後半節に向けて。監督・ヘッドコーチが意気込みを語る‥‥part 1

10月30日(日)をもって前半節を終えたトップリーグは、いよいよ12月3日(土)から後半節をスタートさせます。11月の1ヶ月間、キャンプ・練習試合をこなしながら、チーム力の増強、戦術などの調整を行ってきた各チームが、後半節からどんな戦い方をみせてくれるのか楽しみなところ。トップリーグ全12チームの監督・ヘッドコーチに、その意気込みをききました。(五十音順)
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NECグリーンロケッツクボタスピアーズ神戸製鋼コベルコスティーラーズサントリーサンゴリアス三洋電機ワイルドナイツセコムラガッツ 東芝府中ブレイブルーパストヨタ自動車ヴェルブリッツ福岡サニックスブルースヤマハ発動機ジュビロリコーブラックラムズワールド ファイティングブル

NECグリーンロケッツ 前半節(第7節まで)成績/4位(勝ち点:22) NECグリーンロケッツ
ヘッドコーチ 高岩映善 Teruyoshi Takaiwa
●前半節(第7節まで)の総括 前半節はチームの強みであるディフェンスが成果として表れ、現在トップリーグ最小失点に抑えている。しかし、攻撃面でのチャンスを活かせず、なかなか得点に結びつかないという決定力不足から接戦の連続となり、5勝1敗で4位という成績で勝点の差が結果に現れてしまっている。
●前半節(第7節まで)のベストゲーム 神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦(第7節 10月29日(土) 近鉄花園ラグビー場)。過去、ロスタイムでの逆転負けというケースはあったが、逆転勝ちは記憶にない。こういう経験はチームの財産となる。
●ヘッドコーチからみたチームいち押し選手 浅野選手⇒ロックとしての運動量はピカイチ。骨惜しみせず、ひたむきにプレーし続ける姿はチームの柱となっている。
●後半節(第8節~12節)に向けての意気込み 前半節での課題の修正と自分達の強みである攻撃的なディフェンスに磨きをかけ、1敗を守りトップリーグ初優勝を目指したい。

クボタスピアーズ 前半節(第7節まで)成績/9位(勝ち点:8) クボタスピアーズ
監督 荻窪宏樹 Koki Ogikubo
●前半節(第7節まで)の総括 前半戦は1勝4敗1分けの9位と満足できる結果を得ることができませんでした。競り合い、勝負どころで本来の力を発揮することができず、まだまだ自分達の力が足りないのだということを痛感させられました。また、セットプレー(特にラインアウト)が安定せず、ゲームの流れを掴みきれなかったことがしばしばあり、この点でも課題を残しました。とは言うものの、対神戸製鋼初勝利や昨年の日本選手権覇者NEC相手に最後の最後までリードを奪うなど、チームは着実に成長しており、目指しているラグビーは間違いではないことも感じることができました。
●前半節(第7節まで)のベストゲーム 神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦(第2節 9月23日(金・祝) 近鉄花園ラグビー場)
●ヘッドコーチからみたチームいち押し選手 全選手。
●後半節(第8節~12節)に向けての意気込み 前半戦の反省から、「激しくボールを動かすラグビー」を継続すると共に「接点での激しさにプライド」を持ち、「一歩でも前に出る」ことに強くこだわり、後半戦に臨みたいと思います。そのために、11月は激しい練習を繰り返してまいりました。まだまだ上位進出の可能性はあります。前半戦の悔しさを糧に1戦1戦大切に戦い、1つでも順位を上げ、ファンの皆様のご期待に応えたいと思います。

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 前半節(第7節まで)成績/7位(勝ち点:14) 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
ヘッドコーチ 増保輝則 Terunori Masuho
●前半節(第7節まで)の総括 まだ試合によって出来、不出来のバラつきがある。
●前半節(第7節まで)のベストゲーム トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦(第5節 10月16日(日) 瑞穂ラグビー場)
●ヘッドコーチからみたチームいち押し選手 清水秀司。
●後半節(第8節~12節)に向けての意気込み 個人プレー精度、チームプレー精度を高め上記の課題も修正し、しっかりした形で後半節にのぞみたい。

サントリーサンゴリアス 前半節(第7節まで)成績/6位(勝ち点:16) サントリーサンゴリアス
監督 永友洋司 Yoji Nagatomo
●前半節(第7節まで)の総括 選手は良くやっているが、前半戦の結果には満足していない。小さなミスが試合の結果(敗戦)につながる試合が多かった。今年もリーグの戦い方に変化が出てきており、その対応に我々スタッフ陣の対応が遅れてしまった。
●前半節(第7節まで)のベストゲーム ベストなゲームはない。常に次の試合がベストになるように頑張りたい。
●ヘッドコーチからみたチームいち押し選手 全選手がそうである。
●後半節(第8節~12節)に向けての意気込み 一戦一戦大事に戦っていく。自分らの手で栄光を掴み取る。

三洋電機ワイルドナイツ 前半節(第7節まで)成績/1位(勝ち点:28) 三洋電機ワイルドナイツ
監督 宮本勝文 Katsufumi Miyamoto
●前半節(第7節まで)の総括 常に挑戦心ということを忘れず戦ってきたことが、6戦全勝という結果になってあらわれた。挑戦ということは春からの練習で始まっておりましたが、選手一人一人が、目標設定を行い厳しいトレーニングを行ったことが、前半節の好調さであった。
初戦のNECグリーンロケッツ戦の残り時間5分での逆転勝利が、「やれば結果がついてくる」ということを、選手が身をもって知ったということが大きい。この勝利が「自分らのラグビーをすれば勝てる」という自信につながり、サントリーサンゴリアス戦の接戦を征し、クボタスピアーズ戦の後半での逆転劇につながりました。昨年の覇者、「東芝府中ブレイブルーパス」とは地元・太田で試合することができたのが大きい。「地元での試合は絶対に負けられない」という選手の思いが、結果へとつながった。前半節までの修正点は、グラウンドを広く使うラグビーを目指しておりましたが、試合により波があったのでここらを意識して取り組みたい。
●前半節(第7節まで)のベストゲーム 東芝府中ブレイブルーパス戦(第6節 10月22日(土) 太田市運動公園陸上競技場)。前半戦の6試合、それぞれのゲームで持ち味を出したが、やはり地元で戦った「東芝府中ブレイブルーパス」との試合。地元の皆様の前で、昨年の覇者に勝てたのは、選手には大きな自信となりファンの皆様には非常に喜んでもらえた。
●ヘッドコーチからみたチームいち押し選手 選手全員が自分の役割を忠実に実行しており、誰がいち押しかというと非常に難しい。ただ、トニー・ブラウンがチームに合流し2年目になり、チームに馴染んできたことが大きい。練習でも決して手を抜かない彼の姿勢が、チームにも好影響を与えている。
●後半節(第8節~12節)に向けての意気込み チームも前半戦の好調を維持しており、また11月の秋季合宿でフィットネスを高めたことにより、さらに目指すべきラグビーに近づいております。気の緩みも一切なく、さらに進化したチームをご披露することができそうです。

セコムラガッツ 前半節(第7節まで)成績/11位(勝ち点:3) セコムラガッツ
ヘッドコーチ 加藤尋久 Hironaga Kato
●前半節(第7節まで)の総括 勝利という結果は出ていないが、2年前(一昨年のトップリーグでも開幕6連敗)に比べれば、成長を感じさせられる部分の多い内容だった。2年前はイチかバチかで挑んだゲームが多く、上手くはまればというレベルだったが、今季はある程度計算できるゲームプランを準備して、ゲームに臨むことができている。その中で、格上(NECやサントリー)の相手に対して、あと一歩まで追い詰めるところまで来ており、もったいないゲーム、勝ててもおかしくないゲームが多かった。
指導者として、チームを勝たせることができなかったのはとても残念であり、逆に後半戦に向けて、それらの課題を克服していく必要がある。前半戦6試合を振り返り、ラガッツのウィークポイントとして共通して云えることは、まだまだ「勝ち方」を知らないということ。大事な場面でミスをする。トライを取りきれない。80分間の中に集中力の切れる時間帯がある。また、アタックとディフェンスの切り替えが遅く、相手のカウンターから容易にスコアを許すシーンも見受けられた。これら、一つひとつの課題に対して、「なぜ自分たちができないのか?」「なぜそうなってしまうのか?」という視点を持ち、各自が考え、取り組んでいかなければならないと考える。勝負に勝つためには当然「セオリー」というものが存在する。だが、ラガッツが「勝ち方」を知るためにはまずは、早く一つ「勝つこと」が重要。身をもって勝利を体感することが、チームにとっては一番の勉強になる。後半戦までの一ヶ月間で、これまで以上に厳しいプレッシャーのある環境を作り、その中でミスを減らしていく練習をしていきたい。
●前半節(第7節まで)のベストゲーム 該当ゲームなし。すべて負け試合であり、自分たちの力を考えたらもっとできると思っている。しいて挙げるとすれば、第7節トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦。結果的にたくさんトライを取られたが、ディフェンスにおいてもやりたいことが出せたゲーム。なによりもボーナスポイントを獲得することができたのは大きい。
●ヘッドコーチからみたチームいち押し選手 新人LOの鈴木学。身長200cmというサイズもさることながら、プレーヤーとしてのスケールの大きさを感じる。ラインアウトをはじめとする空中戦での安定感。フィールドプレーの柔らかさが魅力で、将来性のあるプレーヤー。
●後半節(第8節~12節)に向けての意気込み シーズン前に掲げた目標は、トップリーグ、マイクロソフトカップ、日本選手権の3大タイトルのいずれかでベスト4入り。不本意ながら、現在の成績を考えれば、トップリーグでの4強入りは難しくなってしまった。我々として残された道は、リーグ後半戦の残り5試合すべてで勝利をものにし、何が何でもマイクロソフトカップへの出場権(8位以内)を獲得すること。そして、カップ戦で4強以上を狙いに行く。そのためにも、目標に向かって大事に、貪欲に、一戦一戦を戦っていきたい。

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