2010.12.28 [TUE] 協会リリース Twitter Facebook Google+ LINE 12節 マッチサマリー(三洋電機 74-17 リコー) 三洋電機ワイルドナイツ 74-17 リコーブラックラムズ 【week12/2010年12月26日(日) at 群馬・太田運動公園陸上競技場】 FOR ALL Shake Hands! この日も抜群の安定感。ヒーナン選手 (写真提供:上毛新聞社) 前々節で1敗を喫するも首位を走る三洋電機ワイルドナイツが、現在の8位から上位を狙うリコーブラックラムズを相手に第12節を地元太田で戦った。 霜村キャプテンやブラウンらチームの大黒柱を怪我で欠く三洋が揺るぎない強さを見せた。 開始1分に三洋が素早い攻撃から先制トライを上げるが、リコーもすぐさまエリソンが巧妙なキックで相手のミスを誘いトライを奪い返し、ゴールも決まって逆転。序盤からの点の取り合いに"乱打戦"がよぎるもここから三洋の地力が爆発、ホラニ、ヒーナン、アイブスらの力強い突破でペースを掴み取り、前半だけで5トライを重ねて勝負を決めた。リコーの必死の攻撃にも慌てることのない懐の深いディフェンスで対応し、大きなゲインを許すことはなかった。 初先発のLO北川(勇)や経験を積み自信を深めているSO野口らの若手がそれぞれの役割をこなして余りある働きを見せ、またこの日FL、CTBとして出場したアイブスと三宅も良く機能し三洋の更なる進化を感じさせた。 リコーもエリソンやブロードハースト、後半投入のキニキニラウらを起点に反撃を試みるも力及ばず、三洋のゴールを割ったのは冒頭と後半22分のトライのみだった。ゲームキャプテン滝沢、SO河野、CTB山藤らの切れのある個人技も見られたがそれらを得点にまで繋げることはできず、逆にチャンスを確実にものにする三洋との力の差は大きかったといえよう。出てくる選手がみな素晴らしい活躍を見せてくれる三洋の底力は心強く、シーズン終盤を迎えて安定感は増していると思われる。続く最終節、プレーオフ、日本選手権大会での活躍に期待したい。(群馬県協会 相澤悦朗) キニキニラウの力強い突破 ローデン ヘッドコーチ(左)、河野バイスキャプテン ◎リコーブラックラムズ ○トッド・ローデン ヘッドコーチ「ラグビーの教訓を教えられた。今日の三洋は日本一のチームに相応しいベストだった。逆に私たちは最悪な状態だった。消極的な姿勢になってしまった。相手をリスペクトしすぎてしまったのかもしれない。いつもの前に出るタックルができていなかった。三洋は素晴らしかった」 ○河野好光バイスキャプテン「今日はチャレンジャーとして自分達のやってきたことを三洋に対して出していけるかを第一に臨んだ。しかし、前半から受けに回ってしまいリコーらしさを出すことができなかった。最後まで努力をし続けることができたことは唯一良かった」 ──試合中のどの場面、どのプレーで相手にペースを握られた? ○河野バイスキャプテン 「スクラム・LOなどのセットピースから崩されてしまったこともあり、その影響かはわからないがディフェンスで前に出られなくなったことで、三洋さんにアップテンポないいリズムを与えてしまった」 ──タックルができなかったのはどうしてだと思うか? ○河野バイスキャプテン 「リコーではどんなに大きな相手に対しても前に出て肩を当てて倒すということを目指しているが、今日は前に出られず止まった状態で相手の攻撃を受けてしまった」 後半No.8で出場の堀江選手 飯島監督(右)、ホラニ ゲームキャプテン ◎三洋電機ワイルドナイツ ○飯島均監督「地元での最後の試合で選手たちは気持ちの入ったプレーをしてくれた。サントリーに敗れた時のチームの状態は重たい雰囲気になっていたが、それをきっかけに選手の気持ちが上がっていることが現れたゲームだった。試合後に『くたくたです』と語った初先発の北川(勇)や試合毎に試合のリードが良くなっている野口などの新しい選手が活躍してくれているので、これからますます三洋の力を出していけると思う」 ○ホラニ龍コリニアシ ゲームキャプテン「今年最後の試合を地元のファンの皆さんの前で戦い、勝つことができて嬉しい。感謝しています」 ○飯島監督 「MOMに選ばれるべき活躍をしたコリニアシが、いつも苦労しているプロップに栄誉を渡したという試合だったでしょう(笑)」 ──どの時間帯のどのプレーで主導権を握ったか? ○飯島監督 「開始早々1分でスピード感のあるいいトライを取れたのがよかった。すぐに取り返されたが、全般的にディフェンスも良かったしアタックでもプロップがトライするなど三洋らしい、どこからでも取れるラグビーができたと思う。リコーさんも良く攻めていた。相手も力を出し切るけどトライを与えないのが私たちのラグビー」 ○ホラニ ゲームキャプテン 「わからないです(笑)。試合中は自分達のラグビーをするだけなので、どこで掴んだかということは戦っている本人たちはわかっていない。一生懸命やって、結果がこのようになったと思う」 ──相手も力を出すがトライを与えないとは? ○飯島監督 「ディフェンスのシステムやタックルのスキルなどのテクニック的なことももちろんあると思うが、今日印象的だったのは選手との会話の中で『絶対に取られちゃいけない』という責任感の存在を感じたこと。これは選手一人ひとりがここ何年間かかけて培ってきた私たちの強み。先ほどコリニアシが言ったように、本人たちが楽をせず常にベストを尽くそうという雰囲気がチームにある。ラグビーにおいてはお互いに力を出し切るような試合が理想だと考えている。今日も後半20分過ぎのリコーの攻撃は4分か5分くらい続いたと思うが、そこでそれを反則をしてゲームを切ろうなどと思う者は三洋には一人もいない。そういう決意と雰囲気が今の三洋の良いところ」 ブロードハースト、力強いラン ファンに向けて感謝のあいさつ MOMに選出されて照れる川俣選手 地元チアリーディングチーム