●セカンドステージ第5節プレビュー

太田でパナソニック対サントリーの首位決戦
生き残りを懸けたグループBの熱い戦いも続く

	地元・太田にサントリーを迎えての首位決戦に臨むパナソニック。大黒柱SOバーンズのゲームメイクにも注目が集まる photo by Kenji Demura (RJP)
	サントリーにとっては調子を上げるSOピシの突破力も２シーズンぶりとなるパナソニック戦勝利のための鍵となりそうだ photo by Kenji Demura (RJP)
	前節、東芝に逆転負けのトヨタ自動車は４強への挑戦権を懸けてヤマハ発動機との対戦に臨む（写真はWTB彦坂匡） photo by Kenji Demura (RJP)
	福岡では前節共にセカンドステージ初白星を挙げたコカ・コーラと豊田自動織機が直接対決。宗像サニックスは近鉄を迎える photo by Kenji Demura (RJP)

11月28日にスタートしたセカンドステージも残り３節。
年内最後となる第５節も上位、下位グループ共に順位争いに直結する興味深いカードが目白押しだ。

セカンドステージに入って上位陣による星の潰し合いが続き、すでに全勝チームはなし。グループAではパナソニック ワイルドナイツ（勝ち点19）とサントリーサンゴリアス（同17）、東芝ブレイブルーパス（同16）の３チームが３勝１敗、神戸製鋼コベルコスティーラーズ（同14）、ヤマハ発動機ジュビロ（同12）、トヨタ自動車ヴェルブリッツ（同11）が２勝２敗と、戦国リーグの様相を呈している。

今節、上位陣同士の対戦で最も注目されるのは、首位パナソニックが２位サントリーをホームに迎える一戦だろう（12月28日13:00＝群馬・太田市運動公園陸上競技場）。
共にセカンドステージ第２節に、パナソニックは東芝に（13-33）、サントリーは神戸製鋼に（10-20）、力負け。
それでも、続く第３節でパナソニックが神戸製鋼に、サントリーが東芝にそれぞれ逆転勝ちし、第４節は共に快勝。
調子を取り戻した状況での決戦となる。

パナソニックとしては前節のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦ではHO堀江翔太主将が欠場、PRホラニ龍シオアペラトゥーが負傷退場するなど、ケガ人の状況がやや気になるところ。

SH日和佐篤、SO小野晃征、CTB松島幸太朗といった日本代表組が復帰して、キレ味が戻ってきているサントリーのアタッキングラグビーがパナソニックのディフェンス網を打ち破れるかが勝負を分けるポイントになることは間違いないだろう。
サントリーにとっては、昨季セカンドステージ（13-42）、プレーオフファイナル（22-45）と、いずれも完敗したパナソニックに対するリベンジ戦となる。

27日に静岡・ヤマハスタジアム（磐田＝13:00）で行われる５位ヤマハ発動機対６位トヨタ自動車戦は４強へのチャレンジを懸けたサバイバルマッチと言ってもいい一戦。
前節では、ヤマハ発動機が神戸製鋼、トヨタ自動車が東芝という昨季のベスト４チームと対戦して完敗。
ここで連敗するとプレーオフ進出が遠のくのは間違いないだけに、両者一歩も引かない激しい一戦が期待できそうだ。

一方、前節４強チャレンジャーたちの挑戦を退けた東芝と神戸製鋼は、キヤノンイーグルス、NTTコムという新興勢力と対戦（キヤノン - 東芝＝28日13:00、東京・町田市立野津田公園陸上競技場）、神戸製鋼 - NTTコム＝27日13:00、兵庫・ノエビアスタジアム神戸）。
しっかり勝ち点を挙げて、４位以内のポジションを揺るぎないものにしたいところだ。

28日の東京・秩父宮にはグループB４強が集結

グループBの降格を避けるための戦いも熾烈さを増している。

前節では、それまでセカンドステージで白星のなかった豊田自動織機シャトルズとコカ・コーラレッドスパークスがそれぞれ勝ち星を挙げたが、今節はその両チームが直接対決（28日14:00　福岡・レベルファイブスタジアム）。
勝てばグループB４位以内に与えられるワイルドカードトーナメント出場権獲得の芽も出てくる一方で、負ければ降格の可能性も高まるだけに、生き残りをかけた激しい試合となりそうだ。

前節で豊田自動織機に完敗し（14-46）、セカンドステージ未勝利の宗像サニックスブルースは同じくレベスタで近鉄ライナーズと対戦（28日、11:40）。
このところ、前半と後半で大きく内容が異なってしまう試合が多いこともあり、藤井雄一郎部長兼監督は「できるだけ（前後半）両方いい試合ができるようにしたい」と、バラつきの少ない安定したパフォーマンスで、自動降格圏である最下位からの脱出を目指す。

グループBでも全勝チームはすでになく、リコーブラックラムズ（勝ち点19）、クボタスピアーズ（同18）、NECグリーンロケッツ（同18）、NTTドコモレッドハリケーンズ（同16）が３勝１敗。
このグループBの４強は28日に東京・秩父宮ラグビー場に集結し、NEC対NTTドコモ（11:40）、クボタ対リコー（14:00）のカードで対戦。

５位で２勝２敗の近鉄ライナーズも勝ち点では15と４強に迫っているだけに、上位チームとしてもライバルチームとの直接対決をものにして、４位以内に与えられるワイルドカードトーナメント進出に向けた大きな１勝をものにしたい。

（text by Kenji Demura）