13節 マッチ&会見リポート(東芝 66-30 三洋電機)

トップリーグ第13節、秩父宮ラグビー場の第二試合は快晴(強風)、第一試合の興奮冷め止まぬ、8,800人のラグビーファンの熱い応援の中、東芝のキックオフで開始されました。東芝は昨日のサントリーの勝利(サニックス戦 69対 5 )で1位での通過をするためには、どうしても勝たねばならない試合、対する三洋もプレーオフトーナメント出場をかけた大事な試合です。
前半11分、東芝陣10m付近ラインアウト(東芝ボール)より展開してWTB吉田(大)選手~SH伊藤選手~HO猪口選手と繋ぎ東芝は先制トライ、WTB吉田選手がゴール成功。
16分に東芝陣ゴール前5m付近の東芝のペナルティより三洋SOブラウン選手がゴール成功し、22分に三洋陣ゴール前5m付近ラインアウト(東芝ボール)よりモールを押し込みLO侍バツベイ選手が飛び込みトライ(ゴール失敗)、27分には東芝陣ゴール前5m付近ラインアウト(三洋ボール)よりそのまま押し込みFL赤井選手が飛び込みトライ(ゴール成功)と、前半より両チーム点の取り合いの様相を呈した。
その後、東芝が得点を重ねれば三洋がすぐに取り返し、両チーム得点を重ねて 26 対 20 と東芝が6点リードで前半を折り返した。

後半最初の得点は、5分に東芝陣22m付近での東芝ペナルティより三洋SOブラウン選手がゴール成功。対する東芝は7分、三洋陣10m付近のラインアウト(東芝ボール)をクイックで投入し速攻で攻め込みCTBマクラウド選手からWTB吉田(大)選手に繋ぎトライ(ゴール成功)、10分には東芝陣10m付近スクラム(東芝ボール)より出たボールを三洋CTB霜村選手がインターセプトして60m独走トライ(ゴール成功)し、前半同様の展開を思わせたが、三洋の攻撃もここまで。その後、東芝が連続トライを重ね、結果 66 対 30 と快勝、勝点5を得てプレーオフトーナメントへの1位通過を決めた。(佐藤克則)
東芝 66-30 三洋電機   東芝 66-30 三洋電機   東芝 66-30 三洋電機
三洋電機ワイルドナイツ

宮本監督(右)、ブラウン キャプテン
宮本監督(右)、ブラウン ゲームキャプテン

東芝ブレイブルーパス 66-30 三洋電機ワイルドナイツ(1月14日)

◎三洋電機ワイルドナイツ
○宮本勝文監督

「見てのとおり、完敗です。コメントのしようがありません。こちらが弱かったとしか言えません。去年は、我々のワイドなラグビーに他のチームの対応が遅れて、良い成績でしたが、今年はそれを封じるプレーを分析、研究された印象です。競った試合を前半で落としたのが痛かったです。今日は我々の広がったディフェンスの近場が薄い弱点を徹底的に東芝さんにやられました。しかし、若手を使い、次のステップアップにつながったと思います。今日はオライリーを怪我で欠き、ブレイクダウンで一番強いプレーヤーがいなかったのが痛かったです」

○トニー・ブラウン ゲームキャプテン
「すべての東芝さんのパフォーマンスが素晴らしかったと思います。3年間でこれほど東芝のパフォーマンスが良かったことはないほどの出来でした。前半終わったところでは後半、勝つチャンスがあると思いましたが‥‥。本当にプレーオフでどこか、彼らを止めてほしいですね(笑)。
三洋が達成しなければいけないスタンダードは見えましたので、若い選手がしっかりやってくれると信じています。ディフェンスは下がりながら止め切るのは難しいです。
(今シーズンはスーパー14に出場するのか、という質問に)行く予定はありません。ラグビーキャリアは三洋で終わらせるつもりです。宮本さんが使ってくれる限り、三洋でやります(笑)。(宮本監督が「僕が監督でいる限り、彼にはやってもらいます(笑)」と横からコメント)」


東芝 66-30 三洋電機   東芝 66-30 三洋電機   東芝 66-30 三洋電機
東芝ブレイブルーパス

薫田監督(右)、冨岡キャプテン
薫田監督(右)、冨岡キャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○薫田真広監督

「昨日のサントリーさんの大勝もあり、三洋さんも絶対に勝つというプレッシャーの中での試合でした。ただ、東芝らしさを出せれば、圧勝とは行かないまでも勝利を収めることはできると考えていました。前半は風上で、リードして帰れと指示しましたが、ゲームとして、まったりした試合でトニーのキックも良く、リードし切れませんでした。後半の最初の10分で2本トライを獲れたのが勝因です。大味な試合でしたがグラウンドを広く使え、ディフェンスの止め方も良く、次の試合に向けて良い試合だったと思います。
1位通過と2位通過ではプレーオフの日程だけでなく大きな違いがあります。サントリーより上に立つというのは僕にとっては大きいことでした。今日は一つの目標であった昨年のチャンピオンチームとしてのプライドを保てたと思います。今、思えば、トップリーグの全勝チームはないので、ヤマハ戦を落としたのはもったいなかったと思います。ただ、ボーナスポイントにこだわってきて60ポイント取れたのは、チームとしての成長で、振り返ってみて納得いくリーグ戦でした。
(サントリーとヤマハとどちらとやりたいか、という質問に)皆さん的にはサントリーでしょうが、ヤマハさんにはリベンジしたいので、どちらが出てきても、と思います。ノックアウト方式のトーナメントですので、何が起こるか分かりません。僕としては、グラウンドコンディションを完璧にして選手たちに試合をさせてあげたいと思います」

○冨岡鉄平キャプテン
「今日は、タイトルはつかないけれど、モチベーションとして1位通過は大きなタイトルだと思って獲りにいくつもりでした。スコアされ過ぎで反省しなければならないですが、しっかりトライを獲ってボーナスポイントも与えず自分たちのラグビーができたと思います。今日はやっていて楽しい試合でした。勝つか負けるか分からないチームにチャレンジして、後半20分くらいから、もっともっとチャレンジしたいという気持ちになった試合で、チームとしての集中力、成長を感じました。プレーオフは、トーナメントだからといって特別に戦い方を変えていく必要はないと思っています」

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