トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

特別編「プレーオフトーナメント セミファイル」(1/19 - 1/20)

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見どころ

東芝が攻め切るのか、パナソニックが切り返すのか
とびきり濃厚な80分間のフィジカルバトルを見逃すな
 

 
 

リーグ戦終盤での好調ぶりを維持して、東芝は1年前のリベンジを果たせるか(ボールを持つのはNO8豊田主将)
photo by Kenji Demura (RJP)

パナソニックとしてはトライ王WTB 山田が数多くボールを持つ展開に持ち込みたい
photo by Kenji Demura (RJP)

 10年目を迎えたジャパンラグビー トップリーグの2012 - 2013シーズン王者を決めるプレーオフトーナメント セミファイナルが19、20日の2日間に渡って、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。
 プレーオフに勝ち残ったのは、サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス、パナソニック ワイルドナイツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズの4チーム。
 リーグ戦全勝でレギュラーシーズンを乗り切った昨季の王者サントリー対神戸製鋼、“因縁の対決”以外のなにものでもない東芝対パナソニックという顔合わせを勝ち抜いてファイナルに勝ち進むのは、どのチームか──。

 東芝が7季連続7度目、パナソニックは前身の三洋電機時代から数えて6季連続6度目。
 4強によるプレーオフが始まった06-07シーズン以来、常に頂点を巡る争いに参加してきた両チームにとって、今回のセミファイナルでの対戦は5度目のプレーオフでの顔合わせとなる(過去のプレーオフでの対戦は2勝2敗のタイ)。
 今季のリーグ戦では東芝が強力FWを前面に出した戦いぶりで32-22で勝利。
 ただし、昨季もリーグ戦最終節での対戦では東芝が59-25と圧勝したにもかかわらず、2週間後のセミファイナルの対戦では25-37で逆にパナソニックに敗れるなど、直近の試合内容でさえ、両雄対決の行く末の参考にはならなかったりもする。

「ここ2年間、セミファイナルで勝っていない。昨年はパナソニックに敗れて悔しい思いもしたので、リベンジをしたい」
 和田賢一監督の言葉通り、1年前の雪辱に燃える東芝は、ウインドウマンス明けの12月以降は強力FWがどんどん前に出て行くスタンディングラグビーで圧倒する試合が多くなり、調子を上げてのプレーオフ入りと見ていいだろう。
 メンバー的にも、ここ3試合先発出場が続いていたFLマイケル・リーチがスティーブン・ベイツと入れ替わった以外はほぼ不動のメンバーが並ぶ。

 一方のパナソニックは、ウインドウマンス明けのトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦こそHO堀江翔太、SH田中史朗のスーパーラグビー組が復帰した相乗効果もあって40-17で快勝したものの、第12節の神戸製鋼戦ではトライ数で下回った上での1点差勝利(25-24=12月23日)、最終節でもキヤノンイーグルスに対して前半を8−7で折り返すなど苦戦(44-4=1月6日)。
 いい内容の試合がなかなか続かない終盤戦を経てのプレーオフ入りとなった。
 メンバー的にも、すでにハイランダーズの練習に参加しているSH田中が戻ることができず(HO堀江はメンバー入り)、10月下旬に胸筋の手術をしたCTBソニー ビル・ウィリアムズもメンバーから外れた。

トップチャレンジ1 大詰め、ワイルドカードTもスタート

 1月8日に行われたプレーオフトーナメント開催発表記者会見の場で、両首脳陣にセミファイナルでのキープレーヤーを訊いたところ、奇しくも両チームとも豊田真人主将(東芝)、ホラニ龍コリニアシ副将(パナソニック)という同じポジション(NO8)のFWリーダーの名前が上がった。
「やっとキャプテンらしくなってきた。自分が体を張ることでFWを引っ張っていくことに期待したい」(東芝・和田監督)
「突破力もリーダーシップもあるホラニが戻ってくるのは大きい」(パナソニック・水間良武FWコーチ)

 恐らく、「真っ向勝負」(和田監督)を宣言する東芝が強力FWを前面に出しながら攻める時間帯が多くなるはずだが、その立ってつないでいくアタックにパナソニックDFがどこまで持ちこたえられるか。
「東芝さんとやる時はいつも肉弾戦になる」(水間コーチ)と、覚悟を決めているパナソニックとしては決死のDFで東芝のアタックを前で止めて、ブレイクダウンでのターンオーバーからトライ王WTB山田章仁を筆頭とする決定力のあるBK陣にボールが回るケースを増やしたいところ。
 いずれにしても、この10年間トップリーグをリードしてきた両雄によるとびきり濃厚な80分間となること請け合いだ。

 尚、東芝 - パナソニック戦の行われる20日には、大阪・近鉄花園ラグビー場でワイルドカードトーナメントがスタート。1回戦2試合(NECグリーンロケッツ対NTTコミュニケーションズシャイニングアークス、近鉄ライナーズ対リコーブラックラムズ)が組まれている。
 また、来季のトップリーグへの昇格チームを決めるトップチャレンジ1第3節2試合(クボタスピアーズ - 三菱重工相模原ダイナボアーズ、コカ・コーラウエストレッドスパークス - 豊田自動織機シャトルズ)も福岡レベルファイブスタジアムで予定されている。
 日本選手権出場をかけたワイルドカードT、来季の自動昇格チームが決まるトップチャレンジ1とも熱い戦いとなることが予想され、こちらも見逃せない。

(text by Kenji Demura)

 

激しく、強い東芝FWの象徴とも言えるLO大野。真っ向勝負で頂点を目指す
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昨季のセミファイナルではパナソニックが37-25で東芝に勝利。今季はどちらに軍配が上がるか
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ワイルドカード1回戦ではNECがNTTコムと、近鉄がリコーとそれぞれ対戦する
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トップチャレンジ1最終決戦は福岡で。コカ・コーラウエスト、クボタが昇格へ一歩リード
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見どころ

2週間前の対戦ではサントリーが攻撃力で圧倒
セットと接点で優位に立てれば神戸製鋼に勝機も
 

 
 

リーグ戦最終節ではサントリーが43-29で勝利。2週間を経ての再戦で勝者となるのは……
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昨季のプレーオフMVP、サントリーFLスミスの仕事ぶりも勝敗を分けるポイントに
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 10年目を迎えたジャパンラグビー トップリーグの2012 - 2013シーズン王者を決めるプレーオフトーナメント セミファイナルが19、20日の2日間に渡って、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。
 プレーオフに勝ち残ったのは、サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス、パナソニック ワイルドナイツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズの4チーム。
 リーグ戦全勝でレギュラーシーズンを乗り切った昨季の王者サントリー対神戸製鋼、“因縁の対決”以外のなにものでもない東芝対パナソニックという顔合わせを勝ち抜いてファイナルに勝ち進むのは、どのチームか──。

 土曜日に行われるのはサントリー - 神戸製鋼戦。4季ぶりにプレーオフに進んだ初代王者がディフェンディングチャンピオンに挑戦するかたちとなった両者の対戦は2週間前のリーグ戦最終節の再現でもある。
 リーグ戦の対戦では、立ち上がりから接点で優位に立ったサントリーの「アグレッシブ、アタッキングラグビー」が炸裂。ハーフタイムまでに4トライを奪って、前半だけでほぼ勝負を決める快勝ぶりだった。
 後半、神戸製鋼の大型FW陣にセットプレーやブレイクダウンでプレッシャーをかけられるシーンが多くなったこともあって、大久保直弥監督は「セットピースとブレイクダウンで80分間コンテストできるかという意味では、60%くらいかな」と辛口だったが、どんな状況でもボールさえ持てば、自分たちのアタックを貫けるスタイルは揺るぎない。

 最終節での対戦後に「いまの時点でセミファイナルのメンバーとして決まっているのは、ジョージだけ」と語っていたとおり、大久保監督も絶大な信頼を寄せるFLジョージ・スミスに加えて、セミファイナルでは3試合ぶりにSHフーリー・デュプレアも先発に復帰。
 試合を読む能力で世界トップの実力を誇る2人の助っ人が揃ってグラウンド上にいるサントリーが、ゲームコントロール能力においても分があることは否めない。
 2週間前のホームズスタジアム神戸でハットトリックを記録したとおり、今季トップリーグ通算100トライを記録したベテランWTB小野澤宏時が絶好調なのも心強い。

橋本、フーリーが復帰する神戸製鋼

 一方、リーグ戦終盤に東芝、パナソニック、サントリーと厳しい試合が3戦続き、ケガ人も多く出るかたちとなった神戸製鋼だが、セミファイナルで2人のキープレーヤーが復帰するのは明るい材料だ。
 密集回りで圧倒的な仕事量を誇るFL橋本大輝主将と、ひとりで試合を決める能力があると言っても過言ではないCTBジャック・フーリー。
 2週間前の敗因に関して、苑田右二ヘッドコーチは「前半、ファーストタックラーがファイトできずに、ブレイクダウンで食い込まれたのが全て」と語っていたが、FL橋本主将が率先するかたちで攻守に前に出られるようになれば、それだけ勝機が広がることは間違いないところ。

 もう1点、神戸製鋼が2週間で勝敗を引っくり返すためのポイントを挙げるとするなら、セットプレーということになる。
 サントリーの大久保監督が「(最終節の対戦では)後半、神戸製鋼さんの大きなFWにボールを持たせてもらえなかった。セットをはじめFW、特にタイトファイブ(前5人)がいかに奮起するか」と語るとおり、後半の40分間に関しては、大型FWを前面に出した神戸製鋼が優位に試合を運ぶ時間帯が多かった(スコアでも後半は21-14と神戸製鋼が上回った)。
 当然、セミファイナルの再戦では「セットでプレッシャーをかけて、ブレイクダウンでスローダウンさせる」(LO伊藤鐘史)スタイルを80分間続けたいところ。
 3試合ぶりに先発復帰する、ボールキャリー能力の高い左PR安江祥光がいかにスクラムを安定させられるかもポイントになりそうだ。
 大雪の影響もあって、グラウンドコンディションが良好とは言えない中での対戦となることも予想されるが、神戸製鋼としてはSO森田恭平のロングキックでエリアマネージメントの面でも優位に試合を進めたいところだろう。

(text by Kenji Demura)

 

2週間前に3トライを挙げたサントリーWTB小野澤は再び試合を決めるトライを奪えるか
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FL橋本主将が復帰する神戸製鋼FWは接点で対等以上に戦えるか
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3試合ぶりに復帰する神戸製鋼CTBフーリーにかかる期待は大きい
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チケット

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場 チケット
1/19(土) 14:00 サントリーサンゴリアス 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 秩父宮 チケット
1/20(日) 14:00 パナソニック ワイルドナイツ 東芝ブレイブルーパス 秩父宮 チケット
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