3節 マッチ&会見リポート(リコー 10-39 三洋電機)

雲と風が強まり、時折の寒風に見舞われるなか、リコーのキックオフ。キャッチした三洋フォワードが素早く敵陣に攻め入り、中盤右スクラムからリコーバックス防御ラインの後ろに三洋SOトニー・ブラウンがキック、FB田邉がゲットしたボールをCTB榎本、SOトニーとつないで開始早々1分で先制トライ。10分にもゴール前への三洋フォワードの突進からSOトニー・ブラウンがディフェンスラインの隙に切り込みトライ、FB田邉のゴールも決まり0-10。反撃を試みるリコーは、三洋ゴール前までフォワードの突進で追い込み、ゴールラインまであと一歩のラックまで押し込みますが、モールサイドの攻撃に出たLOエモシに三洋の激しいハンマータックル。三洋ターンオーバーからキック、見る間にリコーのゴール前に、素早くバックス展開してCTB霜村がトライ、FB田邉のゴールも決まり19分には0-17と、ワイルドナイツが順調な立ち上がりを見せつけます。
ところが、三洋はやや安心してか軽いプレーが続くところ、そこは見落とさないリコーが、すかさず反撃に。ゴール前まで攻め続け、ラックから2回、3回とサイドアタックを仕掛け、最後はCTB金澤がトライ、SO河野のゴールも決まり7-17。キックオフ後のスクラムもリコーが上手くコントロールし、相手陣深くまで攻め入りPGのチャンスにSO河野が決めて、10-17でハーフタイムとなります。

後半は風下となる三洋でしたが、前半終了前とはうって変って、フォワードの当たりも激しく、俊敏なバックスから攻撃を繰り返し、11分HO山本がトライ、FB田邉のゴール追加で10-22。続く19分にもフォワードの縦突進からチャンスを掴みFB田邉のPGで10-27。なおもフォワードが縦に突破を繰り返し、最後はバックスがライン攻撃と、理想のスタイルで攻める三洋、21分、27分と3連続となるHO山本のハットトリックスコア、FB田邉の連続ゴールも追加され、29分には10-39と、ほぼ決まりのスコアまで引き離し、そのままノーサイドまで三洋が守り切りました。
フォワードの縦突破に、バックスの素早いワイド攻撃と攻撃に厚みのある三洋に対し、防戦に回りながらも、随所にプレーレベルの高さを見せるリコーでしたが、キックで挽回して敵陣に攻め入っても、なかなか思い通りの形に持ち込めないストレスの多い展開。リコーは上手さを生かせないままに、三洋のバリエーション豊富な高レベルなラグビーに、してやられた感のある厚みのあるゲームでした。
リコー 10-39 三洋電機

リコーブラックラムズ

佐藤監督(右)、伊藤キャプテン
佐藤監督(右)、伊藤キャプテン

リコーブラックラムズ 10-39 三洋電機ワイルドナイツ(11月10日)

◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督

「攻撃も防御も、プランどおりにできなかった。悪いところのみが出たような試合で、そのことがゲームの得点にあらわれている。次節に向けて、自分たちのラグビーを心がけ、早急な建て直しを図ってゆきたい」

○伊藤鐘史キャプテン
「前節と同じように、スロースタートの試合展開になってしまった。
前半の中ごろにリズムが作れつつあったものの、得点を取ることができず、さらに、風上となった後半のエリアマネジメントが上手くいかず、セットプレーを敵陣で行うことができなかった。意図していた、相手のラインアウトから崩してゆく攻撃ができなかったことが、悔やまれる」


三洋電機ワイルドナイツ

宮本監督(右)、榎本キャプテン
宮本監督(右)、榎本キャプテン


◎三洋電機ワイルドナイツ
○宮本勝文監督

「トップリーグでは勝つことが簡単ではないので、今日の勝利は素直に喜びたい。
前半、簡単に得点することができたので、身体をはったプレーがおろそかになる傾向があったが、後半に修正して、自分たちのペースに持ち込むことができたと思う。ワイドな展開に加え、フォワードの強みが出てきて、縦にも横にも強いバリエーションができている」

○榎本淳平キャプテン
「早い時間帯で、3トライも取れたので、身体をはったプレーができなかった。得点するたびに何度も選手たちの気を引き締めたりしたが、リコーも接点でのプレーに強さがあり、タフなゲームになった。
今年はチームの厚みが出てきたと思う。自身を持ってプレーしているが、先のことは考えずに、目の前の試合に全力を尽くしてゆきたい」

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