トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

特別編「ワイルドカードトーナメント 1回戦」(2/1 - 2/2)

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見どころ

[2月2日、愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場]

ダークホースに名乗りを上げるのはどのチーム?
キヤノン - 近鉄、トヨタ自動車 - リコーの好カード
 

セカンドステージ上位グル—プで戦った経験を生かしたいキヤノン(写真はリーグ戦8トライのWTB原田)
photo by Kenji Demura (RJP)

 
 

アタック面での支柱となる指令塔SO重光の復帰は近鉄にとって大きなプラスに
photo by Kenji Demura (RJP)

インパクトがあってワークレートの高いリコーNO8ブロードハーストは対戦相手にとってはやっかいだ
photo by Kenji Demura (RJP)

先発フル出場した最後の3試合で3連勝。WCでのトヨタ自動車のキーマンになりそうなSO文字
photo by Kenji Demura (RJP)

セカンドステージのグループAの5〜8位と、同グループBの1〜4位の計8チームが参加する、日本選手権出場権をめぐる熱い戦い=ワイルドカードトーナメント1回戦。

2月1日に大阪・近鉄花園ラグビー場で行われる2試合に続いて、翌2日には愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場で、キヤノンイーグルス(A7位)対近鉄ライナーズ(B2位)、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(A6位)対リコーブラックラムズ(B3位)の2試合が予定されている。

トップリーグ昇格2年目だった今季のキヤノンは、ファーストステージ第2節でパナソニック ワイルドナイツを破る大金星を挙げ、同最終節でもヤマハ発動機ジュビロに快勝して、セカンドステージを上位グループであるグループAで戦う権利を勝ち取ったことに象徴されるように、チームとして攻守に着実にステップアップした姿を披露してきた。
セカンドステージ前半戦でも、第1節でNECグリーンロケッツに競り勝ち、第2節の東芝ブレイブルーパス戦も2点差で敗れたもののトライ数では上回るなど、内容のある試合を続けていたが、第4節で神戸製鋼コベルコスティーラーズに大敗(18-49)したあたりから、やや失速。最終的には1勝6敗の7位でグループAの戦いを終えた。
「我々が開幕に照準を合わせないといけないのに対して、常勝チームはピークをシーズン終盤に持っていくことができる」
シーズン序盤に永友洋司監督はそんなふうに上位陣との違いを説明していたが、同監督が目指す「ウィニングカルチャーづくり」のためにも、セカンドステージをグループAで戦えた後のワイルドカードトーナメントでどんな戦いをしていくかは、将来的なチームの成長という意味でも大きいはず。

セカンドステージ最終戦の対トヨタ自動車戦に敗れた後、WTB和田拓主将は「ブレイクダウンで押し込まれた」と語っていたが、まずはコンタクトエリアでしっかり戦えるかがポイントか。

対する近鉄はキヤノンとは対照的に、ファーストステージ初戦でパナソニックに0-46と大敗したことに象徴されるように、スタートダッシュに失敗。
同第4節ではキヤノンにも18-17で惜敗するなど、2勝5敗で同プールB6位に沈んだ。
それでも、セカンドステージに入ると、持ち前のブレイクダウンでしっかりファイトした上でターンオーバーなどからボールを動かしてアタックしていくスタイルが見られるようになり、調子は上がっている印象だ。
「まだ、ミスで自滅して継続できていないのと、ディシプリンの部分」(前田隆介監督)がワイルドカードトーナメントでの課題か。
セカンドステージ最終節は欠場した、アタックにおけるキーマンとなるSO重光泰昌が復帰するのは大きなプラスとなる。

ファーストステージ最終節のNEC戦で快勝して、同プールAで4位となり辛うじてセカンドステージをグループAで戦う権利を得たトヨタ自動車だったが、そのセカンドステージでは第4節までに“4強”相手にいずれもボーナスポイントを挙げられずに4連敗。早々にプレーオフ争いから脱落するかたちとなった。

それでも、終盤は第5節でヤマハ発動機に大勝(41-16)するなど、3連勝。
調子を上げてのワイルドカードトーナメント入りとなることは間違いなく、元々戦力は揃っているだけに日本選手権に向けてのダークホースになる可能性も十分ある。
「(4連敗の時点でも)内容的には悲観的になってはいなかった。リーダーを中心にしっかりまとまることができるようになったのが3連勝につながった」(廣瀬佳司監督)
キャメロン・マッキンタイアーのケガもあって、セカンドステージ終盤3試合は文字隆也がSOに固定されて結果を残しているが、待望久しい日本人指令塔が一発勝負のトーナメント戦でどんなゲームメイクを見せるのかもトヨタ自動車のポストレギュラーシーズンを左右しそうだ。

開幕ゲームで前半17-5とリードしながらコカ・コーラウエストレッドスパークスに引き分けに持ち込まれたり、第2節では21点差をひっくり返されてヤマハ発動機に逆転負けを喫したことなども響いて、ファーストステージでは1勝のみに終わったリコー。
グループBで戦ったセカンドステージでは、下位チームに敗れる試合もあった反面、最終戦でクボタスピアーズに快勝したことに象徴されるように、調子自体は上がってのワイルドカードトーナメント入りとなる。
「(クボタ戦では)ブレイクダウンとセットプレーが良かった」(CTB/WTB小松大祐主将)
「セットプレーのクォリティとブレイクダウンでのアグレッシブさを継続できれば上位チームにも通用する」(神鳥裕之監督)
首脳陣がそんなふうに語るとおり、セカンドステージ(グループB)でのトライ数も豊田自動織機シャトルズに1個及ばなかったものの28個で2位という決定力を誇るだけに、しっかりしたボールキープからテンポいい球出しができるかが鍵になりそうだ。
NO8/FLマイケル・ブロードハースト、CTBタマティ・エリソンなど、中核としてしっかり仕事をする海外出身選手も揃うだけに、こちらもトヨタ自動車同様ダークホースになる可能性は十分だ。

今季のワイルドカードトーナメントは2月1、2日の2日間にわたって行われる1回戦4試合を勝ち抜いた4チームが、8日に予定されている2回戦に進み、そこで勝ち上がった2チームが日本選手権出場権を得る。

(text by Kenji Demura)

見どころ

[2月1日、大阪・近鉄花園ラグビー場]

NEC対クボタのフィジカルバトルの行く末は?
初WCの豊田自動織機はヤマハ発動機に挑戦
 

4強入りを果たせなかったリベンジを狙うヤマハ発動機は豊田自動織機と対戦(写真はFB五郎丸)
photo by Kenji Demura (RJP)

 
 

レギュラーシーズン前半戦を盛り上げた”強いNEC”の復活はあるのか(写真はSO田村)
photo by Kenji Demura (RJP)

大黒柱SO/CTB立川抜きでNECにチャレンジするクボタ(写真はCTBマプスア)
photo by Kenji Demura (RJP)

日本選手権出場権をめぐる熱い戦い=ワイルドカードトーナメント1回戦は2月1日に大阪・近鉄花園ラグビー場で2試合、翌2日に愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場で2試合の計4試合が行われる。

セカンドステージのグループAの5〜8位と、同グループBの1〜4位の計8チームが参加。1回戦を勝ち抜いた4チームが8日に予定されている2回戦に進み、そこで勝ち上がった2チームが日本選手権出場権を得る。

1日に近鉄花園で予定されているのは、NECグリーンロケッツ(A8位)対クボタスピアーズ(B1位)、ヤマハ発動機ジュビロ対(A5位)対豊田自動織機シャトルズ(B4位)の2試合。

9月14日の第3節でサントリーサンゴリアスに対して劇的な逆転勝利を収めるなど、シーズン前半戦のファーストステージでは快進撃の続いたNECだが、セカンドステージではまさかの全敗。
ファーストステージ最終戦のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦も含めて現在8連敗中だ。
ただし、セカンドステージ終盤戦は最終節のパナソニック ワイルドナイツ戦では前半をリードして折り返すなど競った試合を続けており、チーム状態は上向きにあるとみていいだろう。
ファーストステージで指令塔に起用し、安定したプレーでチームの快進撃に貢献したウェブ将武を、セカンドステージ後半戦からはFBに下げ(1日はリザーブスタート)、フレアー溢れるプレーが持ち味の田村優をSOに上げる陣を敷くようになってから、攻撃の幅が広がっているのも確か。
「FWが劣勢でも状況を変えられるようなプレーをしていきたい」と田村自身は言うが、まずはNECらしくFW陣が同じようにコンタクトエリアでの激しさが特徴のクボタに対して、ブレイクの攻防で上回れるかがポイントになりそうだ。

対するクボタはレギュラーシーズンを通してチームを引っ張り続けたSO/CTB立川理道がスーパーラグビーのブランビーズに参加するため不在となる。
ファーストステージでは先発出場も多かったSO高橋銀太郎がプレッシャーのかかる10番に戻る他、CTBセイララ・マスプア、同カトニ・オツコロ、FBサム・ノートンナイトなどの経験豊かな海外出身選手で穴を埋めて行くことになるが、何よりもまずは前述どおりブレイクダウンやセットプレーでの優劣が試合の趨勢を左右することは間違いないところ。
「(セカンドステージ最終節でリコーに)ディフェンスを打ち破られた点は修正していかなければいけない」(石倉俊二監督)のも確かだろう。

“スーパーブーツ”五郎丸のキックにも注目

第2試合に予定されているのは、あと一歩のところでプレーオフ進出を逃したヤマハ発動機と、ワイルドカード最後のひと枠に滑り込んだ豊田自動織機の対戦。
ヤマハ発動機は、ファーストステージでは最終節でキヤノンイーグルスに敗れるまで無敗。セカンドステージ前半戦でも第1節でパナソニックに惜敗(20-24)した以外は白星を重ねたが、第5節でトヨタ自動車に対してまさかの大敗(16-41)を喫してから3連敗。
最終節でサントリーをあと一歩のところまで追い詰めた(22-19)ものの、4強から滑り落ちる結果となった。

 
 

豊田自動降格織機にとっては初のワイルドカードT(写真は”古巣”ヤマハ発動機との対戦となるSO/CTB大西)
photo by Kenji Demura (RJP)

ファーストステージで東芝ブレイブルーパスを圧倒し(33-17)、パナソニックとは引き分け(13-13)。セカンドステージでも神戸製鋼コベルコスティーラーズに大勝して(35-16)、サントリーにも肉薄するなど、レギュラーシーズンを盛り上げたヤマハ発動機にとっては、プレーオフ進出が果たせなかった悔しさを晴らすリベンジシリーズとなる。

4強チームと比べると戦力層という意味ではほんの少しだけ劣る面のあるだけに、激しい戦いが続いたレギュラーシーズンで疲労が蓄積した主力選手たちの状態がどれくらいリカバリーできているかもポイントか。

2週間前のサントリー戦では、勝ち点5獲得のためPGを狙わないゲームプランで臨んだが、ワイルドカード〜日本選手権と続くトーナメント戦では、清宮克幸をして「スーパーブーツ」と言わしめるFB五郎丸歩を擁するアドバンテージも大いに生かされるはずだ。

豊田自動織機は、セカンドステージ最終節では自動降格の瀬戸際に追い込まれていたNTTドコモレッドハリケーンズの気迫に飲まれるかたちで大敗(12-38)したものの、同2節から5節までいずれもボーナスポイントを加えながら4連勝した貯金を生かすかたちで、初のワイルドカードトーナメント進出を果たした。
「トライを取り切れるという自信がついてきたし、逆に相手が得点したいと思う場面でしっかりディフェンスできるようになってきた」と田村誠監督がシーズンを通しての成長に手応えを語るとおり、チャンスを確実にものにして、守るべきところで守る力がついてきたのは間違いないところ。
SO/FBマーク・ジェラードという超人的な活躍を見せる外国人選手の存在もあり、一気にトライを取り切る能力では上位陣にひけを取らないだけに、セットプレーやディフェンスで粘れればワイルドカード最上位の位置づけにあるヤマハ発動機に対する強烈なアップセットも見えてくる。

(text by Kenji Demura)

チケット

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場 チケット
2/1(土) 12:00 NECグリーンロケッツ クボタスピアーズ 近鉄花園 チケット
2/1(土) 14:05 ヤマハ発動機ジュビロ 豊田自動織機シャトルズ 近鉄花園 チケット
2/2(日) 12:00 キヤノンイーグルス 近鉄ライナーズ 瑞穂 チケット
2/2(日) 14:20 トヨタ自動車ヴェルブリッツ リコーブラックラムズ 瑞穂 チケット
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