[2月15日、トップリーグ入替戦]
NTTコム、NTTドコモのトップリーグ勢に
Honda HEATと横河電機が昇格を賭けて挑戦!
NTTコムはトップリーグで厳しい戦いを続けてきた経験値の違いを見せて残留を果たせるか(写真
はCTB山下) |
横河電機は日本人選手だけでトップリーグ昇格にチャレンジする(写真はWTB西副将) |
15日、来季トップリーグで戦う権利を賭けたラストバトルである入替戦2試合が、埼玉・熊谷スポーツ文化公園県営熊谷ラグビー場と大阪・近鉄花園ラグビー場で行われる。
熊谷ラグビー場に登場するのは、今季のトップリーグ13位(セカンドステージグループB5位)となったNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと、トップチャレンジ1で4位となった横河武蔵野アトラスターズ。
入替戦に登場の6チームの中では、最上位にランクされるチームと最下位にランクされるチームの対戦となる。
ファーストステージでは4勝3敗と勝ち越しながら、勝ち点差3で上位グループ入りを果たせず、セカンドステージでも同様に勝ち点差3でワイルドカードトーナメント出場を逃すなど、あと一歩のところで勝ち切れずに入替戦回りとなったNTTコム。
ファーストステージでトヨタ自動車ヴェルブリッツ、豊田自動織機シャトルズ、セカンドステージでクボタスピアーズと、いずれもワイルドカードトーナメント出場を果たした強豪チームを破っている実力から言っても、NTTコムの優位は動かない。
気になるのは、リーグ戦最終節の対近鉄ライナーズ戦で「ディフェンスでもアタックでも圧力を受けて、自分たちのやりたいラグビーができなかった」(WTB友井川拓主将)という完敗(14-38)を喫したことに象徴される通り、終盤調子を落としていたのが否めない点。そして、目標だったワイルドカードトーナメント出場が果たせなかったことによるモチベーションの低下あたりか。
「死にものぐるいでトップリーグにチームを残して、次につなげていきたい」
林雅人監督が代弁するような意識でチーム全体がまとまれば、取りこぼす確率はそれほどは多くはないだろう。
一方、入替戦史上最大の下克上を狙う横河電機は、1月に行われたトップチャレンジ1で、Honda、福岡サニックスブルーズ、三菱重工相模原ダイナボアーズ相手に3敗。それも、3試合で計256失点を喫するなど、大敗ばかりが続いた。
トップチャレンジシリーズ終了後に、山崎豪監督は「4月からディフェンスに焦点を絞って強化してきた。まずは1対1で止めること。さらに2人目のディフェンスにフォーカスして、3週間準備をしていきたい」と語っていたが、当然ながらまずはしっかりした防御で失点を最小に抑えることが、競った試合に持ち込む最低条件となる。
10-63で敗れた三菱重工相模原戦(トップチャレンジ1第3節)に関しても、HO川嶋雄亮主将は「日本人だけで試合をしていれば勝っていた」と語っていたが、海外出身者に頼らない和製チームがどんなチャレンジを見せるのか注目される。
WTBボンボを先発させるNTTドコモは最初からトライを量産してのトップリーグ残留を狙う? |
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トップリーグ復帰を狙うHondaにとってはまずはFWの戦いぶりがキーに(写真はNO8中田) |
11〜12年のTL開幕戦では引き分け!
NTTドコモ対Hondaは近鉄花園で
3年連続して近鉄花園での入替戦にトップリーグ残留を賭けることになったNTTドコモ。セカンドステージ第5節まで5連敗(ファーストステージも合わせると10連敗)と、一時は自動降格の恐れもあったが、終盤2連勝して15位となり、何とか入替戦出場の権利を得てレギュラーシーズンを終えている。
16チーム中15位と成績自体は下位に沈んだものの、敗れた試合も接戦に持ち込んだケースも少なくなく、「春から取り組んできたフィジカル面を強化して、FWを中心に前に出ていくことができるようになってきた」(下沖正博ヘッドコーチ)と手応えをつかんだシーズンともなった。
NO8箕内拓郎・元日本代表主将を筆頭に数々の修羅場を乗り越えてきた経験豊かな選手も多く、リーグ戦終盤で見せたソリッドなプレーを続けられれば、3年連続での入替戦勝利をものにする可能性は高いと言っていいだろう。
3年ぶりのトップリーグ復帰を目指すHondaとしても、「セットプレーは間違いなくキーになる」と、藤本知明ヘッドコーチが語るとおり、まずはFW戦で優位に立ちたいところ。
その上で「スペーシングをしっかり意識したディフェンス」(同コーチ)で僅差の勝負に持ち込みたいところだ。
両チームは11〜12年のシーズンにトップリーグ開幕戦で対戦し、19-19で引き分けている。
(text by Kenji Demura)