トップリーグ前半戦総括

前半盛り上げたリコー、トヨタ
=首位東芝、強力FWが威力発揮=


トップリーグは前半戦を終えて、東芝府中ブレイブルーパス、トヨタ自動車ヴェルブリッツ、NECグリーンロケッツ、ヤマハ発動機(ジュビロ)の4チームが5勝1敗の勝ち点25で並んだが、総トライ数で東芝府中がトップに立ち、リーグ戦前の予想通り、混戦の様相を呈している。後半戦は12月4日から始まるが、前半戦を振り返ってみた。


混戦を演出した一番手はリコーブラックラムズだろう。前回9位のリコーは開幕戦で同7位の三洋電機ワイルドナイツに競り勝つと、優勝候補の一角に挙げられていたサントリーサンゴリアス戦では16点差をひっくり返し、同チームから5年ぶり勝利。さらに、初代王者の神戸製鋼コベルコスティーラーズにも27-21で勝ち、開幕3連勝。神戸製鋼からは32シーズンぶりの白星をもぎ取った。このあと3連敗して五分の星となったが、前半戦を盛り上げた。


逆に出鼻をくじかれた両チームは、その後も勢いを取り戻せないまま。連覇を狙う神戸製鋼は得点力を誇る切り札・大畑を故障で欠いているとはいえ、集中力が見られず、防御に粘りもない。開幕5連敗中の三洋電機戦では初勝利を献上するなど、3敗目(3勝)を喫し、優勝戦線から大きく後退した。好選手をそろえるサントリーも開幕から連敗を続け、2勝4敗と沈んだまま。


リーグ初昇格のトヨタ自動車の健闘も見逃せない。東芝府中には19-48で一蹴されたが、ベテランのSO廣瀬がうまくチームをリード。ヤマハ発動機、神戸製鋼など次々強敵をなぎ倒し、東芝府中に次いで2位での折り返し。優勝候補に一気に名乗りを挙げた。


首位で後半戦を迎える東芝府中は開幕戦こそ、神戸製鋼に敗れたものの、その後は5連勝。目下トライ王のナンバー8バツベイ、渡邉、大野らを軸にリーグ一の強力FWを誇る。得意のモール攻撃が威力を発揮、危なげない試合運びでリーグ制覇を目指す。


NECは南アフリカ代表の新外国人、SOファン・デル・ヴェストハイゼンの活躍が光る。試合の流れを的確に読んだキック、パスなどでテンポよくチームをリード。持てる戦力を十二分に引き出し、活気を与えた。さらに、けがで出遅れていた主将の箕内が復帰して一段とまとまった。


ヤマハ発動機の新外国人、ニュージーランド代表キャップ29を持つ、SOマクドナルドもレベルの高いプレーでチームを勢いづけた。


一時、首位に立ったこともあるクボタスピアーズはけが人が相次ぎ、3勝3敗とやや失速気味。この1カ月のリーグ中断期間にチームを立て直し、後半戦での巻き返しを図る。同じく五分の星のワールドファイティングブルもどこまでチーム力を整備できるかがカギ。


このほか、ともに1勝5敗の三洋電機、近鉄ライナーズは予想外の不振ぶり。三洋電機は柴田監督から宮本新監督へシーズン中の異例の交代があったが、交代2戦目で神戸製鋼に50-17で圧勝するなど地力は十分。後半戦へ期待をつないだ。リーグの厚い壁に跳ね返され、6連敗中の日本IBMビッグブルーは苦闘が続く。ここが正念場だろう。

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