NECがリコーの反撃を抑え、やや荒れ気味の試合を33-17で制し1敗を守った。
試合は開始直後のシンビンでスタートした。キックオフのボールを空中でキャッチしたNEC No.8箕内へのタックルでリコーWTB西辻が10分間の退場。このPKからのタッチキックで敵陣に入ったNECは、右ラインアウトからSOヤコ・ファンデルヴェストハイゼン→CTBの裏でWTB窪田がもらいゲインライン突破。順目に出してSOヤコ→FB大東で最初のトライ(G成功)。さらに直後のキックオフをキャッチしたモールから右ブラインドを攻め、WTB窪田が背後へキック。リコーがいったんは戻したが、ラックで反則。PKからNo.8箕内が速攻、ラックから順目に出してSOヤコ→FB大東→WTB百村でトライ(G成功)。NECは、リコーが14人となった立ち上りの10分間に、BKが鮮やかな攻撃で奪った2トライで14-0とリードした。
スクラムで優位に立つNECは20分にゴール前で認定トライを奪うなど、終始押し気味だったが、24分からやっとリコーが反撃に転じた。NEC陣で攻撃を繰り返すも、再三ターンオーバーされるなど、なかなか得点に結びつかなかったが、38分やっとトライが生まれた。中央付近の攻防からリコーBKがNECディフェンスを突破。最後はWTB西村が中央にトライ(G成功)。前半は21-7とNECリードで折り返す。
前半終盤からFWが密集サイドを再三アタックしてペースを掴んでいたリコーは後半に入っても3分、自陣深くのPKから速攻、WTB西村が中央付近までボールを運び、その後のラックのこぼれ球を拾ったWTB西辻がディフェンダーとの1対1を制しトライ(G失敗21-12)。
NECも6分、SOヤコ→CTB水田→ループしたCTB向山→途中出場の22瀬崎→FB大東→WTB窪田でトライを返し28-12と引き離しにかかる。今度はリコーが16分、NEC陣22m付近の密集からLOトロイ・ジャックスのパスを受けた途中出場のPR滝澤が見事なスピードを披露しトライ(チャージに遭いGは失敗)、28-17と食い下がる。
22分にNEC SOヤコがリコーSH春口に対する危険なタックルでシンビン(このプレーで両軍が乱闘になり、この日ボールガールを務めていた世田谷レディースの面々もビックリ)。NECはヤコを欠いたその後の10分間、FWがボールをキープして時間を使う作戦に出たのが巧を奏し28分にラインアウトからのモールで、この試合やや精彩を欠いていたFLマーシュがトライ(G失敗33-17)。荒れてきた試合の勝負を決めた。
NEC SOヤコは、出足の遅いリコーディフェンスに対し前に出てBKの勢いを引き出していた。リコーでは、SH月田に代わった春口が的確な判断でボールを捌き、FB小吹は持ち味のランニングスキルで再三好ブレイクを見せていた。(米田太郎)
|
|
|
|
佐藤監督(右)、伊藤キャプテン
|
|
NECグリーンロケッツ 33-17 リコーブラックラムズ(9月30日)
◎リコーブラックラムズ
〇佐藤寿晃監督
「最初の5分間での2トライが後まで響きました。良い走りの後で球出しがちょっと遅れて、テンポが元に戻ってしまうという流れになってしまいました。スペースを見つけて前に出ることはできていました」
〇伊藤鐘史キャプテン
「前半開始早々に想定外のジャッジでイエローを貰ってしまい、動揺が隠せませんでした。あそこで2トライ獲られたのが痛かったです。ラインアウトも相当研究して、裏をかこうとしました。むしろ、策を講じないほうが取れたのですが、気づくのが遅れました。ヤコ選手がシンビンで一時退場してチャンスのときに、逆にモールからトライされたのがすべてです」
ックボールを出して裏へ出ようとしたが思い通りにボールを動かせなかった」
|
|
|
|
高岩監督(右)、浅野キャプテン
|
|
◎NECグリーンロケッツ
○高岩映善監督
「試合の入りは非常に良かったと思いますが、前半の終わりと後半の入りに、敵に勢いをつけられたのは反省点です。やはり、自分をコントロールする力が大切だと感じました。ディフェンスを我慢して続けることが、これからギリギリの勝負になったときに必要になってきます」
○浅野良太キャプテン
「前半の入りは今までで一番良かったと思います。あの後、停滞してしまったのが反省点です。結果論だが、ペナルティゴールを狙ってもよかったと思います。あそこはスクラムトライを狙ってパワープレイにいきました。リコーさんのダメージが、精神的にも得点でも大きいと考えたからです。スクラムに集中していたので、もう少し、あそこでオプションプレイを使いたかったですね。僕らは5ポイントずつ獲っていくしかありません。今日の試合でいえば、もっと点を取らなくてはいけなかったと思います」
|