた」

○中山浩司主将
「全員で前へ出るディフェンスができたのが良かった。後半にはペナルティも減り、リズムがつかめてきた」

──先週の東芝戦での善戦のあと、どのような姿勢で今日の試合に臨んだか?
「試合の勝敗は考えず、東芝戦と同様に、『自分たちの力をどれだけ出せるか』だけを考えて今日の試合に臨んだ。フィジカル面も良くなっていると思う」
「第1戦の豊田自動織機戦では浮き足立ったところがあったが、自分たちがやるべきことを一つ一つずつ積み重ねた結果だと思う」

──『一体感』が出ている理由は何だと思うか?
「移籍選手が何人かいるが、彼らの練習などに取り組む姿勢に刺激され、相乗効果が出てきている」

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