6節 マッチ&会見リポート(クボタ 24-33 東芝)

東芝が苦しみながらも逆転で勝ち点5を上げた。
冨岡主将、故障の立川に代わって前節先発した松田らが欠場の東芝は、WTBに大野、冨岡主将に代るCTBに仙波、そしてFBに廣瀬という布陣。ラインアウトではSHの位置に大野、ディフェンス時にはSOオト、FB吉田、WTB廣瀬というように試合中は流動的。しかし、前半は絶不調。立ち上りのクボタFWのラッシュでG前に攻め込まれ、クボタSO伊藤に先制PGを決められる。4分に得意のモールでT(G成功7-3)を返した時は、そのまま一方的な展開になるかとも思えたが、その後はクボタのスピードあるアタックの前に沈黙。クボタは22分、25分とSO伊藤のPGで逆転(7-9)すると、31分には東芝陣22m右のラインアウトから左オープンに展開。東芝の2回に渡るタックルミスにも助けられWTB本吉が左隅にT(G成功7-16)。34分にはWTB大野がシンビンで東芝が14人となり絶好のチャンス。しかしクボタはそこで追加点が奪えなかったのが痛かった。逆に東芝は前半終了間際、敵ゴール前でSO吉田のクボタBK背後への絶妙なキックをFB廣瀬がインゴールで押さえT(G成功14-16)。2点差まで戻したところで前半終了。

第1試合と同じくハーフタイムにはキッズチア。今度は100人以上もの子供達のダンスがスタンドを沸かせた後、依然14人のままの東芝のキックで後半開始。そして5分、シンビンが解けた直後の大野も加わった東芝の"9人FW"が、ゴール前ラインアウトからのモールを押し切りFL渡邊がT(G成功21-16)して逆転。その後東芝は一度もリードを許すことはなかった。12分WTBオト→途中出場のケプ→オトのT。23分再びFL渡邊がラックからTと合計5つのTを取った。一方のクボタはSO伊藤が攻守に渡り存在感を示し、25分からは今季ケガで出遅れた昨季T王マクイナリも入り、彼のチャンスメイクで最後NO8ケフがTを返したが遅すぎた。

前半最後のプレーで大黒柱CTBマクラウドが負傷退場したのは、BKに故障者が多い東芝にとって気掛かりだろう。(米田太郎)
クボタ 24-33 東芝   クボタ 24-33 東芝   クボタ 24-33 東芝
クボタスピアーズ

山神監督(右)、鈴木キャプテン
山神監督(右)、鈴木キャプテン

クボタスピアーズ 24-33 東芝ブレイブルーパス(10月14日)

◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督

「非常に残念でした。できれば、一泡吹かせたいと思っていましたが。選手は最後までよく戦ってくれたと思います。一つの収穫でした。東芝さんは迷っていたのではと思います。ただ、それでもモールから簡単にトライを獲られるところがあって、やはり強いと感じました。今日は敵陣でしっかりモールをつぶすこともできたし、ラインアウトも良かったと思いますが、ペナルティから速攻を仕掛けてミスもあり、ちょっと焦りがあったのかなと思います。トライを狙ってマクイナリを最後に投入して獲るなど、クボタの力の新しい発見もありました。
前半の終盤と後半の初めにもっとプレッシャーをかけて、クボタのたくましさを見せることができれば、もっと良いインタビューになったのですが(笑)。1週間、修正してNEC相手に金星を挙げたいと思います。
(最後にコンバージョンを外してボーナスポイントを獲れなかったが)最後に1ポイントを獲りに行って皆で繋いだトライでしたから、伊藤(宏明)も反省しているでしょう。彼とはじっくりと話したいと思います(笑)。この悔しさをNEC戦に向け、前半のラストを飾るゲームにしたいと思います」

○鈴木力キャプテン
「結果としてとても残念な気持ちです。東芝戦を目指してモチベーションを上げて来ましたが、接点の部分でも今日は互角に戦うことができて、大きな自信になりました。この調子を繋げて、来週に臨みたいと思います。
ゲームをしていて、前半はとても良い流れで自分たちのペースでできたと思います。焦りはなかったです。前半はロースコアで9点差にしたこともあり、ペナルティからゴールを狙ったのは自分の状況判断で、迷いもありませんでしたが、結果的にはトライを獲りにいったほうが良かったかもしれません。
選手には試合前、ホテルでいろいろな話をして、選手自身が勝てるんじゃないかと手ごたえを持っていました。前半は行けるのではないかと思いましたし、チャレンジャーとして自分たちの仕事ができたと思います。今日は、疲れたとき、反則が続いたときにやれなければトップ4には入れないとつくづく感じました」


クボタ 24-33 東芝   クボタ 24-33 東芝

東芝ブレイブルーパス

薫田監督(右)、中居ゲームキャプテン
薫田監督(右)、中居ゲームキャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○薫田真広監督

「2週間前の立川の肉離れと、今日予定していた松田も軽い肉離れを起こしたこともあって、大野をウィングとして使わざるを得ませんでした。前半はなかなかリズムに乗れず、接点を含めて何をやっても支配されたという感じでした。しかし、ほとんど攻めないで2トライ獲れるのだから、もっと自分たちの強いところを出していけばゲームになるとハーフタイムに言って送り出しました。後半もなかなか横のスペースを使えず、厳しいゲームでした。前節に引き続いて広瀬は非常に良かったと思います。体幹が強いしスピードもありますし。
(渡邉選手について)去年と同じくらい歳をとっていない(笑)。頭のほうも(笑)。彼の天性の盛り上げ方というか、こういうゲームのときは空気が読めるんですかね。ゲームが落ち着かないときの大人のプレーがターニングポイントになっています。
(サントリーについて)正直、あまり見ていません。今1位にいますが、これを絶対に逃すなと選手には話しています。5ポイントずつ獲っていけば抜かれることはないわけですから。冨岡キャプテンがロッカールームで言っていましたが、まだ、トップリーグが始まってから全勝優勝したチームはありませんから、そういうところにこだわっていきたいと思います」

○中居智昭ゲームキャプテン
「今日は前半はちょっとクボタさんに押されてしまいました。最初の20分で決めようと言って出たのですが。アタックはするけれど、簡単にボールを手放してしまって、ディフェンスの時間が多くなって失点につながったと思います。後半は0・1チャンネルの、我々の強いところで勝負して良い形ができたかと思います。まだ、ギャップに走りこむことができていませんので、次の試合は修正して臨みたいと思います。
(25歳の若いスキッパーだが)歳はあまり、関係ないと思います。今年、バイスキャプテンに指名していただき、練習のときから年上の人にも声を出して、コミュニケーションがとれるようになったと思います。とても充実しています」

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