1ヶ月間のウィンドウマンスをおいて再開されたトップリーグ、冬晴れの近鉄花園ラグビー場において行われたワールド ファイティングブル対神戸製鋼コベルコスティーラーズは、ワールドのキックオフで始まった。
開始早々の1分、ワールドが攻め込み神戸製鋼の反則を誘い、ペナルティーゴールを試みるも不成功に終わり、その後は、神戸製鋼が優位に進める展開となったが、ハンドリングミスやワールドの粘り強いディフェンスに苦しみ、なかなか得点を奪えない状況が続いた。19分にセンター元木がトライ(ゴール成功)を奪ったが、その後も一進一退が続き、このまま前半終了かと思われた終了間際に、ペナルティーからモールを押し込みNo8のロンがトライを奪い、0対12で折り返した。
後半に入っても神戸製鋼が優位に進め、7分、13分と連続してトライを奪い、0対22と点差が開いたが、ようやくワールドも22分、28分と連続してトライを奪い返し、10点差に詰め寄り、このまま勢いに乗るかと思われたが、32分に神戸製鋼がトライを奪い、結局12対29で神戸製鋼が勝利(勝点5)を手にした。
|
|
|
カーター ヘッドコーチ(左)、中山キャプテン
|
|
ワールド ファイティングブル 12-29 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(12月3日)
◎ワールド ファイティングブル ○マーク・カーター ヘッドコーチ 「一ヶ月リフレッシュして希望を持ってのぞんだゲームだった。しかしセットプレーで問題があった。相手に与えた2~3個のトライはそのミスからであった。
80分間選手が頑張ったことはたたえるべき。また厳しいシーズンの後半戦が始まったという感じだ」
○中山浩司キャプテン 「前半節はまったく勝つことができず、この一ヶ月は基本プレーを中心に練習してきた。前半は相手陣で戦うことができず、受身になってしまったが後半は練習でやってきたプレーを出すことができた。これを次につなげたい」
――セットプレーでのミスが目立ったが?
○カーター ヘッドコーチ
「ラインアウトでのスロワーのボールイン、ハーフの球出しがよくなかった」
――自動降格、入れ替え戦を回避するには?
○カーター ヘッドコーチ
「ステップバイステップでチームが一つになるという意味では(こういった状況も)よいことだと思っている。これから一つひとつよくしていく」
――新コーチを迎えて変わったところは?
○中山キャプテン
「グラウンドのどの地域でどのプレーを個々がすべきかを集中して教えられた」
|
|
|
増保監督(右)、松原キャプテン
|
|
◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○増保輝則監督 「まず勝ち点5という最低条件をクリアすることができてよかった」
○松原裕司キャプテン 「最初の立ち上がりからポンポンと取れるか、あるいは逆に時間がかかるか、のどちらがのゲーム展開になると予想していたので、ワントライ取るのに時間はかかったが焦りはなかった。しかし、4トライ取った後が問題で、課題が浮き彫りにされた」
――神戸らしさという点では?
○増保監督
「焦りすぎているのか・・・、やろうとしていることは理解できているし、積極的に攻めようという意思はあったのだがワールドの圧力も強かった。
もう少しボールが動けばチャンスはあった。しかしディフェンスは練習どおりしっかりできている。80分間ゲームを支配はできないので、ああいった時間帯もある、そこをおさえておく必要はある。あとは精度を上げることだ」
――CTB大畑の出来は?
○増保監督
「まだ慣れていないという感じ。彼をCTB、WTBのどちらで使うかは状況によって違う。しかしどちらでもできる能力はあるので徐々に慣れていくと思う」
――ゴール前ラインアウトが神戸の得点源だと思うのだが?
○増保監督
「今日はボールが手についていない、決定的なミスが2~3あった。ゴール前ラインアウトモールより、リセットしてからのモール、そしてFWがフェイズを重ねながら途中でモールを作れるのは強みだ。人が散らばっている時にモールでボールを縦に動かすのは、モール自体があまり力勝負にならず、有効な攻撃だ。これを生かしていきたい。しかしBKが少し芸がないように思う」
|