ジャパンラグビー トップリーグ2010-2011 年間表彰式レポート

プレーオフファイナルで、三洋電機ワイルドナイツが悲願のトップリーグ初優勝を成し遂げた、翌31日、有楽町・東京国際フォーラムにて、今季のトップリーグの一つの区切りとなる、「ジャパンラグビー トップリーグ2010-2011 年間表彰式」が開催されました。

優勝チーム表彰をはじめ、最多トライゲッター、新人賞、ベスト15、そしてシーズンMVPなどの発表が行われ、各賞受賞者の栄誉をたたえました。

なお、今シーズンのジャパンラグビートップリーグは、2月12日に行われる入替戦、そして3月6日愛知県・名古屋市瑞穂公園ラグビー場で行われる、トップリーグオールスター「FOR ALL チャリティーマッチ」をもって、終了となります。
森喜朗・日本ラグビーフットボール協会会長
  森喜朗・日本ラグビーフットボール協会会長から主催者代表挨拶


優勝 三洋電機ワイルドナイツ
飯島均監督
「創部51年でやっと諸先輩方が立てた志を達成することができました。私は、前身の全国社会人大会を含めると選手として4回、監督として4回、チームとしては12回目のチャレンジで優勝することができました。試合では、私たちの、持っているストラクチャーとは別の、たとえばFWがキックを蹴るとかBKがモールに入ってトライを獲るなどのプレーを選手達が苦しい中でやって、より1つ高いところでゲームができ、そして勝てたことが嬉しかったです。昨日の試合が終わって、たくさんの諸先輩方・友人たちから激励のメールをいただきました。私以上に三洋電機の優勝を喜んでいただいて、私もまた嬉しくなりました。トップリーグはトップ4も、またそれ以外のチームも力が接近しています。今回は、今まで運がなかった分、少しだけ私たちに運があったのかなと思います。神様が、このタイミングで少しだけ幸運をくれたのかなと思います。喜んでいる間もなく、日本選手権が始まります。それが終わればあっという間にプレシーズンです。今日、ここで一つの区切りを迎えた三洋電機ですが、また次のステップに向かえるように選手・スタッフともに努力していきたいと思います。また切磋琢磨して、日本ラグビーを強くしたいと思いますので、よろしくお願い致します」
霜村誠一主将
「このような場を設けていただき、昨日のことなのですが改めて優勝を実感できました。いろんな想いが込み上げてきて、それは自分たちが決勝で負けたこと、三洋電機ラグビー部の長い歴史の中のOBの方やサポートしてくれた皆さんの想いというのが感じられる、そういう優勝だったかと思います。自分たちだけでは何もできなかったと思いますが、チームメイト、地域や会社の方のサポートあっての優勝だと思っています。まだまだ、これから日本のラグビーを盛り上げていきたいと思っています。皆さんも一緒に盛り上げていきましょう」

優勝杯とチャンピオンフラッグ
  優勝杯とチャンピオンフラッグ

準優勝・サントリーサンゴリアス
  準優勝・サントリーサンゴリアス
 
3位、東芝ブレイブルーパス・トヨタ自動車ヴェルブリッツ
  3位、東芝ブレイブルーパス・トヨタ自動車ヴェルブリッツ

フェアプレーチーム賞 三洋電機ワイルドナイツ
霜村誠一主将
「先ほど表彰していただいた優勝はもちろんうれしかったのですが、このフェアプレーチーム賞も本当にうれしいです。フェアプレーというのは、それが勝利に直接的に繋がるとは限りませんが、飯島監督が常々言っている『正しく勝つ』ということを、僕らがしっかりできたのではないかと思います。小学生、中学生、高校生、大学生など若い選手達が反則をしないで勝つという、僕らのようなプレーを目指してもらえると嬉しいです。ありがとうございました」

ベストファンサービス賞 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
大橋由和副将

「どうしても欲しかったこの賞を、今年も受賞できて少しホッとしています。どのチームも工夫してラグビー界を盛り上げていこうという機運の中で、この賞を受賞できて本当にうれしく思っています。また来シーズンもこの賞がいただけるように頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました」

フェアプレーチーム賞 三洋電機
  フェアプレーチーム賞 三洋電機
 
ベストファンサービス賞・神戸製鋼
  ベストファンサービス賞・神戸製鋼

トップリーグMVP
堀江翔太選手
(三洋電機ワイルドナイツ)
「頭が真っ白で。MVPの選手には、事前に知らされるものと思っていたので、今知ったばっかりで、ただただビックリです。試合に臨むときにはいつも一戦一戦、BKであろうがFWであろうが目の前に立った選手には絶対に負けないという想いで戦っています。それがこのMVPに繋がったと思います。また来年も、ぜひ狙いたいと思います。どうもありがとうございました」

MVP 堀江選手
  MVP 堀江選手

ベストキッカー賞
田邉選手
(三洋電機ワイルドナイツ)
「ベストキッカー賞を2年連続でいただけて、嬉しく思います。キッカーというのは、会場を静かにさせ独特の雰囲気を作ります。ラグビーは団体スポーツですが、キックはわかりやすく得点に繋がるプレーです。この2~3点というのが試合の結果を左右しますし、プレーオフなどの舞台では特に2~3点というのが大事になります。近年のトップリーグでは多くの海外スター選手がプレーしていますが、その中で日本人の私が受賞できたことで子どもたちに勇気を与えることができれば嬉しいです」

最多トライゲッター賞
小野澤選手
(サントリーサンゴリアス)
「こうしてトライを積み重ねられたのは、チームが掲げるアグレッシブ・アタッキングラグビーの結果だと思います。1つ1つフェイズを重ねてくれたチームメイトに感謝したいと思います。ありがとうございます」

ベストキッカー賞 田邉選手
  ベストキッカー賞 田邉選手
 
最多トライゲッター 小野澤選手
  最多トライゲッター 小野澤選手

得点王
オレニ・アイイ選手
(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
「みなさんこんにちは。この賞をいただけて大変光栄に思っております。トップリーグで選手の一員として戦えることを、非常に幸せに思っています。トップリーグに関わったすべての方にこの賞をいただけてお礼を申し上げたいと思いますし、またチームの選手達にもお礼を言いたいと思います。ありがとうございました」

新人賞
日和佐篤選手
(サントリーサンゴリアス)
「一生に一度しかもらえない賞をいただいて、本当にうれしく思っています。支えてくださった会社、チームメイト、家族、友人そしてサポーターの方々に感謝しています。ありがとうございました」

得点王 アイイ選手
  得点王 アイイ選手
 
新人賞 日和佐選手
  新人賞 日和佐選手

ベストホイッスル賞 平林泰三レフリー
  ベストホイッスル賞 平林泰三レフリー

ベストホイッスル賞
平林泰三レフリー
「このような名誉ある賞をいただき、サポートしてくださった多くの方々に感謝の気持ちと喜びの気持ちでいっぱいです。長く険しいトップリーグで今季は12試合を担当させていただき、本当に日本最高峰リーグであったと実感しています。トップリーグでは、各チームの日頃の練習の成果を見せてくれる高いスキルと素晴らしい戦術でいいラグビーを随所に見せていただきました。特に、試合の中での規律や反則に対する意識の高さというのは、我々レフリーがスムーズな試合進行をするために大きな要素になりました。我々は日頃は黒子ですので、こうして皆様の前に立ってお話する機会はなかなかございませんが、この場をお借りしてチームの皆様、日本協会、地域協会の皆様、トップリーグ運営に関わったレフリーの仲間たち、メディアの皆様、活動を支えてくださっているスポンサーの皆様、そして家族に心から感謝いたします。この賞を糧にしてまた日々精進し、微力ではございますが日本ラグビーの発展と強化に還元できればと思います。本日はありがとうございました」

ベストフィフティーン
  ベストフィフティーン

ベスト15

前列右から
◆プロップ1
東芝 久保知大選手
(初受賞)
「この場に立つことができて非常にうれしく思います。チームメイトやリーグ戦を戦ったチームの皆さんに感謝しています。ありがとうございます」
◆フッカー 
三洋電機 堀江翔太選手
(2年連続2回目)
「今年もベスト15に選ばれてうれしく思います。来年もまたこの場に立てるように精進して頑張っていきたいと思います」
◆プロップ3 
サントリー 畠山健介選手
(3年連続3回目)
「このような名誉ある賞をいただいて大変うれしく思います。チームスタッフ、チームメイト、そして応援していただいたファンの方に感謝したいと思います。特にどんなに厳しい状況でも黙って僕のお尻を押してくれたロックにはすごく感謝しています。来年もこの場に立てるように頑張りたいと思います」
◆ロック 
東芝 大野均選手
(5年連続6回目)
「今年もこの壇上にいられることを、非常に感謝しています。昨年まではチームの優勝と一緒の受賞だったのですが、今年はそのタイトルがないことがすごく寂しく感じています。来月からの日本選手権では、負けた東芝の怖さを感じさせる試合をしてチャンピオンに返り咲きたいと思っています。今日はありがとうございました」
◆ロック 
三洋電機 ダニエル・ヒーナン選手
(2年ぶり2回目)
「(日本語で)今日はありがとうございます。この賞はチーム全員を代表して受け取りたいと思います。ありがとうございました」
◆フランカー 
東芝 スティーブン・ベイツ選手
(3年連続3回目)
「(日本語で)みなさん、ありがとうございます。チームのメンバーありがとうございます」
◆フランカー 
トヨタ自動車 中山義孝選手
(初受賞)
=けがで欠席のため、司会代読
「名誉ある賞をいただき、ありがとうございます。毎年目標にしていたベスト15に選ばれたことを今回非常にうれしく思うとともに、その名に恥じないプレー、パフォーマンスをこれからも発揮できるようにならなくてはと身が引き締まる思いです。来年も選んでいただけるように努力を積み重ねていきたいと思います」
◆NO8 
三洋電機 ホラニ龍コリニアシ選手 (2年ぶり3回目)
「選んでいただいて感謝しています。これからも日本ラグビーの発展に貢献していきたいと思います。今日はありがとうございました」
後列右から
◆SH 
三洋電機 田中史朗選手
(2年ぶり3回目)
「昨季は選ばれなくて非常に残念だったのですが、今季選ばれてすごくうれしく思っています。今、ハーフも大型化している中で、こうして体の小さい僕が選ばれることで子どもたちに夢や希望を与えられたらと思っています。これからも選ばれるように頑張りたいと思います」
◆SO 
トヨタ自動車 オレニ・アイイ選手
(初受賞)
「(英語で)受賞を非常に光栄に思っております。先ほどの得点王に続き、トップ選手の多い中でこの賞をいただくことができました。この表彰式でいろいろな賞を受賞された選手の皆様、チームに対しておめでとうございますとお伝えしたいと思います。特に優勝された三洋電機の皆さん、昨日の試合は非常に素晴らしかったと思います。自分のチームに対しては、残る日本選手権にベストで臨んでいこうということを伝えたいと思います。(日本語で)ありがとうございました」
◆WTB 
サントリー 小野澤宏時選手
(6年連続7回目)
「チームメイトに感謝したいと思います。また選出されるように来年も頑張りたいと思います」
◆WTB 
三洋電機 山田章仁選手
(初受賞)
「もちろん三洋電機のメンバー、スタッフの皆さんに感謝したいと思います。この15人でどこかに遠征できたら、なんて思ったりもします。ありがとうございました」
◆CTB 
サントリー ライアン・ニコラス選手
(3年連続4回目)
「(日本語で)みなさん、こんにちは。昨日負けてしまいましたが、ベスト15に入ってとてもうれしいです。私の家族とチームメイトとコーチにも、いろいろなサポートありがとうございました」
◆CTB 
三洋電機 霜村誠一選手
(4年連続4回目)
「大変光栄に思います。今年で4回目の受賞になります。中でも今年が一番うれしいです。なぜかというと、過去3年間はトライをあげていたのですが、今年は実は1トライもしてないです。その中でディフェンス面や仕事面を評価していただけた、たまに『試合に出ていた?』と言われてしまうくらい目立たない僕を選んでくれた皆さんに感謝したいと思います。どうもありがとうございました」
◆FB 
三洋電機 田邉淳選手
(2年連続3回目)
「毎年思うのですが、この15人で一度試合をしてみたいなと思います。何か機会があれば、協会の方々よろしくお願いします」(三洋電機 山田選手も頭を下げる)

TRY for GREEN
水谷洋一・網走市長

「今日は大場脩 前網走市長と一緒に出席させていただいております。今年も、植林活動への募金を賜りましたことを、改めて感謝申し上げます。昨年よりこちらの募金をいただきながら網走で『トップリーグの森』という植樹活動をさせていただいております。1本1本の木が選手とチームの皆さんの汗と喜びの木なのですが、20年後30年後にそれが大きく育ち、子どもたちにこの森を通してノーサイドの精神、ラグビーの素晴らしさを広めていきたいと、そんな思いでいっぱいです。網走には多くの選手、チームの皆さんに合宿に来ていただいております。市長は代わりましたが合宿の開催にあたっては前市長よりしっかりと引き継いでおりますので、安心してまた網走に来ていただきたいと思っております。今年も多くの募金をいただきまして、ありがとうございました」

TRY for GREEN 網走市 水谷市長
  TRY for GREEN 網走市 水谷市長
 
アジア大会金メダルを獲得した男子7人制日本代表にも特別賞が
  アジア大会金メダルを獲得した男子7人制日本代表にも特別賞が

特別賞 7人制日本代表
宇薄岳央キャプテン
(東芝ブレイブルーパス)
「こんにちは。世間では今、サッカー日本代表がアジアカップ優勝ということで賑わっているのですが、僕たちもアジア大会を制しました(会場から拍手)。アジア大会で優勝するのに楽な試合は本当に1つもありませんでした。何でもっと社会の話題として取り上げてくれなかったのだろうと、ちょっと嫉妬してしまいました。でも、この優勝は今後のオリンピック、ワールドカップに絶対に繋がっていくと思います。これからもっと精進して頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました」

男子7人制日本代表
  男子7人制日本代表

特別賞 
松田努選手
(東芝ブレイブルーパス)
「今季はチームにけが人などが出た関係もあって、数多くの試合に出させてもらいました。トップリーグのいろいろなチーム、選手とグランドの上でラグビーができ、すごく刺激になりましたし、とても楽しかったです。また、僕が東芝に入るきっかけとなった、現7人制日本代表監督の村田亙さんの記録を抜いて最年長出場の記録を作れたこともうれしいことでした。そして、今季で引退を表明している神戸製鋼 大畑大介選手とも最後にグランドで戦えたことも、とても記憶に残っています。どうもありがとうございました」

功労賞
大畑大介選手
(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
「みなさんこんにちは。まずはじめに、大先輩であり尊敬する松田努先輩より先にこの賞をいただいてしまって申し訳なく思います。ただ、この受賞を本当に喜びたいと思います。今までラグビーを通して多くの皆さんに支えられてきました。本当に感謝しています。ありがとうございました。シーズン前に引退を表明し、イメージとは少し違う形での最後を迎えてしまいました。それでも最後に功労賞という賞をいただけたことは、これまでに自分がラグビーに向き合ってきた姿勢、歩んできた道が間違いではなかったと思います。本当に今、自分自身を褒められるような賞をいただけたと思います。これからは現役時代にはできなかった、引退選手にしかできない活動をしたいと思います。ラグビーはこれからもっともっと発展していかないといけない状況にあると思います。その中で、ラグビー界の発展に少しでも力になれたらと思っています。長い間、ありがとうございました。本当にお世話になりました」

特別賞 松田選手
  特別賞 松田選手
 
功労賞 大畑選手
  功労賞 大畑選手

功労賞
故 牛尾知行氏
(財団法人日本ラグビーフットボール協会 理事/九州ラグビーフットボール 協会 副会長/福岡県ラグビーフットボール協会 副会長)
(代理受賞 コメント 九州ラブビーフットボール協会 日野 康英理事長)
「栄えある功労賞をいただきました牛尾知行 九州ラグビーフットボール 協会 前副会長に代わりまして厚く御礼申し上げます。故人の選手時代につきましては、司会よりご紹介がありましたので省略し、九州のラグビー界で牛尾氏がどれだけ大きい存在であったかということを皆さんにお伝えしたいと思います。
牛尾さんの口癖は『気合いたい』で、このひとことで、非常に困難な状況でもスタッフが一心同体になって大会を成功させたということが何度もありました。自分の行動で引っ張っていくという素晴らしい方でした。ちょっと口が悪くて辛口という声もあるのですが、その言葉とは裏腹の優しい一面を持った方でした。66歳という早すぎた死でしたが、私たちは遺志を継ぎ2019年に向かって九州ラグビーが活性化し日本ラグビーがすばらしい成果を上げられるように頑張っていきたいと思います」

故牛尾氏に功労賞が日野九州エリアコミッショナーに手渡されました
  故牛尾氏への功労賞が日野・九州エリアコミッショナーに手渡されました

プレーオフMVP(山田選手)と、トップリーグMVP(堀江選手)。共に三洋電機ワイルドナイツ
  プレーオフMVP(山田選手=左)と、トップリーグMVP(堀江選手)。共に三洋電機ワイルドナイツ

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