トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

ファーストステージ 第5節(10/5 - 10/6)

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試合結果

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場
10/5(土) 12:00 NTTドコモレッドハリケーンズ 17-28 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 近鉄花園
10/5(土) 13:00 パナソニック ワイルドナイツ 39-5 コカ・コーラウエストレッドスパークス 熊谷
10/5(土) 13:00 九州電力キューデンヴォルテクス 15-28 NECグリーンロケッツ ニンスタ
10/5(土) 14:00 近鉄ライナーズ 35-19 リコーブラックラムズ 近鉄花園
10/6(日) 12:00 豊田自動織機シャトルズ 17-24 サントリーサンゴリアス 近鉄花園
10/6(日) 12:00 キヤノンイーグルス 24-37 クボタスピアーズ 盛岡南
10/6(日) 14:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 10-43 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 近鉄花園
10/6(日) 14:00 東芝ブレイブルーパス 17-33 ヤマハ発動機ジュビロ 盛岡南

速報サマリー

[1stステージ・第5節 10月6日]

全勝だった神戸製鋼と東芝が敗れ“戦国リーグ”化に拍車
ヤマハ発動機が無敗を守り、トヨタ自動車には復活の兆し

FW戦で圧倒したトヨタ自動車が神戸製鋼に快勝。4強争いへのサバイバルに成功した
photo by Kenji Demura (RJP)

6日、トップリーグ第5節4試合が行われ、前節まで全勝の神戸製鋼コベルコスティーラーズと東芝ブレイブルーパスが揃って敗れ、戦国リーグ状態に拍車がかかる状況となった。

2日連続でのトップリーグ開催となった大阪・近鉄花園ラグビー場の第2試合に登場した神戸製鋼は、「相手のプレッシャーを受けて焦った」とゲームキャプテンを務めたLO伊藤鐘史が振り返ったとおり、強力FWがトヨタ自動車ヴェルブリッツの圧力に後手に回る苦しい展開に。
前半20分のトヨタ自動車WTB彦坂匡克のトライを皮切りに、前半2トライ、後半4トライの計6トライを献上。

「ワン・オン・ワンのアタックで上に行ってしまった」
試合後、そんなふうに語った苑田右二ヘッドコーチの嘆きぶりを象徴するようなシーンは後半16分。
すでに先制トライに続いて、後半3分にもトライを奪っていたトヨタ自動車WTB彦坂がハーフウェイライン付近でボールを持つと、タックルに来る神戸製鋼ディフェンスを次々になぎ倒して、そのまま相手ゴールまで駆け抜けた。
「自分の持ち味は1対1で前に出られるところ。ボールをもらったら勝負しようと思っていた」という新人WTBは、さらに後半20分、33分にトライを重ね、なんと計5トライを稼ぐ韋駄天ぶり。
「今日負けたら、自力でのベスト4入りがなくなるというプレッシャーのかかる状況」(廣瀬佳司監督)という崖っぷちだったトヨタ自動車の救世主となった。

「セットプレーとディフェンスにフォーカスして、ボール所持時間を多くできたのが良かった。今日の戦い方をベースにあと2試合しっかり勝っていきたい」(廣瀬監督)
後半は神戸製鋼に得点を許さない完璧なラグビーを見せたトヨタ自動車が勝ち点を14に伸ばして4位となり、プールA4強入りへのサバイバルを大きくアピールする一戦となった。

神戸製鋼-トヨタ自動車戦に先立って行われた近鉄花園の第1試合では、昇格組の豊田自動織機シャトルズがリーグ2連覇中の王者サントリーサンゴリアスを追い詰めた。
「攻撃時間自体は五分五分だった」(田村誠監督)というとおり、立ち上がりからサントリーのお株を奪うようなアタッキングラグビーを展開。
前半こそ、ミスをつかれるかたちで3トライを重ねられたものの、後半は王者をノートライに抑える健闘ぶり。
前後半1トライを奪ったシーン以外にも、何度もサントリー陣深くまで攻め込んだものの、セットプレーの劣勢と「ラインブレイクの後、あとワンフェイズでトライというところでボールが取れない」(田村監督)ことが響いて、17-24で惜敗。
7点差以内の敗戦に与えられるボーナスポイント1だけは獲得したものの、サントリーLO真壁伸弥主将が「相手のミスのおかげで生き残れた」と言わざるを得ないほど王者を追い込んだだけに、豊田自動織機にとっては惜しい敗戦となった。

この結果、プールAはサントリーが勝ち点21で首位に立ち、前日、九州電力キューデンヴォルテクスに快勝したNECグリーンロケッツが2位、勝ち点を挙げられなかった神戸製鋼(勝ち点19)が3位に後退し、共に勝ち点14のトヨタ自動車とNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが4、5位に続くかたちとなっている。

一方、盛岡南公園球技場で行われたプールBの無敗対決では、後半4トライを重ねたヤマハ発動機ジュビロが鮮やかな逆転勝ち。前節まで全勝だった東芝ブレイブルーパスに勝ち点を与えない完璧な内容で33-17のスコアで勝利。
無敗を守ったヤマハ発動機は勝ち点を21に伸ばしてプールB1位となり、2、3位には勝ち点18でパナソニック ワイルドナイツと東芝が並ぶかっこうに。
また、盛岡南公園球技場の第1試合では、昇格組のクボタスピアーズがキヤノンイーグルスに37-24で快勝。この結果、プールBでは4位以下が近鉄ライナーズ(勝ち点12)、クボタ(同11)、キヤノン(同10)、リコーブラックラムズ(同8)と、4強入りの争いが熾烈な状況となっている。

■今日のマン・オブ・ザ・マッチ
 彦坂匡克(トヨタ自動車WTB)

5トライを奪う大活躍で文句なしの受賞。
「(セカンドステージで)上のリーグに行けるか崖っぷちの状況だった試合でチームに勢いをつけることができて嬉しい。ボールもらったら、とにかく勝負しようと心がけた」

(text by Kenji Demura)

 

前半20分に1本目のトライを決めるトヨタ自動車WTB彦坂匡克。5本のトライを奪い文句なしのMOMに
photo by Kenji Demura (RJP)

激しいダブルタックルでサントリーFL スミスのノックオンを誘う豊田自動織機 DF陣。善戦もあと1歩届かず
photo by Kenji Demura (RJP)

[1stステージ・第5節 10月5日]

NTTコム、近鉄が意義ある勝ち点5を獲得
パナソニック、NECの上位陣も順当勝ち

 

後半11分のSH鶴田のトライなど計4トライを奪いNTTダービーを制したNTTコムがプールA暫定4位に浮上
photo by Kenji Demura (RJP)

2トライを記録したNO8サモの活躍などで、計5トライを奪った近鉄が地元でリコーに快勝
photo by Kenji Demura (RJP)

5日、トップリーグ第5節4試合が行われた。
大阪・近鉄花園ラグビー場の開幕ゲームとなったNTTダービーは、立ち上がりから「FWがフィジカルにプレーしてくれた」(WTB友井川拓主将)というNTTコミュニケーションズシャイニングアークスがセットプレーとブレイクダウンでの優位性を生かして着実にトライを重ね、前半35分までに21-0と大きくリード。

NTTドコモも前半終了間際にモールからトライを奪って、後半の反撃に望みをつないだが、「2、3試合は決勝戦が続くつもりで、とにかく体を張ろう」という林雅人監督の指示を受けたNTTコムが後半11分に4トライ目を奪い、早くもボーナスポイントを獲得。
終盤、NTTドコモに2トライを許したものの、最終的には28-17で快勝した。
この結果、3勝2敗で勝ち点を14に伸ばしたNTTコムは直接対決で下したNTTドコモに代わってプールAで暫定4位に浮上。4強入りへ「夢をつなぐ」(林監督)かっこうとなった。

続く近鉄花園の第2試合にはホームチームの近鉄ライナーズが登場。
開幕から1勝3敗と苦しい戦いが続いていた近鉄は、この日もリコーブラックラムズ相手に「最初の15分、20分くらいは、ここ数試合のリプレーを見ているような最悪の立ち上がり」と前田隆介監督が振り返ったとおり、開始10分にリコーNO8マイケル・ブロードハーストに先制トライを許す苦しい展開。

それでも、時間の経過とともに、ケガから復帰したばかりで、前半40分間限定のプレーとなったCTBジェフリー・イエロメやNO8ラディキ・サモなどがゲインを重ねるシーンが多くなり、22分にイエロメが相手ゴールに迫った後、FL天満太進がリコーゴールに飛び込み同点(7-7)。
34分にサモ、38分にHO吉田伸介とトライを重ね、21-7とリードしてハーフタイムへ。
「ようやく前半リードするというプランどおりのイメージの展開に持ち込むことができた」(前田監督)という近鉄は後半開始早々に再びサモがリコーゴールを駆け抜けてボーナスポイントを獲得。
25分、32分とリコーにトライを奪われたものの、4トライ目は許さず、35-19で地元開幕ゲームを最高のかたちで飾った。
これで、近鉄は勝ち点を12に伸ばし、暫定ながらプールB4位に浮上した。

埼玉・熊谷スポーツ文化公園 県営熊谷ラグビー場では、計6トライを奪ったパナソニック ワイルドナイツが39-5でコカ・コーラウエストレッドスパークスに快勝して3勝目。

愛媛・ニンジニアスタジアム(愛媛県総合運動公園陸上競技場)では、前半3トライを奪ったNECグリーンロケッツが、後半、九州電力キューデンヴォルテクスに追い上げられたものの、28-15で振り切り、4勝目を挙げた。

■今日のマン・オブ・ザ・マッチ
 坂本和城(近鉄WTB)

「プールBは混戦になっているので、ボーナスポイントを取って、逆にリコーに1ポイントも与えなかったのは大きい。個人的にはもっとボールタッチを増やしていきたい」

(text by Kenji Demura)

今季初の地元・近鉄花園での試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた近鉄WTB坂本
photo by Kenji Demura (RJP)

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