新潟の青い空、白い雲、そして見下ろせば絨毯を思わせる広い緑の芝生。ここは、昭和39年新潟国体時のメモリアル会場である新潟市陸上競技場である。ジャパンラグビートップリーグ2006-2007の開幕戦、ヤマハ発動機ジュビロ対クボタスピアーズはもうすぐ。残暑の日差しはまだ強く、午後から、新潟県内ラグビースクール参加のミニラグビーのデモ試合、長野県選抜を迎えての中学交流戦と続く。夕暮れになる頃、会場も賑わってきた。ジャパンラグビー応援ソング「威風堂々」が涼しい。
新潟市長の始球式が行われた。18:00キックオフと同時に照明が灯された。2分、いきなり、ネイサン・ウィリアムスのPGに度肝を抜かされる。50mはあった。試合は両チームとも、相手陣に入り込もうとキックを多用。ハーフラインを越えてのクボタの反則は、ヤマハは全てPG、クボタは1回だけタッチに蹴り、ゴール前のFW攻撃を仕掛けたが、ミスで失敗した。
トライは27分、ヤマハ、右ラインWTB、マリカ・ブニバカまで回り、タッチライン際をうまく走り、中央トライ。クボタのディフェンスが甘かった。クボタもロスタイムに味方陣からブラインド左をFB芝原が抜け、速いラックから右にきれいに回し、SO伊藤がトライした。両チーム、ミスが目立ち、よく反則をとられていた。前半はヤマハ16対クボタ11。
後半に入り、選手の動きが活発になってきた。いつの間にか辺りは真っ暗になり、明かりに照らされた緑の芝生が余計に映える。6分、クボタロックマーティン・ヴィール、シンビンで10分間の退場。両チーム、ゴール前まで行くも、決定力を欠き、一進一退。ようやく19分クボタ、ラインアウトモールを押しこみ、シンビンから帰ったばかりのM・ヴィールがトライ。ゴールも決まり16対18と逆転する。10分間を14人で防いだご褒美だ。しかし、27分クボタが反則。ウイリアムスのPGで再逆転。19対18。
34分、クボタ、自陣前のタッチミスを突かれヤマハ三角があっさりトライ。ゴールも成功し26対18
36分、クボタの反則の仕上げはケフのギリギリの危険なタックル。シンビン。ケフはオーストラリアの1999年ワールドカップ優勝時のメンバーだ。やはり前半からプレーが際立っていた。
そして40分、ヤマハ ウイリアムス5つめのPGで終わってみれば29対18でヤマハの勝利だった。この試合、反則が多かった。その度に試合の流れが切れて残念だった。そんな中で、ウイリアムスのPGが着々と決まっていた。それがヤマハの試合運びのうまさではなかろうか。
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新潟市長による始球式 |
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ヤマハのマリカ・ブニバカ |
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モールサイド |
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山神孝志監督(左)、鈴木キャプテン
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ヤマハ発動機ジュビロ 29-18 クボタスピアーズ(9月2日)
◎クボタスピアーズ ○山神孝志監督
「今日のゲームは接点などの対策を行なって臨んだが、ブレイクダウンの激しさでヤマハさんに負けてしまい、また、ミスからペナルティーをしてしまったことが、得点に結びつけられました。攻められると断ち切れず、簡単な選択をしてしまっていた。なので、もっと厳しい判断をしていかなければならない。
良い面はラインアウトとモールでした。課題はブレイクダウンと、より速いサポート。ちょっとしたところが命取りになってしまいます。 (新潟出身の高橋銀太郎選手についての質問を受け)逆転ゴールを決めるなど、キックに魅力を感じた。トップリーグで戦っていくためには、体づくりと色々なプレイを覚えること。更なる成長をして欲しい。今日は平均点でした」
○鈴木力キャプテン
「初戦を落とし、勢いに乗ることができませんでした。次に向けた修正が必要です。反省点は、ペナルティーが多いことと、あと一歩の勝負で負けること。これが敗因となりました」
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高橋銀太郎のゴールキック |
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ラインアウト |
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珍しい大田尾のスクラムハーフ |
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堀川監督(左)、木曽キャプテン
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◎ヤマハ発動機ジュビロ ○堀川隆延監督
「初戦、思ったようなゲームメイクができませんでした。1対1のディフェンスが課題です。アタックでは、ボールを動かすことが、課題となりました。
(リザーブから出場した村田選手が負傷退場したことにより太田尾選手がハーフでプレイしたことの質問を受けて)バックスのリザーブが少なかったのはフォワードを固めることを目的としていて、結果、それが実現できた」
○木曽一キャプテン
「この勝利をまずは応援団に報告したい。初戦、堅いゲームができたと思う。勝って反省点があることは良いことだ」
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