1節 マッチ&会見リポート(ワールド 22-33 セコム)

3年ぶりのトップリーグ岩手県開催にふさわしい好天に恵まれ、9月2日、盛岡南公園球技場でワールド ファイティングブル - セコムラガッツ戦が行われました。

釜石シーウェイブスvs秋田ノーザンブレッツ
釜石シーウェイブスvs秋田ノーザンブレッツ
このゲームに先立ち同会場では、盛岡さんさ踊り「清流会」の太鼓群舞がグラウンドで繰り広げられ、トップイースト11の開幕戦、釜石シーウェイブスvs秋田ノーザンブレッツの試合が秋田ノーザンブレッツのキックオフで開始されました。
前半5分、新加入選手スタンレー・アフェアキの先制トライから釜石シーウェイブスが主導権を握る展開。秋田ノーザンブレッツは、積極的にバックスに展開し攻撃を仕掛けるものの、釜石シーウェイブスの硬いディフェンスに阻まれて得点できず、トライは試合終了間際の1つのみ。地元、釜石シーウェイブスが35-10で開幕戦を飾っています。

ワールド-セコム戦ですが、両チームのサポーターを中心に、およそ1,500人のお客様が、久しぶりの岩手県で開催のトップリーグ観戦を楽しみました。
前半は、セットプレーの安定したセコムが、新加入のSOリチャード・アパヌイを中心とした堅実なゲーム展開で2トライ(1ゴール)、3ペナルティーゴールを重ね、21-8で折り返しました。

しかし、後半になると、ワールドFW陣が自力を発揮し始めて、後半7分、No.8ジョージ・スタワーズ、同14分、右フランカー田中正純と立て続けにトライし、22-24の2点差まで詰め寄り、逆点も考えられる展開。しかし、その後、セコムSOリチャード・アパヌイが25分、37分、41分と連続ペナルティーゴールを決めて突き放しました。
トライ数はワールド3本、セコム2本とほぼ互角でしたが、ペナルティーゴールの成功はワールド1本、セコム7本と大きなちがいがあり、ワールドとしては、自陣での反則が悔やまれるところでしょう。

ワールド ファイティングブル

グリッグ ヘッドコーチ(右)、中山キャプテン
グリッグ ヘッドコーチ(右)、中山キャプテン

ワールド ファイティングブル 22-33 セコムラガッツ(9月2日)

◎ワールド ファイティングブル
○ピーター・グリッグ ヘッドコーチ

ワールド 22-33 セコム
「私たちのチームは、ゲームの中で多く与えられたチャンスを生かすことができなかった。今は、そのぐらいしか言うことがない」

○中山浩司キャプテン
「一生懸命プレーしたのですが、前半は、ディフェンスが組織的に機能しなくて、相手の攻撃をまともに受けてしまった。また、タックルから獲得したボールなどを生かしきることができなかった」

――チームスタイルの転換を図っている最中だと思うが、そのことによる「苦しさ」のようなものはあるか。
○グリッグ ヘッドコーチ
「新規加入メンバーは2人しかいないので、チームとしては、転換が行いやすい状態である」

――どのようなチームスタイルに変えようとしているのか。
○グリッグ ヘッドコーチ
「これまで2年間、"10人"のラグビーをしてきたが、"15人"のラグビーに変えようと思っています」
○中山キャプテン
「スタイルの変更ができれば、アタックの面でも得るところは大きいと考えている。この課題の解決に向け、さらにレベルアップできるよう努力していきたい」

――反則が多かったのでは。
○中山キャプテン
「フォワードの選手が戻りきれていない反則が多かった。相手のフォワードに喰い込まれて、戻りきれなかったということだろう」

――怪我で欠場しているマナコ選手が復帰するのはいつごろか。
○グリッグ ヘッドコーチ
「復帰は来週のゲームからかもしれないし、来シーズンになるのかもしれない。今のところはなんとも言えない」



セコムラガッツ

ラブ ヘッドコーチ
ラブ ヘッドコーチ

小池キャプテン
小池キャプテン


◎セコムラガッツ
○ウェイン・ラブ ヘッドコーチ

「チームのプランどおりパターンを生かして攻撃することができた。ハーフタイムでは、後半もこのようにと指示したが、原因は分からないが、相手に食い込まれてしまった。せっかく、長い間練習してきた"ディシプリン"は、残念ながらエラー率が高いのですけれども、レベルの高いプレーが要所に見られたので、それをこれから生かしていければ良いと考えている。
全体的には、いい試合だったと思っている。Fwは力が均衡していたが、Bkは私たちのスピードが勝っていた。ワールドもいいチームで、特にハーフタイム直後に強いプレッシャーをかけてきて、得点をしている。とは言うものの、セコムの選手もプライドを持って戦い、練習で身につけた力を発揮しているし、短い時間でチーム作りをしようと努力している」

○小池善行キャプテン
「なんといっても、昨年の初戦の借りを、ここで返すことができたと思っている。ゲーム内容は、ヘッドコーチの言うとおりに良いところもあったが、自分たちの甘さがこういう点数になったのかなと思っている。"ディシプリン"など、自分たちがやろうとしていることが、試合ではまだまだできていないと感じる。しかし、勝って反省できることは良いことであり、次の試合に向けてあと一週間も努力していきたい。いずれにせよ初戦の勝利は大きな自信に繋がった」

――スタンドオフの選手が外国人選手(リチャード・アパヌイ)となったが、スクラムハーフとして、また、チームとしてどう変わったか。
○小池キャプテン
「セコムのチームでは、外国人のスタンドオフはほとんどいなかった。身体が大きいので、今の日本にあまりないタイプのスタンドオフである。キック力、ゲームの創造力もあるし、攻撃パターンもたくさん持っている。スクラムハーフとしては、すごくやりやすし、コミュニケーションも良くとれている。今日もだいぶ彼のキックに助けられている」

――これまでも独創的なバックスだったと思うが、アパヌイが入ってきて今後どう変わるのか
○小池キャプテン
「今までも、バックスは一人ひとりが徹底的に考えるということでやってきた。これからも、その方針でいくし、自分たちの持っているパターンの精度を高めていくことを心がけていきたい」

――トップリーグの初戦を戦った感想は。
○ラブ ヘッドコーチ
「今年は、新しいスタイルを導入してきたが、その達成のためには、まだまだ、努力が必要であるということを実感した。と同時に、このスタイルで十分戦えるということも分かった。いずれにせよ、勝つことは自信につながる。これからもプレーの精度を高めていきたい」

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