12節 マッチ&会見リポート(三菱重工相模原 12-66 三洋電機)

トップリーグ第12節、晴天の東京・秩父宮ラグビー場に4,645人の観客を集め、ここまで首位を11試合全勝で走る三洋電機に今シーズン秩父宮での最終戦となる三菱重工相模原(11敗)が挑んだ。試合は三洋電機SOブラウン選手のキックオフで始まった。開始早々の前半4分、トップリーグで試合開始の立ち上がりに苦しむ三菱重工相模原に対して、三洋電機は三菱陣22m付近での相手ボールスクラムを押し込みターンオーバーしFL若松選手が先制トライ(SOブラウン選手のゴール成功)。続く前半11分にも三菱陣22m付近でのスクラムよりサイドを突く攻撃でFL川口選手が相手ディフェンスラインの穴を突いてセンター付近にトライ(SOブラウン選手のゴール成功)。三洋電機はその後も得点を重ね前半36分には三菱陣ゴール前での相手ペナルティをスクラム戦で優位に進めてきた三洋電機はスクラム選択し押し込みスクラムトライ。三菱重工相模原は前へ前へと三洋陣に攻め込むものの相手チームの厚いディフェンスに阻まれ得点できず、前半だけで三洋電機は6トライ5ゴールと前半を圧倒(0-40)した。
後半も三洋電機は得点を重ね、対する三菱重工相模原は最後まで諦めず相手選手に果敢にタックルを続け終盤には今後に繋ぐ2トライを上げた。試合は、プレーオフ(マイクロソフトカップ)出場を決めている三洋電機が、三菱重工相模原から計10トライを奪い(12-66)12連勝とし、次節最終節をNECグリーンロケッツと秩父宮ラグビー場で対戦、三菱重工相模原はコカ・コーラウエストレッドスパークスと福岡・博多の森球技場で最終節に挑む。(佐藤克則)
三菱重工相模原ダイナボアーズ

相良監督(右)、佐藤主将
相良監督(右)、佐藤主将

三菱重工相模原ダイナボアーズ 12-66 三洋電機ワイルドナイツ(1月27日)

◎三菱重工相模原ダイナボアーズ
○相良南海夫監督

「トップの三洋電機さんと最下位のダイナボアーズの対戦でしたが、秩父宮での今季最後の試合ということでいつも応援に来て頂いているサポータの皆さんに『結果云々ではなく、何か伝わる試合をしよう』ということをテーマに試合に臨みました。結果的には50点程差がついてしまいましたが今日の試合(選手達は)ほんとにディフェンスも果敢にいってくれましたしブレイクダウンも激しくボールの争奪に絡んでくれたと思いますし、何よりもやはり(選手達が)苦しい中で80分間攻め続けたという姿勢、結果云々ではなく良い試合を選手達はしてくれたと思います」

○佐藤喬輔主将
「大差で負けてしまいましたが選手達は、80分間楽しんでラグビーしたと思います。最終戦につながるような気持ちを持ってくれたと思いますので最後まで諦めずにがんばりたいと思います」

――あと1試合ですが次の試合に向けて。
○相良監督
「何かを残すという意味では本音は勝ちたいです。しかし自動降格が決まりましたし残り80分間を来季に繋ぐ何か(経験など)を得たい。そのために今日みたいな気持ちでアグレッシブに防御もアタックもやってくれれば良いのではないか。無駄な80分にしないでほしいという気持ちなのでスタッフ以下この1週間を大事にすごしたいと思います」
――前節降格が決まり今日の試合に対しての選手たちの気持ちの切り替えは?
○佐藤主将
「正直、ショックを受けた部員も少なからずおりますが、『最後まで諦めずに初勝利を掴むことを目標においてがんばりましょう』と選手達もよく切り替えてくれました。今日も(試合前の)アップから気持ちも入っていたし良かったと思います」
――今日の試合の結果は何が違ったのですか?
○相良監督
「難しいですね(苦笑)。前半の得点の取られ方は、相手が狭いサイドを人数を使って攻めてブラインドをブレイクされて取られたケースでもディフェンスの人数が対応しきれていなかった。判断やコミュニケーションの問題などがあったのではないか。しかし今日は(選手達は)タックルをがんばったと思います。今季でミスタックルは一番少ないのではないか?そういう意味では一瞬の判断やコミュニケーションの問題があるのではと思います。
今日のようなゲームができるということは、私の反省として『何をチームとしてすべきかを明確に落としきれなかった』ことが問題だったと思います。意図がクリアしていれば選手もやりやすかったと思います」
――トップリーグの壁は?
○佐藤主将
「そんなにないです(笑)。ここ一本の集中力や簡単に(得点を)取って帰ることなど、さすがだと思いますが、我々の経験不足なども多分にあると思います。後半のポジションでは三洋電機さんより取れていたのではないかと思います。そういう意味ではゲームの入り方やメンタルな部分など原因はあると思います。しかし(この経験は)無駄にはしないと思います。『絶対に自分たちにプラスになる』と考えてやりたいと思います」
――来年1年で帰って来るための課題は?
○佐藤主将
「選手側で意識しなければいけないことは、『来年必ず(トップリーグに)戻るんだというぶれない強い気持ちを選手が全員もっていないといけない』と思います。『軸となるプレーを身につけて、ピンチの時にはそこに帰ってやり直すんだ』というところがあれば芯のあるチームになると思います。
今年は春先は体を大きくするなど色々なことに手をつけすぎてしまい、自分達の『自信の持てるプレーを準備できなかった』のが正直あります。(特にどんなプレーを軸に考えますか?)これから考えます(笑)」

記者会見終了後「落ちたくないっす。落ちたくね~(笑)」(佐藤喬輔主将)

三洋電機ワイルドナイツ

宮本監督(右)、榎本主将
宮本監督(右)、榎本主将


◎三洋電機ワイルドナイツ
○宮本勝文監督

「実は夏合宿で最終日に三菱重工さんと引き分けまして、そのことで『このチームは芯ができて強くなってきたのかな』と思います。今日の試合そういう意味では夏合宿より積み上げてきたことを『どこまで披露できるか』ということで臨みました。そういう意味では後半の2~30分は夏合宿と同じような展開になってしまいましたが『選手達がキッチリやろうとした時にはキッチリしたラグビーができて良かった』と思います。三菱重工さんは降格が決まりましたが『最後までトライをとりに行こうという気持ち』が強く、榎本含め我々も勉強になったと思います」

○榎本淳平主将
「今日の試合はモチベーション的にも難しい部分がありました。その中でも、やろうとしたことはできました。後半25分過ぎより簡単なプレーが続き受けに回ってしまい夏合宿のように悪い部分が出てしまいました。今回勝って反省できることができましたので、しっかり反省して次の試合、そしてマイクロソフトカップに臨んでいきたいと思います」

――モチベーションの問題は?
○榎本主将
「前節ヤマハさんに勝った事によりマイクロソフトカップも確定し『今日の試合は自分達の中に大きな敵がいたのではないか』と思います」
――大事な試合に応援に駆けつけてくれる皆さんによりチームは大きな影響はありましたか。
○榎本主将
「地元太田での試合、秩父宮での試合、他の会場も多くの皆さんが駆けつけて頂き応援・声援をして頂いていることは、すごく僕ら選手にとっては大変勇気付けられますし支えてもらって大変感謝しております」
――1位を確定した気持ちは?
○宮本監督
「まだマイクロソフトカップから日本選手権を戦っていく上では今日は課題の多い試合でした。(トップリーグでの)1位通過は選手達が、がんばってくれた結果です。しかし1位通過は優勝ということではありません。我々が見ているところはもう少し先にあります」
――次節リーグ全勝が掛かっているが?
○宮本監督
「ここで負けるわけにはいきません。来週はベストで戦って勝ちにいきます」

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