トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

ファーストステージ 第3節(9/13 - 9/15)

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試合結果

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場
9/13(金) 19:00 リコーブラックラムズ 25-20 キヤノンイーグルス 秩父宮
9/14(土) 16:00 クボタスピアーズ 20-22 東芝ブレイブルーパス ニッパ球
9/14(土) 17:00 近鉄ライナーズ 34-14 コカ・コーラウエストレッドスパークス 長居ス
9/14(土) 18:00 ヤマハ発動機ジュビロ 13-13 パナソニック ワイルドナイツ ヤマハ
9/14(土) 19:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 48-3 NTTドコモレッドハリケーンズ 長居ス
9/14(土) 19:00 NECグリーンロケッツ 34-33 サントリーサンゴリアス 秩父宮
9/15(日) 15:00 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 28-26 豊田自動織機シャトルズ 宮城ス
9/15(日) 17:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 17-6 九州電力キューデンヴォルテクス 宮城ス

速報サマリー

[1stステージ・第3節 9月15日]

NTTコムが今季初勝利。豊田自動織機は3度目の惜敗
トヨタ自動車は粘る九州電力を終盤引き離して2勝目

自ら2本のトライを奪い、チームを勝利に導いたNTTコムWTB友井川主将(写真は前半17分のトライ)
photo by Kenji Demura (RJP)

15日、宮城スタジアムでトップリーグ第3節2試合が行われ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスとトヨタ自動車ヴェルブリッツがそれぞれ際どく勝利をものにした。

第1試合に登場したのは、ともに今季まだ勝ち星のないNTTコムと豊田自動織機シャトルズ。
前半、NO8ライアン・カンコウスキー、FBマーク・ジェラードというチームの柱となる外国人選手の活躍もあって、「やりたいラグビーができた」(高田裕雅ゲームキャプテン)という豊田自動織機が3トライを奪いリード(19-14)。

後半に入ると、「セットプレーでプレッシャーをかけていく」(林雅人監督)という本来の戦いを取り戻したNTTコムが敵陣で攻める時間帯が多くなる。20分にラインアウトを起点にWTB友井川拓主将、30分に敵ゴール前スクラムでプレッシャーをかけて途中出場のFLトッド・クレバーとトライを重ねて、際どく逆転。28-26で豊田自動織機を振り切った。
第3節にして初勝利のNTTコムは一気に勝ち点5をゲット。

一方、後半、PGで加点するチャンスに「2人のキッカーが足を痛めて、蹴られる状態ではなかった」(田村誠監督)という不運もあって、3たび惜しい一戦を落としたかっこうの豊田自動織機もボーナスポイントによる勝ち点を獲得。まだ勝ち星はないものの、ここまでの総勝ち点をNTTコムと並ぶ、「5」とした。

第2試合では、足下もボールも滑る悪条件もあってハンドリングエラーなどミスの目立ったトヨタ自動車が、九州電力キューデンヴォルテクスの粘りのDFをなかなか崩せず、ロースコアの試合展開へ。
「全般的にはゲームを支配できていた」(廣瀬佳司監督)とはいうものの、開始3分のFB水野弘貴のトライの後、70分間以上トライはなし。ようやく、試合終了5分前にWTB和田耕二のトライで九州電力を引き離して17-6で逃げ切り、総勝ち点は8に伸ばした。

一方、3戦3敗(勝ち点0)と厳しい序盤戦となった九州電力だが「1戦目よりも2戦目、2戦目より3戦目の方が内容は良くなっている。DFの粘りが出てきた」(平田輝志監督)と、中盤戦以降での浮上に手応えを感じた部分もある敗戦となった。

■今日のマン・オブ・ザ・マッチ
 水野弘貴(トヨタ自動車FB)
「BKのハンドリングエラーが多く、FWにしんどい思いをさせてしまった。ボールを持って走るのはもちろん、キックを使ったり、ミッドフィールドでの判断を良くして、FWを前に出してあげられるようにしていきたい」

(text by Kenji Demura)

 

カイノ、マッキンタイアー、菊谷を欠いたトヨタ自動車は九州電力のDFに苦しみながら17-6で勝利
photo by Kenji Demura (RJP)

マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたトヨタ自動車FB水野
photo by Kenji Demura (RJP)

[1stステージ・第3節 9月14日]

NECがサントリーに劇的な逆転勝ち。王者の連勝は25でストップ
ヤマハ発動機 - パナソニックは引き分け。東芝、神戸製鋼は全勝守る

劇的な逆転勝ちで王者サントリーを破り、喜びを爆発させるNECの選手たち
photo by Kenji Demura (RJP)

終了1分前のWTBナドロのトライ(写真)とCTB田村のゴールでNECがサントリーに逆転勝ち
photo by Kenji Demura (RJP)

14日、トップリーグ第3節、5試合が行われ、各地で昨季の下位陣が上位陣を苦しめる熱戦が相次いだ。
東京・秩父宮ラグビー場では、試合終了間際のWTBネマニ・ナドロのトライとロスタイムのCTB田村優のゴールでNECグリーンロケッツがサントリーサンゴリアスに34-33で劇的な逆転勝ち。
王者サントリーの敗戦は12年1月22日、東芝戦以来。日本選手権も含めた公式戦の連勝は25でストップした。

「とにかく動き出しで勝つ」(FL浅野良太主将)意識で一丸となったNECは、立ち上がりから攻守に前によく出て、王者を圧倒。
前半24分までに2トライ、1ゴール、2PGを挙げて、18-0と大きくリードした。
「入りのところで受けてしまった」(LO真壁伸弥主将)というサントリーも時間の経過と共に自分たちのアタッキングラグビーを取り戻すことに成功。後半33分までに5トライを重ねて、残り5分を切った時点でサントリーのリードは9点(33-24)。
敗戦濃厚かと思われたNECだが、終了4分前にCTB田村がPGを決めて、6点差とした後「普段よりも近場を攻めることを意識した」というグレッグ・クーパーヘッドコーチの指示通りに、ゴール前ラックからWTBナドロがサントリーゴールに飛び込み「さすがに緊張した」という田村がゴールを決めて、王者を沈めた。

静岡・ヤマハスタジアム(磐田)では、後半37分のNO8堀江恭佑のトライ、同38分のFB五郎丸歩のゴールで同点に追いついたヤマハ発動機ジュビロがパナソニック ワイルドナイツと13-13の引き分け。
ヤマハ発動機は無敗を守り、パナソニックは前節のキヤノン戦に続いて厳しい結果となった。

神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場では、昇格組のクボタスピアーズの激しいプレーに苦しみながら東芝ブレイブルーパスが後半36分のFBクーパ・ブーナのトライで辛くも22-20で逆転勝ち。全勝を守った。

大阪・長居スタジアムでは、近鉄ライナーズがコカ・コーラウエストレッドスパークスに34-14、神戸製鋼コベルコスティーラーズがNTTドコモレッドハリケーンズに48-3で、それぞれ快勝。
神戸製鋼は3勝全勝、近鉄は今季初白星を挙げた。

■今日のマン・オブ・ザ・マッチ
 田村優(NEC CTB)
「(逆転がかかった)最後のゴールキックはさすがに緊張した。DFではミスもあったが、アタックではチームをいい方向に持っていくことができた」

(text by Kenji Demura)

劇的な逆転ゴール(写真)を決めたNECのCTB田村はMOMに選ばれた
photo by Kenji Demura (RJP)

[1stステージ・第3節 9月13日]

攻守に前に出てプレッシャーをかけたリコーが今季初白星
ミスの目立ったキヤノンもラストプレーで勝ち点1獲得

<東京・秩父宮ラグビー場>
リコーブラックラムズ 25-20 キヤノンイーグルス(プールB)

後半17分、スクラムから突破したリコーNO8野口ゲームキャプテンがトライ
photo by Kenji Demura (RJP)

13日、東京・秩父宮ラグビー場でトップリーグ1stステージ第3節、リコー - キヤノン戦が行われ、終始攻守に前に出続けたリコーが後半主導権を握って25-20で勝利した。リコーは今季初白星を挙げると共に、2年連続でライバル企業同士による“精密機器"ダービーを制した。

今季最多の1万人近い大観衆が見つめる中、前半はお互いにミスが目立ち、PG1本ずつによる3-3で折り返した。
後半に入ると、「終始ディフェンスがしっかりしていたし、ゴール前で取り切れた」(NO8野口真寛ゲームキャプテン)というリコーが、一気にペースをつかんで、後半24分までに2トライ、2PGによる16得点を加えて19-3とリードした。
キヤノンに終盤2トライなどを奪われて5点差に迫られたものの、リコーにとっては「ここまで課題だった後半のディフェンスを修正できた。このレベルのディフェンスをすればトップリーグでも勝っていける」(神鳥裕之監督)という手応えをつかむ、意義の大きな勝利となった。

前節でパナソニック ワイルドナイツから歴史的金星を挙げたキヤノンは、この日も元オールブラックのSOアイザイア・トエアバを中心に立ち上がりから積極的にボールを動かしたが、「リコーのプレッシャーにミスをおかしてしまった」(永友洋司監督)ことが響いた。
それでも、ロスタイムに相手ボールのスクラムで得たFKからトライを奪い、「セカンドステージを上位グループで戦うためには大きなポイントになるかもしれない」(永友監督)という勝ち点1を獲得したのが救いだった。

■今日のマン・オブ・ザ・マッチ
 野口真寛(リコーNO8)

後半17分にスクラムで押し込んだ後に相手選手を吹き飛ばしてチーム初トライ。同24分のWTB星野将利のトライの際も大きくゲインするなど、マン・オブ・ザ・マッチに相応しい働きをみせた。
「トエアバのことは意識していたが、それよりもまずは自分たちがやってきたことをやろうという気持ちだった」

(text by Kenji Demura)

DFを修正したリコーがライバルのキヤノンにプレッシャーをかけて今季初勝利
photo by Kenji Demura (RJP)

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