8節 マッチ&会見リポート(東芝 36-17 神戸製鋼)

前節は予想外の点差で敗れた東芝ブレイブルーパスが、神戸製鋼コベルコスティーラーズを後半突き放し、並んでいた勝ち点でも5ポイント差を付けた。

どんよりした冬曇りの味の素スタジアム。ここを"ホーム"とする東芝は地元府中ジュニアクラブ、一方味スタは初めてという神戸も公募の子供たちによるエスコートで入場。SO廣瀬主将が復帰した東芝は立ち上がりからボールを積極的に動かしたが、インターセプトされたのを機に自陣へ攻め込まれてしまう。9分にはキックの処理ミスから繋がれ、神戸に先制トライを許すことになる。その後も2度ほどインゴールへ迫られるが、前半終了間際にラインアウトモールからLOホルテンがトライしやっと逆転、10-5で折り返した。

キビキビとした動きを披露した高校生チア・WITHCESや、"東芝サポーター"府中西高校PTAの皆さんが映し出されたハーフタイムのビッグスクリーンに、後半から投入される東芝CTBマクラウドの顔もチラリと映った。マクラウドはラインをグイグイ引っぱり、8分にはハーフブレイクからオフロードパスで左コーナーへ、東芝はそこから折り返しの右ライン攻撃の後、CTBオトが後半最初のトライ。その後もベテラン渡邉や中居といったFL陣が密集から粘ってインゴールへ持ち込み、終盤から出場の俊足SH藤井もスクラムサイドを駆け抜け5トライ目を決めた。

神戸は前節同様立ち上りからキックを多用、敵陣に入り込んでペースを掴んだ時間帯もあった。SO森田の高いハイパントは東芝のキャッチミスを誘い、1回は新人WTB濱島のトライに繋がった。しかしもう1回のチャンスはゴール寸前で止められ、敵ゴール前PKでの奇襲(小キック)も成功しなかった。前半森田が2度イージーなPGを失敗したのも響き、タックルが甘くなった後半に東芝の反撃を受け、元豪州A代表FBウィルソン→(入替)トンガ代表SOホラ、日本代表HO松原や若きスキッパーSH後藤らの奮闘も実らなかった。(米田太郎
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東芝ブレイブルーパス 36-17 神戸製鋼コベルコスティーラーズ   東芝ブレイブルーパス 36-17 神戸製鋼コベルコスティーラーズ   東芝ブレイブルーパス 36-17 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
神戸製鋼コベルコスティーラーズ

平尾総監督(左)、後藤キャプテン
平尾総監督(左)、後藤主将

東芝ブレイブルーパス 36-17 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(12月22日)

◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二総監督

「後半、かなりやられました。折り返したところまでは良かったんですが、ちょっと詰めが悪くて得点できなかったですね。スクラムセットからの球出しの悪さが効いたと思います。少し、試合間隔が空くので、次、気持ちを切り替えて改善していきます」

――改善したい点は?
「後藤キャプテンが言ったこともありますが、当面、目の前のことをやっていきます。セットピースをしっかりして、次のアタックに備えるという点です。どこが悪いか分かりやすいゲームでしたので、そこで混乱していたところを直していきます」

○後藤翔太主将
「やることはやった結果がこれだと思います。まあ、試合として、負けて悔しいというのはありますが、本当に課題が明確に見えたと言うか、こうすれば勝てるというところが見えたゲームだったと思います。ちょっと時間がかかるかもしれませんが、目指す方向性はしっかり見えたので、これからサントリー戦、三洋戦のゲームを含めて修正していきます」

――課題とは?
「個人の強さだと思います。今日の試合も相手のやり方が分かっていて止められなかったので、もっと、もっと強くなれる、そういうことをしていきたいと思います」

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東芝ブレイブルーパス

瀬川監督(右)、広瀬キャプテン
瀬川監督(右)、広瀬キャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督

「寒い中、本当にありがとうございました。とにかく、三洋さんに負けて、非常に苦しい一週間でした。ターゲットを絞って、しっかり修正できたゲームでした。満足しています」

――修正した点は?
「3連覇してきたチームですから、モチベーションを維持する難しさです。その中で勝つ苦しさ。一週間、修正点は分かっていましたが、気持ちの点でなかなか上がってこない。そういう意味では、今日、結果が出て良かったと思います。具体的に一言で言うと、自分の仕事をすることです。誰かが何かをやってくれるのを待つのでなく、ブレイクダウンでコミット仕掛けていくことを修正できたと思います」

○広瀬俊朗キャプテン
「先週の負けから選手たちはいろいろ考えさせられて、正直、僕らは何のためにラグビーをやっているのかということまで話し合いました。そういう意味で、選手の気持ちの部分が出たのは満足しています。特にFWが良かったと思います。今日はFWの勝利だと思います」

――何のためにラグビーを?
「応援してくださる方への感謝の気持ち、恩返し、ラグビーをもっと魅力的なものにしたいという意思です。また、今年、勝つということが東芝が本当に強いということを証明することになります。もし、負けてしまったら、色々なものが本物でないということになってしまいます。今週の前半は個人個人で考えてほしいと言いました。週の後半は選手たちがアピールしてメッセージを持ちたいというところまで(気持ちが)上がってきました」

――今日のFWの良さは?
「辛いときにしっかりモールから獲ってくれたことですね。中居がFWのリーダーですので、そのリーダーが獲ってくれて盛り上がりました」


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